イーガンの最初の長編(だと思う)読了。
これは読みやすかった。
少なくとも前半は。
中盤から量子力学の観点からぐっとふくらんでくるストーリーは、
しかし「万物理論」よりはだいぶとっつきがよい。
頻出する「モッド」という小道具が、小道具として精巧なうえに、
物語の本筋の起爆剤としても効いている。
こういう、無駄な小道具を出さず、しかもこういうSF味のある無駄なしガジェットが
満載なところがイーガンのかっこいいところである。
地味だけど、「モッド」に対応する小道具として「フォン・ノイマン」が出てくる。
「モッド」はいわばワイアード・ロジック、ハードウェア的パッチなのだが、
それに対して「フォン・ノイマン」は古典的コンピュータをモデルにした、
ソフトウェア駆動型汎用機とでもいおうか・・・
なのでネーミングセンスもなかなかのユーモアだ。
そういう細かいところに芸がある。
いいなあイーガン。
しかし邦題の「宇宙消失」は、重要な側面の一部しか語っていない。
いい代替案はないかしら・・・・
(「万物理論」もそうだったけど・・)
ところでこれは92年の小説。うーんもう10年以上前かあ。
イーガンさん30代はじめの作だ。
頭のいい人はうらやましい。
よおし次は「順列都市」だ~と思っても絶版なのだ(;;)
わたしの頭では、語られる理屈にどの辺から創作が混ざってて、どこに「論理のアクロバット」があるのか、全然わからないので、もう丸ごと信じちゃいそうです。
まったく、頭のいい人はうらやましいですね。
感謝感激でございます。
論理のアクロバットは「宇宙消失」ではいかにも「えいやっ」なところがあって笑えますよ(笑)でもあながちありえなくもないな~な線を攻めてくるのはまたいいですね。
このあと私は「祈りの海」も控えていて、当分楽しめそうです(^^)v
時々お値段が表示されるところが、イーガンのユーモアセンスを感じさせてくれていたように思います。
TBしておいてなんですけれど、すでにほとんど忘れているんですなこれが^^;
自分の記事読んで、へ~フォン・ノイマンてのが出てくるんだ~とか思ったりして。
もちろんお値段も覚えていませんね~
モッドでいくらくらいなんでしょうかね。12000円くらいかな