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市民が知らない基金を

2018年12月12日 | 日記
 昨日の一般質問から今日は『相野釜地区農業集落排水施設について』を書きたいと思います。農業集落排水とは簡単に説明すると『下水道』です。下水道は「市街化区域」に建設されますが、農地である「市街化調整区域」に下水道は整備されません。(特例を除く)

 農家のトイレなどを水洗化するためには浄化槽を整備するしかありませんでしたが、農林水産省の予算で下水を整備できるようになったことが『農業集落排水』なのです。下水道は産業廃棄物を処理する施設ですが、農業集落排水は一般廃棄物を処理する施設です。

 震災以前の相野釜地区は下水管が布設されており、排水処理場がありました。農業集落排水が岩沼市内で最も早く建設された場所です。そこに相野釜地区には特殊な貯金がありました。それが「仙台空港周辺地域環境整備基金」です。

 宮城県に空港の時間延長に関して岩沼市に交付されたもので、その額19億円もありました。基金は市が積み立て管理しており、宮城県との覚書を楯に相野釜地区などの空港周辺地域にしか使えないことにしています。

 多くの市民が知らない基金の存在があるのです。今は相野釜地区はありませんから矢野目地区だけに使えるのです。相野釜地区はこの基金のお陰と言うか、公共事業に農業集落排水など様々な事業で補助を受けていました。

 しかし震災で集団移転を余儀なくされ処理施設などは解体し、今も借金だけが残っており毎年一般財源(岩沼市全体の予算)から払い続けています。残金は1億2000万円あり、基金残高は1億8000万円以上もあるから支払っても余裕なのです。

 基金には条例があり、6条に「市長は、仙台空港周辺地域環境整備事業の経費の財源に充てる場合に限り、基金の全部または一部を処分することができる」とあります。市長は他の農業集落排水施設を持ち出し、借金返済はともに一般財源から支払っているとのことでした。

 市長は条例や規則に基づいて執行していることに胸を張ったが、市長にしかできない6条を執行することで借金の財源に充てることが出来るのです。一般質問で提言した基金からの拠出は、残念ながら拠出することはできませんでした。

 騒音問題などを楯に宮城県から交付された基金は、空港周辺だけに使用を限定しているが、騒音問題は市内各地に存在しています。これから仙台空港の24時間化運航に向けて運用議論が本格化します。

 条例は理に叶うと思うし、市内全体を考慮すべきが市長の役割ではないか。

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