Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「愛の嵐」リリアーナ・カヴァーニ

2013-03-21 01:20:15 | cinema
愛の嵐-無修正ノーカット完全版- [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン


先日ふと映画の一シーン思いだして、
それは、フランス人女性が占領時にドイツに協力したということで
解放後に袋だたきにあって、髪の毛をバッサリ切られて坊主になるというシーンで。

映画のタイトルも全体もまるで思い出せないのだが、
ある人が「『愛の嵐』?」とささやいて、
違うと思うケド~といいつつ、その瞬間に激しく『愛の嵐』が観たくなってしまって。

で翌日に買いに走ったのである。DVDを。

(ちなみにばっさり坊主を思い出したのはもちろんあのAKBの件がきっかけである)


で、『愛の嵐』観ました。
25年ぶりくらいに。
こういう映画こそ自分の映画体験の核なのだなあとあらためて思う。
意識していなかったけれどもこの映画こそが、ワタシにとっての映画なのである。


****

原題はTHE NIGHT PORTER
ホテルのフロントをやっているおじさん。
夜勤あり。

ある日お客さんのなかに知った顔があり、固まる。
彼女は・・!

・・・・これ以上は言えん(笑)

フロントはドイツ人
彼女はユダヤ人
時は1950年代
いまはホテル勤めだが戦時中はナチスでぶいぶい言わせた彼。
そして彼女との関係は??

乞うご期待!

*****

どこに惹かれるかというと、やはり愛の前にはどんな策略や思惑も無力だという愛の勝利というところなのだが、
それは愛の成就で祝福されて終わるということではなくて、
逆に愛ゆえに生活が崩壊し破滅するという形での「勝利」。
愛情のもつ破滅への指向性をとらえたものは
映画だけでなくなんでも魅力的なのだ。

エロスとタナトスとか、そういうことなんだろうけど?
それを映画にするのは簡単ではないと思う。
生の喜びの中に死を
嘘のなかに真実を
忌避のなかに普遍を
見いだすような作業だと思うから。

多くの作家がそういう地点を形にしようともがいている
ポストモダンな世の中でもあまり変わっていないテーマのひとつなのだと思う。
で、この『愛の嵐』はそういうものを真正面から描いちゃった例として
あらためて記憶にとどめておくべき映画なのだな。

****

シャーロット・ランプリング
ああシャーロット♡
てくらい魅力的なのだが、昔観た時はほんとうに刺激的だったなーw
他の作品ではあまり印象に残ってないんだけど
最近になって『ゴッド・ディーバ』とか『メランコリア』で再会して
それは結構印象的だった。
歳取ってまた違う魅力があるな。

ハイライトはDVDパッケージの写真にもなっているシーンなんだけど
ここで歌をうたうんだけど、その歌がまた映画の持つ魅力を違う形で表現しちゃったようないい感じのもので、記憶に残るんだよね。
このうたは加藤登紀子が昔カバーしていた。
坂本龍一と組んでちょっと退廃的なヨーロピアンソングを歌ったアルバム。


音楽ネタとしてはもうひとつ、Nightporterという曲がJAPANにありまして。
これまた映画とは直接関係がないとはいえ?
ほとんどこの映画の世界に通じるものを持ったいい曲でありまして。
なつかしいな。


リリアーナ・カヴァーニはこのほかには
『ルー・サロメ/善悪の彼岸』を観たな。あまり覚えてないけどいい感じの映画だった。
ベルイマン役者の、そしてタルコフスキー『サクリファイス』のエルランド・ヨセフソンがニーチェ。
ドミニク・サンダがルー・サロメ。
他のも観てみたい。


****

ところで冒頭に書いた丸坊主の映画は結局思い出せないので
ひっかかり続けているのです。。



@自宅DVD鑑賞


JAPAN
Gentlemen Take Polaroids
クリエーター情報なし
Caroline


加藤登紀子
愛はすべてを赦す
クリエーター情報なし
ユニバーサルJ


mp3があるね。
私が何を望んでもいいとしたら ~映画“愛の嵐”より~
クリエーター情報なし
Universal Music LLC



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10 コメント

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つい最近、 (st/ST)
2013-03-21 21:19:26
というか昨年末に相方の要望もあって、加藤登紀子のアルバム、CD版で再入手したばかりでした。
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なつかしい (すた)
2013-03-22 03:32:18
☆st/STさま☆
なつかしいアルバムですな。こうして今も買えるというのは喜ばしいですね。
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丸坊主の映画 (moro)
2013-04-19 17:01:01
多分、「マレーナ」ではないかと。
フランス人ではなくてイタリア人(シチリア人)ですが・・・
主演はモニカ・ベルッチでした。
でも、もしかしたらフランス映画でもそういう映画は
あるのかもしれませんね。
初めてコメントしました。
返信する
Unknown (すた)
2013-04-20 00:30:11
☆moroさま☆
ありがとうございます。
同様のご教示を某所でもいただいたのですが、
『マレーナ』はワタシは観ていないと思うんですよね~
記憶がやばいのでもしかしたらどこかで観ているのかもしれません。
『マレーナ』観てみたいです。
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丸坊主の映画 (マイマイ)
2014-06-16 15:40:34
1年も前の記事にコメント、ごめんなさい。
その映画は「二十四時間の情事」(ヒロシマモナムール)ではありませんか。
愛の嵐のDVDを買うべきか、ブルーレイが出るまで待つべきか迷って検索中に、ここに来てしまいました。
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確かに (すた)
2014-06-18 22:56:10
☆マイマイさま☆
コメントありがとうございます。
ヒロシマ・モナムールもそういう内容がありますですね。
でもあれではないんですよ~
と思ってるんですが。。
だんだん記憶も怪しくなってきました。。。。
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Unknown (ミミミ)
2014-08-19 14:09:58
ボレロでは?>丸坊主の映画
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うーん (すた)
2014-08-21 19:07:32
違うと思うなー。それは未見です。たぶん。
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丸坊主の映画 (piaa)
2014-08-22 09:54:31
私もボレロに一票(笑)
TVとかでちらっとワンシーンだけ見たとか…
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むむむ (すた)
2014-08-23 00:29:52
☆piaaさま☆
見なければいけませんね~そうなると。。
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