気がつけばふるさと離れて34年

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女たちのカーニバル

2019-02-28 14:21:39 | 日記

ドイツの中ではライン河流域のケルン、デュッセルドルフ、マインツなどのラインラント地方がカーニバルの盛んな地域です。

今シーズンのカーニバルは昨年11月11日11時11分に始まりました。

これまでは屋内でカーニバルのお祭りが催されてきましたが、今日からは「お祭り騒ぎ」が街頭に繰り出します。

ケルンの広場も大変な賑わいです。



カーニバルの主役は「王子、農民、処女」で男性が演じます、

今年の「処女」はなかなかの美人さんですね。




デュッセルドルフやボンでは「女たちのカーニバル」にハサミを持った女たちが「男たちの牙城 市役所」に突入し男性職員のネクタイをちょん切ってしまいます。会社でも秘書にネクタイを切られてしまうので、夫もいつもこの日は「一番安い」ネクタイをしめて出社していました。




ところでここケルンの女性には今日の「女たちのカーニバル」の日だけではなく、昔から「強い」というイメージがあります。

何しろローマ時代のあの「皇帝ネロ」のお母さん「アグリッピナ」はここケルンの出身なのです。

アグリッピナには権勢欲が強く、夫殺しの疑惑もあり、あまり良い評判はありません。でもネロが子供の頃は哲学者で詩人のセネカを家庭教師につけるなど子供の教育に熱心なお母さんだったようです。

でもネロが皇帝になってからは色々政治に干渉するようになり、最後はネロの命令で暗殺されてしまいます。

「教育ママ」も過ぎると子供に疎まれてしまうのは古代ローマの時代からあったようです。
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焼締め展

2019-02-25 15:28:41 | 日記

ケルンの日本文化会館で開かれていた「焼き締め」展に会期終了間際に訪れました。

風の冷たい日で会館前の寒桜も寒そうでした。



この展示会は国際交流基金が日本文化を海外に紹介する目的で開かれているもので「焼締‐土の変容」展という名称です。
焼締めは釉薬を施さず高温で焼成されるもので最も原初的なやきものの制作方法なのだそうで、日本で独自の発展を遂げたということです。

パンフレットは英語版しかなく以下のタイトルです。

YAKISHIME - Earth Metamorphosis




焼き締めを制作する場所の紹介もあります。



展示作品は茶器からオブジェまで多岐に亘っています。






オブジェの中では以下の作品が興味深かったです。



これは服部真紀子さんという女流陶芸家の作品ですが、紙のように薄い1x3cmの土片に襞をよせて何千枚も貼りつけるのだそうです。

我が家にある以下の貝殻ブロックに似ていると思うのですが。



これはオーストラリアの西海岸のシャーク湾内にあるシェルビーチで採取される貝殻ブロックです。
このブロックを使って建造された教会もあります。

「焼き締め展」は海外巡回展で北米、中南米と回ってきてここケルンが最後の展示会場だったようです。
オーストラリアでは展示されませんでした。もし展示されていたら服部さんの作品の材料は土ではなく「貝殻」と間違われそうです。


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堀文子画文集「命といふもの」

2019-02-23 14:33:56 | 読書

先月末、ご近所に住む日本人の友人でやはり私と同じく書道のお稽古に通っている(先生は違うのですが)方とお話ししていた折、彼女が「篠田桃紅さんこの間105歳になられたそうよ」と言うのを聞き、「そういえば堀文子さんもかなりご高齢なはずだけれど何歳になられたかしらねぇ」と二人で語り合いました。

その数日後に堀文子さんが100歳でご逝去されたというニュースが伝わってきたのでとても驚きました。

堀文子さんの画文集のことを知ったのはいつだったかもう覚えていませんが、彼女の凛とした絵と文章がとても好きで、この友人にも勧めたので二人とも3冊の画文集を持っています。



この画文集に「私の故郷」という文が収められています。



彼女が幼い頃を過ごした現在の千代田区麹町平河町あたりの風景が綴られています。
今から90年以上前のことで、子供たちが日がな一日遊び呆ける森や野原や池があり、春のつみ草、夏の蝉取り、秋のどんぐりや椎の実採りと、
できればタイムスリップしたいぐらいの懐かしい情景です。

彼女は晩年、神奈川の大磯にお住まいで、時折所用で都心を訪れていたようですが、現在の東京の空しさに狂喜さえ感じ、「用をすませば一目散で生命の溢れる森の庵に帰る」のだそうです。

冒頭に出てきた友人は今日一時帰国します。
彼女は日本にいる間、お姉さまのマンションに滞在します。
とても偶然なのですが、このマンションが堀さんが子供の頃過ごした麹町平河町にあるのだそうです。
彼女のドイツのお家は堀さんの大磯の庵のように緑溢れる地域にあるので、英国大使館の大木がある庭やお堀の周囲が唯一の緑という環境で長期間の滞在に耐えられるかと心配されていました。「堀さんのようにすぐ退散するわけにもいかないので頑張ってみます」ということです。

話は変わり、先日友人のお母様が亡くなられたというのでお悔みのカードを購入しました。


堀さんの画文集の絵と少し似ています。


画文集の春の項の表紙も素敵です。


昨日は母の命日でした。
画文集の絵を眺めて、母を偲びました。
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「翻訳できない世界の言葉」

2019-02-23 10:40:15 | 読書
昨日アップした「コンマリ流片付け方」で「ときめく」にあたるドイツ語の表現は無いようですと記したら、それを読んだ友人から「こんな素敵な言葉の訳語がないなんて」との感想をいただきました。

そう言われると「ときめく」って素敵な感情ですよね。

ドイツ語での表現はないけれど、他の言語ではないかしらと、以前にも紹介した
「翻訳できない世界の言葉」を開いてみました。



本に掲載されている語の中ではタガログ語の「キリグ」が「ときめく」に近いような気がします。



ついでに見つけて思わず笑ってしまったのは無能な政治家を表すオランダ語の次の言葉です。



どこかの国の政治家にも当てはまりそうですね。

それはともかく「コンマリ流片付け」の時ばかりでなく、普段の暮らしの中でも「ときめき」を感じられれたらと思います。
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コンマリ流片付け方

2019-02-22 14:57:39 | 日記
このところドイツの新聞や雑誌で近藤麻理恵(コンマリ)さんの片付けが取り上げられています。

近藤麻理恵さんは日本では随分前から知られているようですが、私は4年前に初めてお名前を目にしました。

2015年にアメリカのTIME 誌が「世界で最も影響力のある100人」を発表し、その中に2名日本人がいました。一人はHaruki Murakamiで、これはなるほどねと納得したのですが、もう一人はMarie Kondoでそれまでは一度も目にしたことの無いお名前でした。ドイツ人では確かメルケル首相のお名前がありましたが他には記憶にありません。

それで早速電子書籍で著書を購入しました。
今回ドイツで注目されるようになり再読しています。


先日ドイツの雑誌にはコンマリ流衣類のたたみ方が「オリガミ式」として写真付きで掲載されていました。


触って「ときめく物」は残し、あとはラジカルに捨てるというのがコンマリ流だと思うのですが、ちょっと私には無理かもしれません。でも雑然とした我が家をスッキリして心地良く暮らしたいという願いはあるので少しずつ頑張りたいと思います(でもこの「少しずつ」がクセモノで「片付けは一気にやらないとダメ」なそうですが)。

ところで物を残す基準の「ときめき」はドイツ語では適当な訳語がないようで「幸せなフィーリングをもたらす」などと訳されています。

英語では「spark joy」と呼ばれているようで、これはなかなか良い訳だと思います。
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