気がつけばふるさと離れて34年

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

時事ひとりごと - 25 (農薬から毒薬へ)

2017-02-25 16:47:22 | 時事ひとりごと

マレーシアで起きた暗殺事件で毒ガスVXへの関心が高まっています。

VXはオウム真理教で有名になったサリンなどと同様の猛毒の神経剤の一種で人類が作った化学物質の中で最も毒性の強い物質だそうです。

化学者の夫がウィキペディアに記載されていたVXの化学式を見ていたら、

「これは元々、僕が働いていた会社の化学者が開発したものではないかなぁ」と物騒なことを言い出しました

VXガス自体は1952年にラナジット・ゴーシュという英国人の科学者によってイギリスの政府研究施設で発明とウィキペディアに記されています。

けれども元はゲルハルト・シュラーダーというドイツの化学者が1930年代に殺虫剤として開発した成分でした。

シュラーダー自身は殺虫剤によって害虫が根絶され、食糧生産が増えることで世界から飢えがなくなることを望んでいたようですが、

ナチ体制下では化学兵器の研究を行い1938年のサリンなど化学兵器を発明したために、

今日では神経ガスの発明者としての面が有名です。

彼としてはやはり食糧危機から人類を守る農薬の開発者として名を残したかったことでしょう。

ちなみにシュラーダーが開発した農薬(殺虫剤)の商品名は「E605」と呼ばれていましたが、

1950年代にこの殺虫剤を用いた殺人事件が実際に起こり、その後、この商品を用いた殺人や自殺が多数発生したということです。

人間には猛毒ですが、この商品はイネにつく最大の害虫であるニカイメイチュウに非常に高い効果を示したことから当時、日本へも「ホリドール」という名で大量に輸出されたはずです。

またイネのイモチ病に効果が高いセレサン石灰もシュラーダーが勤務していた会社の商品でこれも日本の農家で大量に使用されたようです。

(右側の商品です)

毒薬というといつも思い起こされるのはルネサンス期の医師・錬金術師パラケルスス(1493-1541)の名言です。

「全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ」

これに付け加えるとすれば、使用する人に悪意があるかどうかにより、薬にもなるし毒薬にもなるーということでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子供の頃、何になりたかった?

2017-02-21 16:21:15 | 日記

先頃、地元の新聞の「子供欄」に3歳から12歳のドイツの子供たちに尋ねたアンケート調査の結果が掲載されていました。

「大人になったら何になりたい?」との質問です。



女の子は

一位 獣医
二位 動物園の飼育係
三位 看護婦

男の子は

一位 サッカー選手
二位 警官
三位 消防士


日本の子供たちへの質問だったらどんな結果になったことでしょう。

ちなみに3歳から5歳までの女の子も一位は獣医で変わらないのですが、二位はプリンセスだそうです。
スペインのプリンセスなんかは憧れの的なのでしょう。


男の子だと多分「宇宙飛行士」なんかも上位にランクされそうです。

この間、新しく宇宙飛行士に選抜されたドイツ人マチアス・マウラーさん(46歳、物理学者)なんかに憧れる男の子も多いことでしょう。


それで私は子供の頃、何になりたかったかなぁ、と考えるのですが、全然思い出せません。

中学の頃は飛行機の客室乗務員(昔はスチュワーデス、今はCA)に憧れていたような気もするけれど、

大学の同級生がCAに転職したのを聞いても自分もとは何故か考えませんでした。

お家が代々薬局だった関係で子供の頃から、薬局の中にある化学品を使って色々と実験を行っていた夫はかなり早くから化学者になりたいと思っていたようです。

自分の夢の職業に就いた夫はやはり幸せな人生を歩んできたといえるのかもしれません。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大丈夫かなぁ?

2017-02-19 18:55:27 | 日記

久しぶりに友人ご夫妻を夕食にお招きしました。

普段、掃除を怠っているので食事の準備の前にまず大掃除をしなくてはなりません。

それだけでもうグッタリ

テーブルセッティングの写真だけ何とか撮りました。



あーっ、疲れた。でも綺麗な花束をいただいたので良しとしましょう



友人夫妻は3週間の予定で4月に日本を訪れます。

ご主人の方は10年程前に出張で一度日本に行ったことがありますが、奥様は初めてです。

東京、箱根、京都&奈良、広島、熊本と観光地は一応網羅するスケジュールです。

でも旅の最後に訪れるのは「五家荘平家の里」なのだそうです。

私はまだ訪れたことがないのですが、そんなに良いところなのでしょうか?

