随分長い間ご無沙汰していたのですが、
このところまた「ほぼ日刊イトイ新聞」を閲覧しています。
先週まで掲載されていた谷川俊太郎さんと糸井重里さんの対談「詩人の気持ち」がとても良かったです。
谷川俊太郎さんには以前ケルンでスイスの詩人ユルク・ハルターさんとの連詩『話す水』の朗読会が
開かれた際、お会いして詩集にサインを頂きました。
この連詩は二人の詩人がそれぞれの母国語(日本語とドイツ語)で詩作し、
それを翻訳(独→日、日→独)した詩を読んで、さらに詩を作る、いわば「連歌」の国際版です。
谷川さんの詩はスイスの日本学者クロプフェッンシュタインさんが日本語に訳し、
ハルターさんの詩は独文学者の新本史斉さんが訳を担当しています。
新本さんは私の母校の教授だということを先日知りました。
私が在学中はもちろんいらっしゃいませんでしたが。
今回偶然に驚いたのは地元紙に月に一度掲載される詩が今月はユルク・ハルター さんだったことです。
タイトルは「共通の言語」です。
心が通じない時にどんな言葉を使えば分かりえるか、というような内容ですが、
私は新本先生のように上手く訳せないので訳はカットです。
連詩を読むと、二人の詩人には共通の言語があったことがわかります。
タイトルの『話す水』のように交互に掲載される詩は水のように淀むことなく流れているからです。
「詩人の気持ち」の中で特に印象深かった言葉は「言葉のインフレ」でした。
モノが溢れる現代社会では確かに言葉もインフレ状態にあると感じます。