(「グッとくる山陰」 特急やくも・車内誌 )
■2015/12/11(金) 「師走の嵐」の日
全国的に大荒れの日で「師走の嵐」とニュースでは開口一番各局アナウンサーが口にした日だった。
新幹線さくらで新大阪を9時に出て10時に岡山駅まで来ると本日強風の為 左手四国へ向かう瀬戸大橋は電車が運転見合わせとなっていた。
私がこれから向かうのは、反対側の右手であることに安堵しながら 乗り換え時間わずかな中を 出雲行特急やくもに乗りこんだ。
(JR岡山駅ホーム「やくも」)
丁度5ケ月前の7月11日 松江城が国宝に指定されて3日目に じりじりと太陽の照り付けた夏の松江を愉しんだ。が、それ以来の松江行き。
内心 グッと寒くなってくれて 雪の松江でこたつ舟を期待していたがこれは完全にアテが外れてしまった。 強烈な雨を伴って季節外れの温風が日本列島にやってきたのだから仕方ない。
今日ばかりは、私の天気ワンアップ回復させるジンクスも効きそうにないとあきらめかけていたが、曇り空の岡山を出て備中高梁に差し掛かる頃には、青空に躍動感のある白い雲に眩しいばかりの太陽の日射しが車内に入って来た。やっぱり晴れ男だ。 そう思った瞬間、「ほらね 私と愛ちゃん 二人そろえば昔から雨なんて降らないのよ ふたりとも晴れ女なの」 そんなまわりを気にしない声が、前の座席から聴こえた。
( 備中高梁駅 )
やくもに乗り合わせた前列左右の五人は、いやでもずーっと会話のしていて嫌でも耳に入ってくるものだから 内容から 奈良の学園前あたりに住んでいて 声の大きな女性は、女医さんで今回ご両親と娘二人の計五人で温泉旅行で出雲に向かっているということがわかった。
これからどんどん天気が良くなると思ったのもつかの間、県境を越えたあたりからどんどん天気が悪く、反対方向のやくもとすれ違い待ち合わせをした駅では外の景色が見えないほどの雨 駅名が「根雨」(ねう)だからその名の由来がわかるというもの。
(このような雨を「根雨」というのか?)
米子を前にしても結局 伯耆富士・大山(だいせん)を確認することはできなかった。そして安来を過ぎたあたりから小降りに変わった。 やがて右手に中海が見え始めてくると 前の座席はまた騒がしくなった。
「あれ 海? もしかしてこれが宍道湖?」娘が地図を広げて「これチューカイみたいよ」
えっ! ? チューカイってなんだ? ここは中国かい と 吹き出しそうになった。それを言うなら「なかうみ」だろー 本当 ミスティクになりそうな予感
そんな会話で楽しんだおかげで退屈せずに松江に着いた。 まもなく13時になろうかというタイミング。 お腹も空いたので、松江に着き次第早速昼にしようと決めた。 つづく
http://blog.with2.net/link.php?1601745
(寅)