私だったら長崎とか別府とかお勧めしますけれどねぇ。でも旅行社に勧められたらしいです。

お二人とも日本語はまったくわからないのに、旅行ガイドは東京で一日しか頼んでいないそうです。

後はご自分たちで地下鉄や電車、タクシーを利用して移動するらしいけれど、

まず東京のホテル(多分オークラ)から新宿駅まで行って小田急ロマンスカーで箱根までたどり着けるのでしょうか。

私だって新宿駅や渋谷駅は迷ってしまいそうです。

お二人はこれまでも中国は列車で移動したし、メキシコやキューバもバスで移動したから大丈夫と言っているけれど、

飛行機はビジネス・クラスだし、東京や京都のホテルも高級ホテルにお泊りになるのだから、あと数日、旅行ガイドを雇う方が良いような気がするけれど。

私もほぼ同じ頃、一時帰国を予定しているので本当だったらちょっと同行してあげたいのですが、

結構、このご主人って頑固なところがあるのでお付き合いは大変かもしれないのです。


それにしても、奥様はリウマチがひどくなってご自分ではスーツケースは持てないみたいだし、それに長年、心房細動を患っていて

血栓防止剤を服用しているのです。ご主人だって数年前に心筋梗塞で倒れて確かステントが3個入っています。

大丈夫かなぁ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多和田葉子著 "Überseezungen"

2017-02-12 17:55:53 | 読書

作家の多和田葉子さんは1993年に「犬婿入り」で芥川賞を受賞されました。

1982年にドイツにいらっしゃってから2006年まではハンブルクに、その後はベルリンに住んでいます。

現在までに日本語、ドイツ語、それぞれ20冊以上の著作が出版されています。

昨年11月には日本人としては初めて「クライスト賞」を受賞されました。



劇作家、ハインリッヒ・フォン・クライスト(1777-1811)の名にちなむこの文学賞はクライストの没後101年の1912年に誕生しました。

この賞の特徴は複数の審査員により受賞者が決められるのではなく、年度毎に異なる一人の審査員が受賞者を決定するという点です。

多和田さんの著作の中では私は日本語の「犬婿入り」しか読んだことがありませんでしたが、
今回はドイツ語で記された本を始めて読みました。



タイトルの"Überseezungen"は

Übersee (海外)と Seezunge (舌平目)を組み合わせたものですが、

 Übersetzung (翻訳)と Zunge (舌→喋ること)

という意味も含まれています。

ドイツ語と日本語の「言葉遊び」のエッセーが綴られています。

例えば日本語で HANA は 「花」と「鼻」の意味があるので、単に「ハナを贈りました」といっても「花か鼻」か発音からはわからない・・・
などというエピソードです。

以前、放送局に勤めていた頃、多和田さんとのインタヴューが放送され聴いたことがあります。

その中で印象的だったのが「ドイツ語で文章を綴る時と日本語で綴る時の違い」についてのお答えです。

「日本語は母国語というためか安易にとらえ、事前に考えをまとめずに思いつくまま綴ることがあるが、ドイツ語は外国語ということで少し気構えて準備してから書き始める」

特に「母国語ということで安易に考えてしまう」という点は耳が痛かったです。

外国語だと教室に通ったりして磨くことを考えますが、日本語は母国語ということでおろそかになりがちです。

母国語といえど、やはり日々大切にしないといけないと痛感しています。

それで以下の本も時折、開いています。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然の降雪

2017-02-11 17:44:28 | 日記
鳥取県は大雪で大変なようですが、こちらも今朝は突然の銀世界で驚きました。




この間の厳寒時にもめげずに咲いていた黄色いパンジーが雪の中でまるでロウソクの灯火のように
明るい光を放っていました。



水原秋桜子の以下の句を思い出したことでした。

冬菊のまとふはおのがひかりのみ

来週の句会に提出する句がまだできていませーん( ̄▽ ̄)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする