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2023.5正戸里佳ヴァイオリンリサイタル

2023年06月23日 | 旅行
日本を歩く>  2023.5 正戸里佳ヴァイオリンリサイタル


 さいたま市プラザノースホールで、定期的に「ウイークデーの午後のひととき、ちょっとしたお出かけ気分でクラシックを楽しみませんか?」をコンセプトに、ノース・リラクシング・コンサートが開かれる。
 2023年5月の金曜13:30開演「正戸里佳 ヴァイオリンリサイタル」が開かれた(ポスターweb転載)。入場料500円、公演時間45分、午後のひととき、ちょっとしたお出かけ気分でリサイタルを楽しんだ。


 正戸氏は10歳でモルドバ・フィルハーモニーと共演したそうだ。その後、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールで3位、ドミニク・ペカット国際ヴァイオリンコンクールで1位、桐朋女子高等学校音楽科を首席卒業、パリ国立高等音楽院修士課程を首席卒業、などなど輝かしい成績、成果をあげ、現在はパリと日本を拠点に国内外で演奏活動を続けている。経歴を聞いただけでも拍手を送りたい気分になる。
 プログラムといっしょに「正戸里佳と歩く パリの散歩道 スペシャルマップ」が配られた。パリ1~20区のイラストマップに代表的な建物が描かれ、パリゆかりの作曲家の略歴が紹介され、裏面にはパリの名所が簡潔に記されている。
 フランスはパリを起点に4回旅し、チュニジアを訪ねたときもパリ経由にしたので、パリの名所を懐かしく思い出し、正戸氏が近しく感じられた。コンサートで旅のマップが配られるのは初めてである。いい試みと思う。


 プログラムは、パリの名曲選と題し、
タイスの瞑想曲  マスネ
春の朝に   リリ・ブーランジェ
ノクターン第2番変ホ長調Op.9-2 ショパン/サラサーテ編曲
ノクターン第16番変ホ長調Op.55-2  ショパン/サン=サーンス編曲
ヴァイオリンとピアノの為のソナタ第1番Op.75 サン=サーンス
 アレグロ・アジタート-アダージョ
 アレグレット・モデラート-アレグロ・モルト

すでに演奏+話で50分を過ぎていたが、鳴り止まぬ拍手に
アンコール 亜麻色の髪の乙女 を弾いてくれて演奏会が終った。


 ジュール・マスネ(1842-1912)はフランスの作曲家、若いときからオペラ作家として高く評価され、パリ国立高等音楽院の教授として大勢の音楽家を育てたそうだ。「タイスの瞑想曲」は、ビザンチン帝国統治下のエジプトを舞台にしたオペラ「タイス」の間奏曲である。
 オペラ「タイス」は観たことがないが、「タイスの瞑想曲」はヴァイオリンコンサートやユーチューブでよく耳にする。おだやかなテンポで、ゆったりした気分になる。


 リリ・ブーランジェ(1893-1918)はフランスの作曲家、生まれながら臓器に障害があって医師から短命を宣告されたが、2歳で神童ぶりを発揮し、音楽の英才教育を受け、4歳になると姉ナディア・ブーランジェ(1887-1979)にくっついてパリ音楽院の講座を学び、のち自身も音楽院の学生になった。1913年にカンタータ「ファウストとエレーヌ」でローマ大賞を受賞した。
 ヴァイオリンとピアノのための「春の朝に」は最晩年の作曲である。現代的な感覚の軽快なテンポだった。


 フレデリック・ショパン(1810-1849)はワルシャワ生まれで、20歳からパリで活躍した。2019年5月のポーランドツアーでショパンコンサートも聴いたし、ショパンの心臓が埋葬されている聖十字架教会も見学した(写真)。日ごろ、家でショパンのCDもよく聴く。


 編曲のパブロ・デ・サラサーテ(1844-1908)はスペイン生まれ、10歳のときスペイン女王イサベル2世の前で演奏したほどの才能を発揮、のちパリ音楽院で学び、作曲家、ヴァイオリン奏者として活躍する。サン=サーンスとは仲が良かったそうだ。
 ノクターン(夜想曲)第2番変ホ長調Op9-2はCDでも聴いている。穏やかなリズムで親しみやすい。


 カミーユ・サン=サンサーンス(1835-1921)はフランス生まれ、2歳でピアノを弾き、3歳で作曲し、10歳で演奏会を開いた神童である。フランスで作曲家、ピアニスト、オルガニストとして活躍し、国民音楽協会設立のメンバーで、フランス音楽振興に努めた。
 ノクターン(夜想曲)第16番変ホ長調Op55-2もよく聴く。第2番変ホ長調Op9-2 にくらべ静かに感じる。


 カミーユ・サン=サンサーンス(1835-1921)作曲のヴァイオリンとピアノの為のソナタ第1番Op.75は1885年の作曲、正戸氏は激しい動きに汗をかきながら弾いてくれ、軽快な+ときに激しいテンポで気分が弾んでくる。    


 ピアノ伴奏は伊藤順一である。伊藤氏も4歳よりピアノを始め、東京芸術大学付属音楽学校、東京芸術大学で学び、彩の国さいたまピアノコンクール金賞、横浜国際音楽コンクール1位後、パリ・エコールノルマル音楽院の奨学金でフランスへ、アンリ・バルダ氏のクラスを首席で修了、飛び級し・・・、審査員特別賞で修了し、パリ音楽院を経て・・ヨーロッパ各地の国際コンクールで入賞・・、.帰国後日本ショパンピアノコンクール第1位・・の輝かしい経歴である。 正戸氏とはパリ国立高等音楽院の先輩後輩になるようで、曲の合間あいまに親しげに言葉を交わしていた。


 アンコールで弾いてくれた「亜麻色の髪の乙女」はフランスの作曲家クロード・ドビュッシー(1862-1918)の作曲で、ヴァイオリンやピアノコンサートのアンコールによく演奏される。
 アンコールを終えたときはすでに60分ほどになっていた。2人の熱演に感謝し、拍手を送る。心地よく家に戻り、ショパンのCDを聴きながらコーヒータイムにした。それにしても皆さん、小さいころから音楽の才能を発揮したり、神童だったり、音楽に疎い私には羨ましい限りである。
 (2023.6)

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