気がつけばふるさと離れて34年

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友人夫妻の3度目の世界一周クルーズ

2016-02-29 16:54:57 | 日記
先頃フィジー島がサイクロンに見舞われ甚大な被害が出たというニュースを聞き、現在クルーズ船で世界一周の旅をしている友人夫妻のことを思いました。

丁度その頃、南太平洋を航行中だったからです。

友人夫妻が乗船しているのは「アルタニア号」です。



昨年の12月中旬、私たちがセイシェル・レユニオンの旅行に出発する直前、この友人夫妻から「早めのクリスマス・グリーティング」と電話が
ありました。

12月21日にイタリアのジェノヴァ港からほぼ5か月間の船の旅に出発するということでした。

このご夫妻は夫と同郷で東部ドイツに住んでいます。

奥様は薬局経営、ご主人は農機具販売業を営んでいましたが、退職後は世界中を旅しています。

まだ東西ドイツが分断されていた頃の東ドイツでは自由に国外旅行などできなかったので、ドイツ統一後は抑制されていた「旅への憧れ」を思う存分、満喫しているというわけです。

ここ10年程は持病の心臓の調子が悪くてバイパスやらステントやらを挿入しているご主人の飛行機での旅行は医者が禁止しているため、
もっぱら船旅に勤しんでいます。出港地までは電車で行きます。前回のクルーズはフランスのニース港からの出発でした。

今回のように世界一周ではなくとも1-2ヵ月のクルーズ船での旅行は頻繁に行っているようです。

特に今回は日本各地への寄港も予定されているということで色々助言を求められました。

アルタニア号のスケジュールをみますと、日本での最初の寄港地は石垣島です。
3月8日(火) 石垣島(西表島にも行くらしいです)
3月9日(水) 那覇
3月11日(金)鹿児島港(桜島が噴火しないとよいですね)
3月12日(土)+13日(日)大阪港 (大阪城や京都観光をするらしいです)
3月14日(月)清水港(富士山の観光)
3月15日(火)横浜港

横浜港には朝7時入港して、夜6時頃にウラジオストックに向けて出港します。
この日、横浜に行く予定がある人は港の方に寄ると多分アルタニア号が停泊しているはずです。

船は日本の後、ウラジオストックへ向かい、韓国、中国、ベトナム、マレーシア、インド、ドバイ、オマーンなどを経由して
スエズ運河を通って地中海に向かい、出発地のジェノヴァ港に5月10日に戻る予定です。

アルタニア号の乗客定員は1200名ですが、そのうち何名位が友人夫妻のように世界一周するのかわかりません。

各区間だけの予約も可能でネットで検索したら、3月7日から3月27日までの台湾ー日本ー韓国(プサンとチェジュ島)ー中国(上海と香港)間の募集をしていました。

あとドバイからイタリアのジェノヴァに行く区間も空いているようですが、私はまだスエズ運河を見たことがないので、
こちらの方が興味があります。
でも政情が悪化している中東地域を航行して大丈夫なんでしょうか?






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ヤジディ教 & イザベラ・アジェンデ著「日本人の愛人」

2016-02-26 15:12:00 | 日記

先日ケルンではイスラム過激派組織(IS)に捕えられ迫害を受けていて、かろうじて逃走できたヤジディ教の若い女性の会見が行われました。



ISの攻撃対象は欧米の外国人、イスラム教のシーア派、キリスト教徒と多岐に亘っていますが、ISは中でもヤジディ教徒へはキリスト教徒以上に激しい憎悪を抱いているといわれています。

クルド人の一部で信じられている民族宗教のヤジディ教をISは「邪教」としてとらえているからです。

イスラム教と同様、ヤジディ教の教義についての知識は全くないのですが、ヤジディ教徒への迫害は時折、ドイツの新聞で報道されています。

ISの拷問から命からがら逃げ出せた21歳のナディアさんが忌まわしい悪夢の経験から逃避することなく、公の場で意見を発表するのは
今だにISにとらわれている3000人の女性と子供たちの救助を訴えるためです。

これまで欧米各地、国連でもスピーチしたナディアさんは「ノーベル平和賞」の候補者ともなっていますが、
彼女は「賞は私には意味のないこと。私の唯一の願いは囚われている女性と子供たちが無事に解放されることです」と述べています。

