Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

パリ記6:ノートルダム大聖堂~ポンピドゥーセンターで渇く!

2009-10-04 00:18:28 | パリ記2009
18.Sep.2009 ノートルダム大聖堂
サント・シャペルからノートルダムまではご近所。ノートルダム正面の広場を歩いてゆく。ここが砂漠のような広場で観光客であふれている。ルーブルで買った水も残り少ない。日差しが強く暑い。かなり汗をかいて服が臭い^^;
ノートルダムの北側の外に塔への入口がある。そこから砂漠広場までまた行列が。「やれやれ」と口をついて出る。並ぶと日差しがじりじりと腕を焼く。15時ころ。

街中にこういう銘盤がある。だれそれがここで死んだとか住んでいたとか。


ノートルダム再訪


暇なのでガイドブックを見てノートルダムの閉門時刻などを確認する。パリでは閉門時間=職員が帰る時刻なので、用心だ。夏期間は18時までということで、塔での滞在が30分としても17時には入りたい。まあ大丈夫だろ。

とか適当なことを考えて時間を潰す。と、前に並んでいる女性(東洋人)がどうもちらちらとこちらを見る。サングラス越しに。う~むなんだろう。スリとかサギとかの類かなあ(疑心暗鬼)。サイドバッグをさりげなく押さえ用心する(被害妄想)。疑心暗鬼モードで15分くらいたっただろうか。とうとうあちらから声をかけてくる。「日本の方ですよね?」その発音は明らかに日本人である。この人は一見して日本人という感じではない。特に奇矯なわけではないし、身なりもシックで落ち着いている。普通の人だ。「はい」と答える。

聞くとその女性はもう数ヶ月海外を渡り歩いているそうである。ニューヨークにいたりイタリアにいたり。で数日前にパリに流れ着いたのだとか。世界一周航空券というのがあるらしく、航空券の期限をどんどん延ばしていろいろなところにいけるらしい。無職で日本で仕事を探してもどおせみつからないので、しばらく遊ぶことにしたとか。う~む、うらやましい。「すごいお金持ちなんですか?」と訊いたら「すごいお金持ちではないです」と言っていたので、きっとすごくないお金持ちなんだろう。スリとかサギではなかった^^;疑って悪かった。

パリでどこへ行ったとかそこへ行ったとかお互いに披露しつつ時間を潰す。何日か前にやはりノートルダムの塔に並んだが、夕刻でまだ閉門までは時間があるのに行列を切られてしまったとかで、今日は大丈夫ですよねえ??と時計を見る。いつのまにか並び始めて30分くらいが過ぎているが、列は遅々として進まず。
彼女はバチカンやフィレンツェも感動し、これ以上の感動はないだろうと思っていたが、ノートルダムの内部には改めて感動した、と言っていた。ワタシも前日に感じた内部の崇高な感じはやはりあるんだなあと思う。
そうこうするうちにようやく入口付近に。見ると一度に入場する人数を制限しているようだ。1グループが入るとそのあとしばらくは入場できない。これで列が遅いのだ。ゲートが開いて人が動き、ようやく入れるかな?と思ったら前の前の人でまたクローズ。あらら。前の前の人はチャイニーズの女性で、思わず東洋人どおし笑いあう。ここからがまた長かったがもうすぐだ。

塔への入口


やっと番が回ってきた。入口すぐのところでチケットを売っている。これも列が遅い原因ですね。ワタシはミュージアムパスで入場。ここは構造上優先入場はなし。で、そのあとはまた狭~いらせん階段!ぐるぐる昇るが、列のトップでかつ二人の女性は若いせいか、昇るペースが速い!スタートからハイペースなマラソンにまきこまれたようだ!ど・どこまで昇るの??すでに足が上がらず息が切れてくる。ぜいぜい!
限界か?というころになってようやく階段から部屋にでる。ふう、た・助かった・・・
部屋にいた係の人が「ここで5分くらい待ちます」と英語でいう。よく見ると・・そこはブティックになっていて、なんだろう、ここでまず土産を買え?ということかな?(笑)
5分が10分くらいになって、いい加減グッズをみるのも疲れてきた。まだかなあ?ムードが部屋に充満する。
ようやく扉が開かれると先ほどのらせん階段はさらに上に続いているのがわかる。また昇るのか(当然だ)。こんどは列の先頭ではなくなったので、ロウペース。ああ、よかった!(笑)推定ドイツ人のおばさん(恰幅のいい)が前を歩いていて、ふーっと息も荒く、途中で休んだりする。先ほどのマドモアゼル・ジャポネーゼは、せっかく先頭だったのに~とじれったそうだったが、こちら中年おじさんとしては非常に助かる。

