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時事ひとりごと ‐ 46(新型コロナウィルス 制限緩和)

2020-04-16 23:20:36 | 時事ひとりごと
イースター後の陽気で森はもう初夏の雰囲気です。


昨日のメルケル首相と各州大臣のビデオ会議の結果、現在実施されている制限措置が一部緩和されることになりました。
それほど大幅な緩和に至らなかったのは、感染拡大のスピードは緩やかになってはいるものの、ドイツの状況はまだ「薄氷」に立っているようなもので、収束には程遠いからだということです。
制限緩和により、また感染が再燃することがないように、様子をみながら段階的に緩和を行っていく予定だそうです。

要点は以下の通りです。
‐ 接触制限措置は5月3日まで延長。ソーシャルディスタンスの維持が重要。
‐ 公共交通機関の利用や買い物時にはマスク着用推奨(義務ではない)
‐ 学校は5月4日以後、段階的に再開
‐ 大規模イベントは少なくとも8月31日まで禁止
‐ 800平方メートル以下の店舗の再開許可
‐ 美容院、理髪点は適切な衛生措置を前提に営業許可
‐ カフェ、レストラン、バー、デパート、ショッピングモールの営業は引き続き許可されない
‐ 教会などの宗教施設の会合は引き続き禁止

5月4日以後の措置に関しては4月30日に連邦首相と州首相の話し合いがもたれる。

これまでのところ、800平方メートル以上の販売スペースのある店舗からの批判がある位で、今回の緩和措置に対する異論は聞かれません。

これは既に出された経済対策措置により事業者や企業向けには融資や救済基金などが準備されているということと、
特に社員5人までの零細企業や、自営業、フリーランスには「即時支援金」が支払われ、経済的な不安が一時的にせよ収まっているからでしょう。
連邦政府からの「即時支援金」は営業関連だけの支出として認められていますが、それに対して各州からの支援金(州毎に条件は違いますが)家賃や買い物など一般的な生活費に充てることができます。

これまでの感染対策、制限措置に対して批判の声が聞かれないのは、情報がオープンになっているのが理由のひとつだと思います。
国民が多く心配するのはやはり「医療崩壊」が起こらないかということでしょう。
確かに集中治療室のベッドや人工呼吸器の数に余裕があると言われていますが、現状についての正確な情報が欲しいところです。
それも各地区で細かに発表されています。

私が住む郡の人口はほぼ28万人で、地元紙には毎日感染者数に関する記事が掲載されます。

これは4日前の数字ですが、感染者数の合計は376人です。
Covid-19で入院している患者は28人(うち集中治療室にいるのが6人)です。
無症状や軽症者、濃厚接触者などの在宅隔離者は708人です。

感染が始まってから早速、郡の保健局を中心に危機管理室が設置され、現在140名が24時間体制で勤務にあたっています。
色々部署がある中でひとつの部署の仕事は在宅隔離者に毎日、電話をして状態を聞くことで、場合によっては入院の措置もとります。

今朝のテレビではミュンヘンの病院で行われている治療薬の臨床試験の様子を報道していました。
防護服に身を包んだリポーターが治験担当医師や患者さんにインタビューしていました。
病院内でのテレビチームの撮影がよく許可されたものです。
患者さんのひとりです。


容体を聞いたら「お医者さんを信頼していますから、大丈夫だと思いますよ」とのお答えでした。
この患者さんがお医者さんに信頼を寄せているように、多くのドイツ国民も政府に信頼を寄せているのだと思われます。
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レオポルディーナの提言

2020-04-14 15:38:00 | 日記
レオポルディーナは東部ドイツのザクセンアンハルト州のハレにある学術機関で「国立科学アカデミー」と呼ばれています。




創立は1652年で現存する世界最古の学会ということになっています。
医学、植物学、生理学、自然哲学など自然科学系の学者が会員になっています。
会員の4分の3はドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイス)からで、残りの会員は世界30ケ国の学者で構成されています。

これまでのフェローにはチャールズ・ダーウィンとか、アインシュタインなどそうそうたる学者が名を連ねています。
ノーベル賞受賞者の内、174名がレオポルディーナのフェローになっているとのことです(2015年の時点)。

昨日レオポルディーナが今回のコロナウィルス感染対策の緩和に関して提言書を発表しました。


タイトルは「コロナウィルス・パンデミック ー 持続する危機克服」です。

19ページに及ぶペーパーはネットでダウンロードして各人が読むことができます。
新聞に掲載された要点をいくつか記します。

外出自粛や接触制限などの規則を緩和する点で一番考慮されなくてはならないのは、
緩和により、二度目の流行が起きることだけは絶対に避けなくてはならないということです。

緩和措置で一番に優先されることに児童教育が挙げられています。
それも幼稚園児から小学校の低学年児童などで、この年齢の児童教育では先生が直接対面しての指導が欠かせないからです。それで小学校の開校が勧められています。
それに対して中学、高校の生徒はホームラーニングもある程度可能とされています。

そして私が一番同意したのは、小学校低学年生に全ての教科を教える必要はなく、
ドイツ語(国語)と算数だけで構わないという点です。
そうです。児童教育では「読み書きそろばん」が私も一番重要だと思っているのです。
近年、外国語(特に英語)教育が重視されるようになっていますが、国語の素養がしっかりしていないと、
外国語の習得・上達などできません。

マスク着用はバスや電車など公共の交通機関で勧められています。

スーパーや薬局以外のお店の営業については全国で感染者数が低く抑えられ、店内でのソーシャルディスタンスが維持できる場合にのみ徐々に許可されるべきとされています。

自身も自然科学者(物理学者)であるメルケル首相も自然科学者の学会であるレオポルディーナの提言はいつも重要視しています。

この提言や各州政府が設置した州専門家委員会の報告書と共に明日、首相と各州の大臣との間で緩和措置に関する話し合いが持たれます。
各州政府の専門家委員会には感染症や経済の専門家のみならず倫理学者も入っていることを私は評価します。