ISの性の奴隷として迫害されてきた若い女性が公の場に姿を見せることがいかに勇気のいることかは、
イザベラ・アジェンダの「日本人の愛人」を読んで痛切に感じました。



この小説の主人公は高齢の裕福なアメリカ人女性で、彼女の世話をするのがモルダヴィア出身の若い女性イリナです。

モルダヴィアで祖父母と住んでいたイリナは12歳の時、イタリア人技術者の男性と再婚し、アメリカのダラスに住んでいた母親の元に行きます。

この義父が悪い人物で母親の留守中に彼女に性的いたずらをして、それを写真撮影してネットで世界中に販売していたのです。

イリナには写真を撮影させてくれたご褒美のお金はモルダヴィアの祖父母に送金すると嘘をついていました。

この写真がカナダの小児性愛者の外科医のところで見つかりFBIが捜査し、義父の犯罪が発覚したのはイリナが15歳の時でした。

それ以後、10年以上にわたり、姓名を代え、アメリカ各地を転々として現在の高級老人ホームの職員として仕事をするようになります。

「汚れに満ちた忌まわしい過去を一生背負っていかなくてはならない」とイリナは考えていて、ボーイフレンドがちょっと体に触れただけで

拒否反応を示してしまいます。彼女は自分の過去が廻りの人々に知られないよういつも隠れて生活しています。

これはあくまでフィクションであり、廻りの優しい人々に囲まれイリナも次第に打ち解けていくようになります。

ナディアさんが想像を絶する位にひどい身体と心の傷を受けたこと、これは実際の出来事です。

できれば忌まわしい過去は忘れてしまいたいことでしょう。

それでも現実逃避することなく「今だに囚われている女性と子供のため」に公共の場で淡々と話をし続ける姿に感動しました。


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ドイツの商品テスト誌、出会い系サイトもテスト

2016-02-22 15:43:46 | 日記

以前、NHKの朝ドラ「あさが来た」であささんが渋沢栄一に「銀行経営に大切なもの」と尋ねるところがあり、

それは「信用」だとのお答えでした。

「商品テスト誌」も「テストは中立に行われている」という消費者からの「信用」がないと成立しません。

「暮らしの手帖」の商品テストが好評を博したのも、「暮らしの手帖」は広告をとらずに運営されていたのでメーカーに有利な結果が出るような

テストは行われないとの消費者からの信用・信頼があったためでしょう。

山本夏彦さん主宰の月刊誌「室内」でも似たような「○○をこわしてみる」と家具のテストを行っていたようですが、「室内」は広告をとっていたにも

かかわらず、何故可能だったかというと、「家具メーカーの広告がほとんどなかったから」だそうです。
(以上、山本夏彦著「私の岩波物語」より)

ドイツで圧倒的な発行部数を誇る(45万部/月)商品テスト誌「test」にも一切広告はありません。

ドイツの人は家電からシャンプーにいたるまで商品を購入する場合にはこの「test」を参考にします。



我が家では定期購読しているわけではなく、近々購入を考えている品の商品テストが掲載されている場合にスーパーの雑誌棚に

平積みされている「test」に目を通す位です。

今月号は「オリーブオイル」が表紙を飾っていますが、「コードレス掃除機」の項目があったので購入しました。

我が家では35年来というフルーイ掃除機を未だに使用しています。

この間、絨毯洗浄をしてもらった業者の方から、「古い掃除機では家ダニの吸入は無理です」というので新しい掃除機、それもできればコードレス掃除機が欲しいと思っているのです。

ということで前置きが長くなりましたが、先日の新聞にこの「test」誌が「出会い系サイト」もチェックしたという記事が掲載されていました。



タイトルは「夢のパートナー」です。

テスト方法は架空の女性2人、男性2人がパートナー市場で有力なサイトに申込み、それぞれの料金や紹介数、希望に沿った紹介を受けられるかどうかの比較をするというものです。

また脱会する時の個人データの削除もスムーズに行えるかどうかもチェックされたようです。

商品に関してはこの「test」誌で良い評価を得られると、すぐ売れ行きが増加することが知られていますが、「出会い系サイト」で良い評価を

受けたところの登録者数が増えたかどうかはまだ伝わってきていません。
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太田直子著 「字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記」

