気がつけばふるさと離れて34年

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長雨後のサイクリング

2023-12-27 17:57:00 | 日記
ドイツでは長雨で各地で洪水の被害が相次いでいます。

久しぶりに雨が止み青空が時折のぞく日、近くの動物公園までサイクリングをしました。
クリスマス2日目の祝日で、日曜と祝日森の道路は自動車走行が禁止になるので快適なサイクリングでした。

途中一週間前の強風で倒れたと見られる樹木を通り過ぎました。



動物公園周辺の小川も普段は水量が少ないのですが、長雨で溢れんばかりです。





いつもは多くたむろしているイノシシファミリーはどこに隠れてしまったのか遠くに2匹しか見かけませんでした。



でも「神のお使い」と言われる白い鹿が見られたので満足です。
辺りを睥睨していました。







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ウクライナ俳人の句集

2023-12-20 15:53:00 | 読書




ウクライナの俳人ウラジスラバ・シモノバさんが俳句に興味を持つようになったのは、
14歳の時入院先の病院に置いてあった詩歌集に掲載されていた日本の俳句が目に留まったからです。
俳句が短い言葉の中に多くの意味を込めることができることに感動し、
印象を留めることができる素晴らしい方法だと気づいたのです。

入院中で意気消沈していたシモノバさんは特に芭蕉の次の句に希望の光を見出したということです。

まづ祝へ梅をこころの冬籠り
(厳しい冬の寒さに堪える時にも、間も無く梅の花と共に訪れる春をこころに持ち、まずは祝うが良い)

馬渕睦夫氏(元ウクライナ大使)が著書の中で「ウクライナの学校で芭蕉、奥の細道を取り上げ勉強していると知り感激した」お書きになっていると友人から聞きました。
シモノバさんも日本の俳句や芭蕉についてどこかで耳にしたことがあるのかもしれません。
14歳で俳句に出会ってからすぐに作句を始め、黛まどかさんと知り合うまでの10年間に700句も詠まれたということです。

黛さんは知り合いの女性俳人十数名と句の背景を知るウクライナ人、ロシア語を母語とするロシア人と翻訳作業チームを作り、
7ヶ月間かけて50句を選句、翻訳推敲を重ねて今年の夏に句集が出版されました。

シモノバさんの句はロシア語で詠まれています。
彼女はウクライナ語はもちろん使えるのですが、1世紀以上にわたるロシア・ソ連の植民地政策の結果、
ロシア語が第一言語になったからです。
今回のロシアによる軍事侵攻後、彼女はロシア語を使うことは辞め、ウクライナ語での作句を始めたので、
第二番目の句集が出版されるまではまだ時間がかかるでしょう。

巻末に掲載されている黛まどかさんと駐日ウクライナ大使との対談も心に響きました。
数学専攻の博士でもある大使は黛さんと日本文化の美と数学の美についても話しています。
その中で黛さんが日本の数学者の岡潔さんは「多変数複素関数論」という分野で長年未解決だった三大問題を解く前に、
一年間数学をやめて芭蕉の俳句をずっと読み続けたという興味深いエピソードを紹介してくれました。

ウクライナ軍は厳しい冬を迎えて前線で苦戦をしているようですが、挫けることなく頑張って欲しいものです。
そして爆撃を受けながらも作句を続けているシモノバさんのように文化を愛する気持ちは失わないで欲しいです。
ウクライナ大使も「戦時下に文化、心、教育の発展がなければ、何のための勝利か」と語っています。

最後に書道の先生にお願いした芭蕉の句の書を載せます。
長い投稿を最後までお読みくださりありがとうございます。






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クリスマスプレゼント

2023-12-13 16:26:00 | 日記
クリスマス前のこの時期はプレゼント選びに苦労します。
デパートや香水ショップのチラシが多くなるのもこの時期です。
先日届いたケルン劇場協会からの「プレゼントのご提案」のパンフレットに心惹かれました。



