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アイ・カム・ウィズ・ザ・レインI COME WITH THE RAIN
2009フランス
監督:トラン・アン・ユン
脚本:トラン・アン・ユン
撮影:ファン・ルイス・アンチア
出演:ジョシュ・ハートネット(クライン)木村拓哉(シタオ)イ・ビョンホン(ス・ドンポ)トラン・ヌー・イェン・ケー(リリ)ショーン・ユー(メン・ジー)イライアス・コティーズ(ハスフォード)
トラン・アン・ユンの新作を観て参りました。
初トラン・アン・ユンでございます。
キムタクとかイ・ビョンホンとかという名前で
なにやら内容を危惧していたのですが、それは全くの先入観でありまして、
見てみるとなんのことはない、非常にワタシ好みの映画でありました。
グロくて血がドバドバ出てやたらと汚い^^;
時制もエピソードもぶつ切りであちこちに飛び回る。
そんでもってキリストネタも仕込んであるという
ワタシ向きな映画でした。
全国のキムタクファンにはぜひこぞって足を運んでいただきたい。
そしてウジ虫やフランシス・ベーコンばりのスカルプチャーにのけぞってもらいたい。スマップを追いかけている間には体験できないものがここにはあるよ。
*****
元刑事のクラインと、彼が数年前に追った連続殺人犯の逸話が非常に好み。
犯人のやったことのおぞましさは、キリストの苦難と結びついてなにやら崇高な人間観に結びついてしまい、芸術の行き着く先への寒々しさを思わずにはいられない。
苦痛のうちにこそ人間存在は完成する・・と言うようなことを言っていた犯人。
そして犯人に同化することで逮捕を狙ったクラインもその深淵に精神が飲み込まれてしまうあたりが、なんともワタシ好み。
クラインに何が起こったかは明示されずイメージの断片でのみ示されるのもワタシ好み。
で、犯人の「作品」も。ベーコンからデヴィッド・リンチに受け継がれた禍々しさをココにも受け継いだ監督がいた。
そのように苦痛に肉迫する人間がいた一方で、アジアに人々の苦痛を自身に転移させることで人を救う男がいる。彼の生き様はやはりあの聖人に似ている。教えを説いたりはしないけれども、彼を求める者と恐れる者に世は二分される。
数少ないキムタクのセリフの大部分が「あの方」のセリフであったことも驚くばかりだ。彼のセリフによって伏線が張られていた最後のクラインの言葉もなかなかユーモアと毒がありシリアスでもある。
それも苦痛に対する人類のあり方の一考察だ。
そして地獄を見たものが彼をおとしめ、または救いの使いとなるのだ。
ふう
わけわからんでしょ。
かようにワタシ好みだったわけですよ(?)
第一級の映画だというつもりはまるでないし、
おそらくはそんなに優れた作品ではないと思うのだが、
こういう映画が撮られることに、
この世は捨てたもんじゃないという妙な安堵をおぼえるのであります。
安堵とともに戦慄もするのですが。
***
音楽にRADIO HEADが参加している。
リリ役のトラン・ヌー・イェン・ケーは監督の奥さんですな。
【追記】
なんかmixiに書いた文章の方がいい感じなので
コピペしちゃいます↓
今日はトラン・アン・ユンの新作を観ました
キムタクとかイビョンホンとか出てるんで、内容をちょっと危惧していたんですが、
何のことはない、結構好みの内容でした。
グロくて流血で汚くてなにやら哲学臭い(笑)
キリストネタまで仕込んであればそれはもうワタシ風味
如実にフランシスベーコンの影響を隠さない造形は
またベーコンの内包していた禍々しい思想の行き先をも継承していたと思います。
デヴィッド・リンチに続いてココにも映画界でのベーコン承継者がいたわけです。
その造形を施した殺人犯の思想と、それを追う刑事のトラウマが、人間の苦痛に関する一つの物語となっています。
一方のキムタクも、ファンの期待を裏切るようにキムタク的演技を封印し、
異形の存在であろうとします。