2016-02-17 15:37:36 | 読書

先頃、ケルンの小さな映画館(多分40席位しかないでしょう)で樹木希林さん主演の映画「あん」を観ました。

ドイツ語の吹き替えかオリジナル日本語+ドイツ語字幕か選択できたのでドイツ語字幕付きに行きました。

一緒に行った友人はその2週間前に「海街ダイアリー」をドイツ語吹き替えで観たのだそうですが、「日本語で聴きたかった」と言っていました。

今回のように吹き替えと字幕付きの選択ができるのは稀で、ドイツでは外国映画はほとんどドイツ語に吹き替えになっています。

映画字幕は日本特有の文化なのだそうです。字幕が盛んなので日本の映画字幕は世界一の高品質だともいわれているそうです。



高品質な字幕を提供するための色々なご苦労をこの本で知ることができます。

例えば「一秒=4字」原則です。つまりセリフの長さが一秒なら字幕は4字以内、二秒なら8字以内に収めなくてはならないのです。

逐次通訳の基本に少し似ています。逐次通訳の場合、話者の時間を超えた逐次通訳はタブーとされています。

同時は少し聞いてから訳し始めていき、終わりはほぼ同時なので話者の時間より訳す時間は若干短く(ということは同時通訳の場合100%の訳は不可能です)なります。

種々の制約の中での字幕作業の中でも私が最も難しいと思ったのは本の帯にも記載してあった以下の点‐「教養とか共通認識の崩壊」です。

『第二次世界大戦もナチスもベトナム戦争も共産主義もカントもニーチェもヘーゲルもドン・キホーテも漱石もパレスチナも聖書もコーランも・・・。

とにかくそれらすべてを「だれも知らない」という前提で字幕を作らなければならなくなった』

これはとても難しそうです。

観客は一定レベルの教養のある人ばかりとは限りませんし、けれどももしかすると「映画の通の人」が観る場合もあるかもしれないのです。

翻訳だと時間をかけて原文のレベルに合う適訳を練ることができますし、原文から読者がどの程度の教養の持ち主か把握することも可能でしょう。

でも映画の観客を事前に想像するのは難しいでしょう。

映画「あん」ではオリジナルの日本語を聴きながら、時折ドイツ語字幕を眺めていました。

字幕作業は難しいなぁと思ったのは「メリヤス」のドイツ語訳を目にした時です。

映画の中で「メリヤス」という言葉が出てきたのは希林さん演じる元ハンセン病患者の徳江さんが、ハンセン病の施設に入所した時のことを

回想するシーンです。

戦後の物資が不足していた時代、徳江さんのお母さんがどこで入手したのか「白いメリヤス」でブラウスを夜なべで縫って別れの時に渡してくれたと

いうことです(でも施設に入所するとき持ってきた衣類は全て捨てなくてはならなかったのだそうですが)。

この「メリヤス」が訳語だと単に「Jersey」になってしまうのです。

確かに間違いではないし、他に適切な言葉も見つかりません。でももし翻訳だったらあの時代の「メリヤス」への人々の憧憬も若干補足できるのかもしれませんが、やはり字幕作業は難しいですね。
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申年にちなみ有名人ならぬ「有名猿」

2016-02-15 11:56:30 | 日記
今年は申年(ドイツではあまり関係ないのですけれどね)ということで地元紙に有名な猿の特集記事が掲載されました。

私たちの年代で懐かしいのはやっぱり「ターザン」のチンパンジーかなぁ。


近年ではマイケル・ジャクソンのチンパンジーがよく知られています。
黄金の像もあるらしいです。

マイケル・ジャクソンがこのチンパンジーを愛していたことは有名で、昔コンサートがケルンであった時に滞在するホテルではマイケルが連れてくるこのチンパンジー君のために特別のお部屋を用意したというエピソードを聞いたことがあります。

ドイツ国内、特にここケルン周辺で有名で悲しい記憶として残っているのはチンパンジーの「ペーターマン君」です。

ケルン動物園で飼育されていたペーターマン君はテレビのCMに登場したことから一躍有名になりました。
(1953年といいますから、今から60年以上前のことになります)
その後、1985年に原因はいまだに不明なのですが、突然、動物園の園長に攻撃して頭に噛みついたため射殺されてしまいました。
射殺されてから25年後の2010年に「ケルンの猿、ペーターマンの復讐」という本が出版されたということです。

年老いた自分の姿にショックを受けたくないので「セルフィー」は我が家ではタブーですが、「ナルト君」のセルフィーは好きだなぁ

これは英国の写真家デヴィッド・スレイターがインドネシアのスラヴェシ島に棲息する猿のナルト君にスマホを渡してセルフィーを撮らしたのだそうです。
人間より上手ですね

最後はこの猿特集記事で一番印象に残った「サル画伯・バリト君」です。

ドイツのクレーフェルト動物園で飼育されていた(現在はフランスの動物園にいるらしいです)オランウータンのバリト君に絵の才能があることを発見した飼育員が色々な絵を描かせて、販売もしています。

この絵は確か200ユーロ位ではなかったかと思います。

蛇足です。色使いは似ていますが、ケルン在住の画家ゲルハルト・リヒターのこの絵には多分数百倍以上の値が付いています(現代美術の値は摩訶不思議です)。


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