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いつもとは違うイースター

2020-04-12 23:33:44 | 日記
ドイツを始めキリスト教国の国民にとってイースターはクリスマスと同じく特別な期日です。
日本のお盆や大晦日とお正月のようなものです。
特にイースターの日曜日は子供たちがクリスマスのようにとても楽しみにしている日です。
この日は普段離れたところに住んでいる大好きなおじいちゃんやおばあちゃんの家の庭(雨模様の時は家の中)に隠されているカラーエッグや
卵やウサギの形のチョコレートを探す日だからです。
時にはクリスマスほどではありませんが、ミニプレゼントが隠されていることもあります。


また介護ホームの入居者はイースターに訪ねてくる家族を心待ちにしています。

それが今年はコロナ禍で全てできなくなってしまいました。

統計上は感染拡大に若干歯止めがかかった傾向にあることから、イースター明けとされていた接触禁止措置を早めに緩和してイースターの家族集会を許可してはどうかという意見が多く出されるようになりました。

先日、シュタインマイヤー連邦大統領が異例のテレビ・スピーチを行ったのは、国民に「あと少しの辛抱」をアピールすることがあったのかもしれません。

この間のメルケル首相のスピーチ同様、シュタインマイヤー大統領も「自分の身を守る」ということよりも「他の人の命を救う」ということを強調していました。
「皆さんひとりひとりが大きな生活の変化を余儀なくされました。
 しかしながら皆さんの行動により、皆さんはこれまで多くの人の命を救ってきたのです。そして今でも救っています」

また民主主義ということにも言及していました。
「我々は強制されたから実行(訳者註:接触制限など)しているのではないのです。
 我々自身が責任を自覚する生きる民主主義を体現するものだからです。
 民主主義においては各人の命が尊重されます。
 これは医療従事者から首相まで、・・・・社会の影にいる保護されなくてはならない人々まで含まれます。」

そして欧州の中のドイツについては以下のように述べています。
「我々の隣国も強く健全にならない限り、ドイツだけが危機から脱して強く健全になることはありえません。
 ドイツ統一後30年、戦後75年を迎えた今、欧州に対して連帯すること、これはドイツへの要請ではありません。
 これはドイツの義務です」

(急いで訳したので不味い訳文で読み辛かったかと思います。乞うご寛恕です)

2020年のイースターが子供たちにとって淋しいばかりではなく、麗らかな春の日と共に楽しい思い出としても残ってくれることを願っています。
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聖金曜日の魚

2020-04-11 15:59:00 | 日記
聖金曜日にはいつも魚料理が食卓にあがります。
今年は近くにあるマスの養魚場でマスを購入してきました。
養魚場の隣は釣り堀ですが、釣り人はほとんどいませんでした。


立派なマスで二人では食べきれないほどでした。



隣には乗馬クラブもあります(以前私が通っていたところとは違います)。



久し振りに訪れたら、いつの間にか馬だけではなくバイソンも2頭いました。



ここでも「春の小川がサラサラ」と流れていました。












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時事ひとりごと - 45 (新型コロナウィルス 接触8割削減)

2020-04-10 00:37:28 | 時事ひとりごと


世の中のコロナ騒ぎが嘘のように麗らかな春の日が続いています。
日本では緊急事態宣言で「接触8割削減」を目標としているようですが、具体的にはどうすれば良いのか伝わってきません。

感染予防にはソーシャルディスタンスを保つことが有効であることは今日の地元紙に掲載された記事が証明しているかと思います。


私が住むNRW州のグラフですが、倍加速度(感染者数が2倍になるまでに要する期間)が12.2日まで伸びています。
基本再生産数(一人の患者が平均何人の未感染者に伝染させたかを表す指標)は先日1人と記述したような記憶がありますが、
実際には1.2人だそうです。これが1人以下になるのが望ましいのだそうですが、この指標も改善されています。
Covid-19の感染者数に関してドイツでは好転の傾向がみられるといえるでしょう。

ドイツで外出規制、接触制限が開始してからほぼ2週間半が過ぎようとしています。
これまでソーシャルディスタンスを順守しているかどうかは警察が監視していました。
違反者には以下の罰金が課せられます(金額は各州毎で若干違っているようです)。
これはここNRW州の場合です。


例えば2人以上集まっているのが見つかった場合にはひとりあたり200€の罰金です。
公共の場でピクニックやバーベキューをしているとひとりあたり250€の罰金です。
禁止されている病院や介護施設を訪問すると訪問者ひとりにつき200€が課せられます。
禁止されているホテルやレストランが違法に営業している場合は最高5000€の罰金です。
また10人以上の集会では最高5年の禁固刑が課せられます。
これは一部です。

私の周辺で罰金を支払わせられたという人の話は聞きません。
けれども公園内はよくおまわりさんが巡回しています。

またスーパーは買い物カートがないと入ることができません。
私が行くスーパーは入場者数が25人に制限されているので、店外には買い物カートが25台しか置いてありません。
スーパーの床には1.5m毎にテープが貼られていて、前のお客さんに近寄れないようになっています。

このような行動制限が結果として「接触8割削減」になったのかもしれませんが、
目標だけで具体例が示されないとなかなか達成するのは難しいのではないでしょうか?

ドイツでソーシャルディスタンスが比較的順守されているのは、罰則規定があり、罰金を支払いたくない、
というよりも状況がかなり深刻であり、政府も真剣に取り組んでいるということが国民に伝わったからではないかと思います。
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