来年2月から6月までのオペラ、コンサート、ミュージカルなどの3回の公演のセットチケットです。
私はNr.042のオペラ(モーツァルトの「イドメネオ」、プッチーニの「トスカ」、ヴェルディの「仮面舞踏会」)と
Nr.708のコンサート(山田和樹指揮バーミンガム市響、サイモン・ラトル指揮マーラー室内管弦楽団、ロレンツォ・ヴィオッティ指揮ウィーンフィル)に特に興味があります→自分へのプレゼントにしようかしら?(^。^)。





そして先日ケルンのフィルハーモニーコンサートホールには「ひと足早いクリスマスプレゼント」としてシニア400名が招待されました。



招待されたのは地区の社会福祉事務所と老人ホームが連携して選んだ低所得のシニア200名とその同伴者です。
ケルン在住のご夫婦が匿名でコンサートのチケット400枚を寄付されたということです。
コンサート会場でオーケストラの演奏を初めて聴くという方がほとんどでした。
中にはドイツ語がわからない方、文盲の方もいらしたということです。
心温まる出来事を掲載した地元紙の控え目な取り扱いにも好感が持てました。




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ベストセラー『化学の授業』

2023-12-08 17:44:00 | 読書



ドイツ語の本は読むのに時間がかかります。
購入後読了までほぼ3週間かかりました。
ドイツ語のタイトルは“Eine Frage der Chemie“ です。
英語のオリジナルタイトルは”Lessons in Chemistry“です。



世界的大ベストセラーですが邦訳はまだ出版されていないので敢えて邦題をつけるとすれば『化学の授業』になります。

舞台は1950年代のロスアンジェルスです。
当時自然科学の世界は男性中心主義で女性科学者がキャリアを積むには非常に閉鎖的でした。
化学研究所の助手として仕事をしていた主人公の女性化学者は未婚で妊娠したということで研究所を辞めさせられシングルマザーとして財政的に苦労します。
家計補助のためふとしたことからテレビの料理番組を受け持つことになります。
彼女が番組で使う化学用語(「塩」ではなく「塩化ナトリウム」とか、「酢」ではなく「エタン酸」)や、
調理によりどのような化学変化が起こるかという解説が視聴する主婦の間で大変な評判になります。
番組プロデューサーにとっては悪夢のハプニングが続出し頭を抱えることが多くなるのですが、
職員の女性は「難しい化学用語を聞くと少し賢くなったような気がする」と言って、
青ざめる上司に対して「頭痛ですか? アセチルサルチル酸(アスピリンの有効成分)でもお持ちしましょうか?」と言う始末です。

小説自体はフィクションですが、当時の女性科学者を取り巻く環境はまさに小説で描かれているようにとても厳しいものであったようです。
まあこれまでのノーベル賞の女性受賞者はわずか63人ですし、日本人女性はまだいませんから科学は相変わらず男性中心の世界ではありますが。

主人公にとっては苛酷な状況も描かれていますが、思わず笑ってしまうような愉快なセリフも多々あり痛快で爽快な読後感が味わえます。
邦訳が出たらお勧めの本です。


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雅楽演奏と『枕草子』朗読

2023-12-02 07:31:00 | 日記
今年は1963年に京都市とケルン市が姉妹都市となって60周年の記念の年です。
種々の記念行事のひとつとして先日ケルンの日本文化会館で「雅楽演奏と『枕草子』朗読の夕べ」が催されました。
雅楽演奏前に独訳された『枕草子』から龍笛、笙、篳篥、箏など楽器が登場する段が朗読されました。
楽器が描かれた絵巻の絵が舞台の背景に使われました。





演奏は2000年にヨーロッパで初の雅楽グループとして設立された「ケルン雅楽アンサンブル」と
京都からいらした「雅韻会」の三人の奏者です。
「越天楽」、「催馬楽 衣更」、「舞楽 抜頭」などに続いて最後は華やかな「今様」の踊りが披露されました。







皆さんお疲れ様でした。



翌日も用事で日本文化会館のそばを通りました。
ドイツはすっかり冬景色です。
オオバンも寒そうです。










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