その生き様は、やはり苦痛を背負うことに関しての一つの存在論的な象徴である「あの方」に似てきます。ここでも苦痛をテーマにした物語があります。
その二つが出会うときに、キムタクのセリフとして憑依した「あのセリフ」のエコーである言葉が発せられ、全体がぐるんぐるんとつながっていくところは、う~むと唸らされました。
第一級の映画だとは思いませんが、ワタシは好きですな。
全国のキムタクファン、イビョンホンファンにはぜひ劇場に足を運んでいただいて、
のけぞるもよし、ウジ虫で奇声を上げるもよし、ポップコーンを食べる気をなくすもよし、途中退席するもよし、また眠るのもよし。そういう体験も時にはいいものですよ。。。
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↑なにとぞぼちっとオネガイします。
と思いつつ。
みくしーなんてやってらしたんですね。
あまり期待を持たれると、どうかな?とか思ったりして^^;
でもあのベーコンもどきは一見の価値があるかも。まあ映画なので、実際のアートならもうちょっとインパクトがあるモノになるでしょうけれど・・・
みくし、やってますよ~
ぐだぐだ日記を
説明が少なく、シーンもかなりぶち切り状態なので
自分でそのシーンを様々な断片を追いながら
構築していくため、非常に疲れました。
最後まで監督の意図が分からなかった(笑)
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
こんばんは
コメントありがとうございます。
映画を見るときはあまり意図とか主張とか考えない方が楽しいと思うので、こういう映画は結構好きです。
デヴィッド・リンチも言っていましたが、映画には説明に回収しきれないものを伝える力がある、そういうことだと思います。
まあ、「アイ・カム~」は結構論理的に出来ていたと思いますけどね
私に言わせれは、あと10倍ぐらいの蛆虫が必要です♪
好みだったんデスね!まにーさん。
うふふ、なかなか良かったですよね。
この映画について好意的な記事なのはmanimaniさんが初めてだわっ!
残念なことに私にはさっぱりわかりませんでした。
でも不思議なことに夜中の上映だったのに全然睡魔に襲われることなく最後まで引き込まれました。
>リリ役のトラン・ヌー・イェン・ケーは監督の奥さんですな。
やっぱそうですよね!
自信なくブログ記事に書いちゃったんですが、スッキリしました~。
コメントありがとうございます~
>あと10倍ぐらいの蛆虫が必要です♪
↑これ、すごく同感です(笑)
ウジといってぱっと思い出したのはグリーナウェイのZOOですが、あのくらいは期待したいところです。
ほかにウジ映画ってありますか?
その線でまとめてみると面白そうだ(笑)
コメント&TBありがとうございます~
そうですか~みんな好意的でないのか^^;
なんでだろ?
あ、でもとらねこさんも良かったですっておっしゃってますよ(笑)↑
ワタシ、映画がわからないということがわからないのです。全部わかる!っていうんじゃなくて、謎は謎として提示されたものと受け取っちゃうからなんでしょうね。だから自分では「謎だ!」と思っても実はそんなんじゃなかった~ってこともあると思いますね。自分だけわかってないって状態が(笑)
そう、これ見に行く前にまにまにさんのミク日記を読んだので、期待できる部分とそうでない部分が事前に掴めたので、私としてもかなり満喫できましたー。
一般の映画ブロガーさん等にはやはり評判がよろしくないようですが、トランアンユンが万人受けするエンタメ映画をつくるはずはなく~。
監督の奥さんは今作でも悪くなかったけど、前作のベトナム舞台シリーズでは本当にステキなアジアン・ビューティーなんですよ。
こんにちは~^^
まあもともと一般受けしそうにないものばかり好んできたので、評価がどうあれ自分が気に入ればいいんですよね~
>本当にステキなアジアン・ビューティー
他のトランアンユンも観てみないといけませんねこれは。