ときおり明り取りの窓から光が入るものの、薄暗く狭い階段をどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも~昇る。い・いつまで昇るの?ちらと外を見るとすでに結構高い。

もうイヤというころになりようやく階段は終わり、すがすがしい外に出る。中段の回廊だ。テラスになっているのかと思っていたがそうではなく、狭いオープン構造の回廊で、角では人がすれ違うことができないくらい狭い。いや、自分(メタボ)はここ通れるのか?というくらい狭い。これでは一度に何人も居ることはできないね。入場制限はこういうことだったのね。

回廊からは至近距離で有名なガルグイユをみることができる。おお~これを見に来たんですよ~。思えばパリ初高いところなんで、風景もみなきゃ。セーヌやエッフェル塔、遠くサクレ・クールなども見える。モンマルトルって結構遠いんだねえ。

肘つくな~


モンマルトルは遠い


ここで同行した女性にガルグイユがらみで事故が発生!
いや~これもいい記念ですよといいながらちょっとお手伝いする。
こんなこともあるんだね~ガルグイユの背後には回るな!という警告かなあ?と笑いあう。

狭い回廊


ひととおり回廊をぐるぐるまわり写真を撮りまくり、はて、この上の南塔はどうやって行くんだ?と見ると、順路の矢印表示のとなりに、なにやら手書きっぽい紙で別方向の矢印が貼ってあり。あ、もしかしてこれ?(笑)狭い角を抜けてそちらに行くとまたらせん階段が^^;ぐるぐるぐるぐる昇ると南塔の上に出る。いや~さらに高いパリの街。おのぼりさんモードで涼しい風にあたる。



降りるときはなんと一気に下までのらせん階段だった。目が回る~足が痛い~どこまで降りるの~~@@;とぐるぐるしているうちに外にぽんとでる。地上だ。なるほど、もはやみやげ物を売るスペースはどこにもない。だから最初に時間があるわけね。

先ほどの女性とはノートルダム前広場でお別れする。「東京だからまたどこかで会うかもしれませんね(にっこり)」と彼女が言うので「そうですね~(にっこり)」と返したが、心の中:そ・それはありえないだろう?(笑)
まあ、二度と会うことはありませんという暗黙の意思表示なのでしょうね。
10年前のワタシなら迷わず連絡先を聞いていたのだが、もうそういうことはいいかも(なんちって)


国立近代美術館(ポンピドゥー芸術文化センター)
さて、ノートルダムのらせん階段地獄を終え、とうとう水がそこをつき。夕方だし帰るかなあとも思ったが、まだそんなに疲れていないし、パリの夜更けは遅いのを知ったので、まだどこか回れるねえ。。ということで、予定外だけどポンピドーセンターの近代美術館に行ってみることに。

地図を見ると歩いていけそうなのでてくてく。すると、おお、見えてきた見えてきた^^;なんだあの周囲に溶け込むことをきっぱり拒絶した建物は!それなりの敷地に立っているのかと思っていたが、裏側は普通に市街地のならびにあの建物がある。すごい違和感だ^^;

拒絶!


表側に回ると広場になっていて、芝生の斜面にくつろぐ人々が。

表側~


入口は斜面の下ど真ん中にある。入るとだだっ広いホール。中央にインフォメーションがあり、周囲に「MUSÉE」とか「CAFÉ」とかでっかく表示があるのでわかりやすい。MUSÉEとある表示にしたにはエスカレータがあり、昇ったところにゲートがある。ここでニッコリとミュージアムパスをみせる。ぼんじゅーる。するとゲートをとおったところでムッシュに呼び止められ。なんて言っているのか言語的には全然わからなかったが、不思議と何を言われているのかわかる。どうやら背中のリュックがいけないらしい。これを預けて来いと下の階を指差しているのだ。なんでわかったんだろう?(笑)

