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空の架け橋

2020-04-02 00:26:44 | 日記
このところ三寒四温のお天気です。
数日前までまさに春爛漫というばかりに見事に咲き誇っていた木蓮も一昨日の寒波で無残な姿になってしまいました。


ドイツ語のLuftbrückeは直訳すると「空の架け橋」になりますが、一般には孤立地帯へ物資を空輸で届ける場合に使われます。
ドイツの歴史上最大の救援物資の空輸は1948年の「ベルリン封鎖」の時でした。
1948年6月、ソビエト政府が西ベルリンに向かう全ての鉄道と道路を封鎖したのです。
冷戦の幕開けでした。
当時西ベルリンにはほぼ200万人が住んでいました。
完全封鎖後、まさに陸の孤島となった西ベルリン市民のために食糧はもちろんのこと、燃料や石鹸、トイレットペーパーなどの生活用品、薬など生活必需品を全て空輸しなくてはなりませんでした。
しかしアメリカ軍によるこの「ベルリン大空輸作戦」は成功し、西ベルリンを封鎖することにより、東ベルリンに併合しようと考えていたソビエト政府は1949年5月12日に封鎖を解除します。

前置きが長くなってしまいました。
現在ドイツではベルリン封鎖以来最大といわれる「空輸プロジェクト」が行われています。
海外にいるドイツ人旅行者や居住者を帰国させるためのプロジェクトです。
コロナウィルスの感染拡大で多くの国の空港は閉鎖され、航空会社は全便欠航するところが多くなっています。
海外にいるドイツ人は20万人を超えると言われています。
ドイツ外務省主導で3月16日から開始したこのプロジェクトにより、これまで17万人以上のドイツ人が帰国したということです。
海外にいるドイツ人はまず外務省の専用ページに登録し、それをもとに外務省が航空機をチャーターし、現地のドイツ大使館や領事館が空港の使用申請を行います。
先日、チリから旅行者が戻る際には、サンチアゴ空港で調整にあたる在チリのドイツ大使がテレビに映っていました。
このプロジェクトは4月9日まで続けられることになっています。
それまでにドイツに戻る申請をしなかったドイツ人は現地滞在を続けるか、自力での帰還を試みなくてはなりません。
4月9日までに全ての希望者がドイツに戻ることは難しいかもしれません。
例えばキャンピングカーでモロッコに滞在している旅行者の帰還などは難しそうです。
モロッコからジブラルタル海峡を航行するフェリーは運行を停止していますし、フェリーの到着地スペインは現在国境を封鎖しているからです。

でも今回の「空輸プロジェクト」にドイツ政府の「自国民を守る」という姿勢を感じました。
コメント
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