気がつけばふるさと離れて34年

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2度目のロックダウンと社会的弱者

2020-10-30 22:53:36 | 日記
秋が深まってきました。
我が家の「日本の小さい秋」はベランダの隅にある燈籠と菊の小鉢です。


感染者急増中(今日は新規感染者が1万8千人を超えました)のドイツでは来週の月曜日(11月2日)から2度目のロックダウンが始まります。
今春のロックダウンと違うのは学校や幼稚園は閉鎖されないことです。
それ以外は旅行者向けホテルの宿泊は禁止されますし、レストランの営業はテークアウトのみ許可、劇場、映画館も閉鎖されるので「部分的ロックダウン」とは言っても制限は前回とほぼ同じと言えます。

一昨日のメルケル首相のテレビ会見に加え、昨日はドイツ連邦議会で今回のロックダウンに関する質疑応答がテレビで生中継されました。

新規感染者数が一週間で2倍になるだけではなく、ICU(集中治療室)のコロナ重症患者数は10日間で倍増、人工呼吸器の使用患者数は9日間で倍増と聞くと、かなり危機的状況です。
しかも新規感染者の75%の感染経路がわからない状況で、これでは更なる感染を防ぐのはかなり難しいといえます。
今回のロックダウンに対しては特にホテル経営団体やイベント開催連盟から鋭い批判が聞かれますが、
国民の50%は今回の措置は「仕方のないこと」として一応同意しています。
それ以外の33%は今回の措置は「厳しすぎる」、15%は「もっと厳しい措置をとるべき」というのがアンケート調査の結果です。

連邦議会の質疑応答をテレビで視聴していて感心したのは、多くの政治家が長いスピーチを原稿なしで理路整然と話せることでした。
これは「自分の考えを発表する」ということがドイツの学校の授業で行われているからではないかと感じました。

連邦議会で話したある政治家のスピーチの中で「社会的弱者の自由」という言葉が印象に残りました。
一連のコロナ対策では国民の権利である「自由が制限、束縛される」、これは憲法違反であるという意見があります。
ここで言われている「社会的弱者」とは例えば介護ホームに入居している要介護者です。
この人たちが望んでいる自由とは「自分の身内、友人とのコンタクト」です。
スピーチのなかで引用された「コロナで死ぬのは怖くない、ひとりで死を迎えるほうが嫌です」という入居者の言葉が胸に沁みました。
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「金継ぎ」のCM

2020-10-26 18:00:00 | 日記
最近ドイツのニュース専門テレビNTVで流れる銀行のユニークなCMを注目しています。
日本の陶磁器修復技術「金継ぎ」をモチーフにするCMです。
まず画面に茶碗のヒビに金が流れ込む様子が映し出されます。
そして金継ぎで修復された茶碗が画面にアップされます。




その後は「共同でパワーを」の文字、銀行名が画面に映し出されます。




本来の金継ぎは破損部分をはじめ漆によって接着して、金などの金属粉で装飾して仕上げるのだそうですが、
このCMだと、ひび割れたところに溶かした金を流し込むので、金で接着するような印象を受けます。
本来の意味での金継ぎではないのかもしれませんが、ともかくユニークなCMであることは確かです。
昨年のドイツ文学賞の候補作品に「Kintsugi 」というタイトルの本がありましたが、
ドイツでは結構多くの人に「金継ぎ」が広まっているのかもしれませんが、それにしてもCMにまで登場するとは驚きです。





ここで宣伝されているDZ Bankはドイツでは資産規模で2番目に大きいメガバンクですが、
金継ぎのCM効果について聞いてみたいところです。

DZ Bankはドイツ全国の農業協同組合銀行の中央機関なので、日本では農林中央金庫にあたると思います。
ちなみに農林中央金庫は欧米ではThe Norinchukin Bankという名で日本最大のヘッジファンドとして知られています。






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横山秀夫著 『陰の季節』

2020-10-25 18:20:00 | 日記
ひと月以上前に電子書籍で読んだのですが、ブログに記すのが遅れてしまいました。



この書籍を購読しようと思ったのは、独訳本を夫が読み始めたからです。
独訳本のタイトルは『2』です。



これ以前にドイツで出版された『64(ロクヨン)』や『半落ち』はそれぞれ独訳本では
『64』と『50』という数字のタイトルでした。



『64(ロクヨン)』はそのままをタイトルにして、
『半落ち』は容疑者が全てを供述しない(半分だけ)ということでの『50』というタイトルになったのだろうと
納得したのですが、今回の『2』はどういう理由なのだろうと不思議に思いました。
これは単に『陰の季節』に収録されている4つのエピソードから2つだけが独語本に収められていることから来ているようです。
原著には以下の4つのエピソードが収められています。



この中から「陰の季節」と「黒い線」だけが独語版に載っています。
できれば4本全てを掲載した方が良かったと思います。
これまでの2冊(『64』と『50』)の評判が良かったので出版を急いだのかもしれないと穿って考えてしまいました。
夫もこれまでの2冊は読み応えがあったが3冊目はあまり印象に残らなかったとの感想です。



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森のキノコ

2020-10-24 07:22:00 | 日記
久し振りに雨があがったので、森の散歩に出かけました。
我が家の前の林は随分黄葉してきたのですが、森では黄葉はほとんど見られませんでした。




でもこのところ湿った天気が続いていたためか、キノコが増えていました。





昨年同じ散策ルートで見かけたキノコに今年は出会いませんでした。
昨年撮った森のキノコです。





昨年は小ぶりのキノコが多かったような気がします。






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やっぱりね(接触確認アプリ)

2020-10-21 16:59:00 | 日記
4ヶ月前に鳴り物入りで導入されたドイツの「接触確認アプリ」ですが、
このところの感染者急増で効果が疑問視されています。





私は導入当時から効果に関しては懐疑的でした。

「接触確認アプリ」は韓国での新型コロナCovid-19の感染予防対策に効果があったということで、
各国が注目したのではなかったかと思います。
このアプリの目的は感染経路を突き止め、さらなる感染を防ぐことでしょう。
韓国のシステムに関して知識がないので比較できないのですが、
ドイツのシステムの弱点はやはりアプリの持ち主の「自主性」に依存しているということでしょう。

導入から4ヶ月間でほぼ2千万人がこのアプリを導入したそうです。
ドイツ国民の4人にひとりがスマホにアプリをダウンロードしたことになります。
ただアプリが政策者の期待通りに利用されているかどうかは疑問です。



まずコロナ陽性者がアプリに自分が感染したことをインプットしないことにはアプリは機能しません。
さらにその後、その人物の行動経緯により接触者に「警告」が出るのですが、
警告を受け取った人がこれを無視して検査を受けなければ、感染拡大を阻止することはできません。

アプリにより、各保健所の負担が減らされることはありませんでした。
陽性者の感染経路の追求、在宅隔離のコントロール、症状の把握は相変わらず保健所の職員によって行われており、
感染者急増のため連邦軍の兵士も保健所の補助要員として導入されています。

特にドイツは第二次大戦中のナチス政権や東ドイツ時代の秘密警察により市民の情報が無制限に収集されていたという苦い経験があるため「個人情報のデータ公表」に関しては厳しい規制があるので、アプリの情報が伝達されるためのハードルが高いのは確かです。
でもこのままでは6千万ユーロ(ほぼ72億円)の開発費用をかけたアプリが充分に生かされず残念です。
このアプリの有用性をもっと国民にアピールする啓蒙活動が必要でしょう。
といってもアプリを入れていない私が言っても説得力に欠けますけれどね(苦笑)。

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