エスカレータで下の階に降りてぐる~りと見渡す。荷物を預ける?どこに?と、表示の意味はわからないけれど、どうもそれらしい部屋が。行ってみると英語でdepositとpick up(だったかな?)とカウンターが分かれている。きっとここでしょう。depositのカウンタに荷物をどんと置き、しるヴぷれ~とささやいてみる。とカウンタの隅にマドモアゼルが座っていてこちらを見ている。じっと見て、しばらくしてからおもむろに動き、荷物を受け取って番号札をくれた。あの間はなんだったんだろう?確かにやる気なさそうな感じでしたけどね~

身軽になってふたたびミュゼのゲートに挑む。今度は無事通過~v。で、と、あれ?この先はどこにいくの?矢印のほうは・・・外じゃん?しかしどう見ても外へ行く扉しか行きようがない。おそるおそる行ってみると・・・ああ、ここはあのポンピドーセンターの外側をうねっている階段状のところなんだな。そこがエスカレータになっているんだ~と納得。ミュゼはこっちという表示に従いエスカレータを昇る。見かけどおり殺伐とした感じでいいですね~^^;エスカレータから外を見ると、向かいのとおりにMONOPがあるのを発見。MONOPはモノプリのコンビニ版のようなもの。帰りにあそこで水を買って帰ろう(それだけ渇いていたの)。

正面にニキ・ド・サンファルの人形が二体あるミュゼは2フロアあり、下の階はコンテンポラリー作品、上の階は20世紀前半のものを展示している。コンテンポラリーのほうは、あまりじっくり見なかったが、映像作品が多く、1作をみるにはじっくり付き合わないといけない。全体としてヴィデオ、写真、オブジェという印象であまり強く印象に残らなかった。なかでは写真は力のあるものだと感じた。写真には見入ってしまうものが多かった。

ニキ


上の階には階段を使わないと行けないみたい。シャガール、マチス、ピカソ、からマン・レイ、マグリット、デュシャンなど。こっちのフロアのほうが好きだ。デュシャンの例の便器現物を見て、おお~。シャガールは好きなんだけど、一見してシャガールとわかる。ピカソも初期のものからすでにプリミティヴな要素をはらんでいて迫力あり。

シャガール!


デュシャン!


ピカソ


ポンピドーの近代美術館、まあ、普通の美術館なので、美術に興味がなければ行く必要もないところかもしれませんね。

帰りは荷物を受け取って(さっきの係のマドモアゼル、今度はやる気いっぱいに番号札を受け取ってくれたよ)、さあ、モノップへ。もしかしたら先生のお土産があるかもしれないし。渇きを反映して思わずボルヴィック2本と珍しくコカコーラZEROを買ってしまう。会計を済ませて外に出て、はっと気づく。しまった先生のお土産みるの忘れた^^;よほど渇いていたらしい>自分。
ポンピドー前広場でコーラをぐぐっと飲んで、さあ、帰ろう。広場では革ジャン+ギターで怪しげなロックをがなっているヤツもいて、なんか夜は危険そう~


帰り道、名もない教会を覗いてみる(いや、名はあるでしょうけどね)。ひどく古めかしく、中も外も崩れていきそうだが、雰囲気はすばらしい。なんでもない教会がこの迫力。いにしえのヨーロッパは教会にも富が集中したんだなあと感じさせる。

名もない教会


教会を出るとちょうど門を閉めるところ。19時だ。のんびり帰って夕食の買い物をしよう。メトロで一路サンシエへ。


今日はあの部屋のノートに書いてあった、近所のちいさなブーランジェリーに行ってみよう。バゲットがおいしいということ。パン屋さんでまた「これシルヴプレ」をやり、バゲットを買う。一口かじってみると、確かにおいしい。外は固いが中はふんわりしている。こういうパン屋さんがそこらじゅうにある。いいなあそういうの。

フランプリで水と(また水買った)チョコワッフル(甘いもの~)を買い、ステュディオで食べる。インスタントコーヒーも買ったので、飲む。TVを見ながらぼおっと食べる。マイペース。これがワタシのペースなのだ~^^

【追記】
ああ、間違えた!
バゲットとワッフルを買ったのはこの翌日の出来事でした。
この日は前日のバゲットに、フランプリでリンゴ、トマト、トロピカルジュースを買ったのでした~~


ご近所ムフタール通り



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