世の光の時間です。 いかがお過ごしでしょうか。 福井 誠です。
今日は聖書の中のマルコの福音書3章5節から読んでみましょう。
イエスは・・・、その人に、「手を伸ばしなさい。」と言われた。彼は手を伸ばした。するとその手が元どおりになった。
イエスがいつものように聖書のことばを教えられるためユダヤ人の会堂に出かけられた時のことです。 そこに片手の萎(な)えた人がいました。
私はこの箇所を読むと、自分が牧師になる前に大学病院で作業療法士として働いていた時のことを思い出します。 その時は脳卒中の後遺症で、手足の不自由なたくさんの患者さんを受け持ちました。
リハピリテーションを始める時には、どのくらい手が動くかを知るために、手を頭の上までまっすぐに伸ばしてもらうのです。 障碍の程度は人さまざまですが、「手が萎えた」と表現する程に重度の方々もたくさんいました。 そういう人は、手を伸ばそうとしますと身体がそっくり返って、身体は曲がっても腕は持ち上がらない。 あるいは腕が持ち上がったとしても、壊れたエキスパンダーのように肘がぶらぶらして伸び切らないのです。 手に思うような力がまったく入らないのですねえ。
そのような重度の障碍を持った方々のリハピリテーションに携わった経験からも、この奇跡がどんなに驚くべきものであったかが分かります。 イエスが、「手を伸ばしなさい。」と語った時に、この人には手を伸ばす力が与えられたのです。 内側からぐっと力が入って、手が真直ぐに伸びたのですねえ。 神様の御力が現わされた奇跡でした。
ところで、(なえるのは)腕ばかりではない。 人間には心が萎えてしまうこともあるでしょう。 心に力が入らない。 頑張ろうと思っても、もう頑張りが効かない。 これ以上は無理である、と自分で自分を支えられないことがあるでしょう。 そんな時には、自分で心を伸ばすのではない。 心を伸ばしなさいと「語り」、心を伸ばす「力を与えてくださる」方がいることを覚えたいのです。
あなたもぜひ教会に行って聖書を読み、私たちに力を与えてくださるイエス様を知っていただきたいと思います。
(PBA制作「世の光」2008.8.28放送でのお話しより)
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