宮本輝著 「ここに地終わり海始まる」

まだ電子書籍で読み始めたばかりです。




読もうと思ったのは以下の本を北海旅行中に読んだからです。


山崎豊子著「女の勲章」は日本に一時帰国中にテレビ放映されていたので視聴したのですが、疲れてウトウトしながらだったので内容はあまり覚えていません。主演の松島菜々子さんの豪華な衣装が素敵だったことや相手役の玉木宏さんにやはり悪役は似合わないなぁと思ったことが印象に残っています。

豪華な出演者や衣装、パリ撮影など高額な制作費用にもかかわらず視聴率がふるわなかったのはやはりこのストーリーで２夜連続のスペシャルドラマにするのは無理だったのではないかというのが「シロウト芸能通（？）」の私の感想です。

文庫本のあとがきで江藤淳さんが記されているように大衆文学としては菊池寛の「真珠夫人」以来の傑作かもしれません。

だとしたらいわゆる「昼のメロドラ」枠で放送した方が効果的だったと思います。

「白い巨塔」、「沈まぬ太陽」、「不毛地帯」、「運命の人」など（「大地の子」は映像だけで小説は読んでいません）、これまで感動した山崎文学に比べ、今回は最後まで読むのに苦労しました。

船場生まれのお嬢さんがデザイナーとして成功はするものの、サポートしてくれていた仏文出身の男性は彼女の側近の３人の女性アシスタントと次々関係を持ってしまう。最後に心の拠り所となる仏文教授との結婚の夢も崩壊してしまい自殺してしまう。

ざっとこんなストーリーですが、文庫本で一番興味深く読んだのはパリとポルトガルの描写部分です。

特にポルトガルのロカ岬は以前訪れたところだったので当時を思い出しました。
ユーラシア大陸最先端の岬で「ここに地終わり海始まる」というポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイスの石碑が立っているそうですが、
当時は気づきませんでした。


宮本輝著「ここに地終わり海始まる」は結核で１８年間も療養所暮らしをした女性に見知らぬ人物が投函したロカ岬からのラブレターの絵葉書が届き、これを機に彼女が奇跡的に長期の結核から快方し、退院後その送り主を探すという物語です。

とてもおもしろそうな小説で、これから翻訳の仕事もあるのだけれど、どうやって時間を調節しようかしら？

フリースラント諸島旅行記 - 4 ( ユイスト島② )

明朝ユイスト島を離れて帰宅します。

今回はブレーメンに1泊、ジュルト島に5泊、ユイスト島に7泊しました。
ユイスト島のホテルはとても人気が高く、ハイシーズンには7泊以上でないと予約を受け付けないのです。二つの島の地理は以下の図をご参照下さい。


北の方角デンマークとの国境に位置するのがジュルト(Sylt)島、地図の左下Norderneyと Borkumの間の細長い線のような島がユイスト島です。

フェリーで入港する時は帆の形をしたタワーが目印です。
港の隣のヨットハーバーでは昔々、夫が初めてのセーリングコースを受けました。




港に着くとホテル専用の手押し車にスーツケースを入れて自分たちで運ぶか、馬車のタクシーを使います。自動車走行禁止なので運搬には馬車が使用されています。滞在中に目にした自動車は砂浜を走行していた救急車だけでした。





これまでお天気に恵まれていましたが、今日は日中の気温17度でとても海水浴などできません。
厚着をしてビーチチェアーの中で本を読んでいました。
ホテルのナイトテーブルの洒落た灯台の置物の隣に置いてあった短編集の中の村上春樹の「ハンティングナイフ」です。




夕食はほとんど毎晩のように砂丘の上にあるレストランでとりました。


タイセイヨウアカウオというお魚にスイートポテト、温野菜は日本ではサンゴ草とか厚岸草と呼ばれているらしいです。


ドイツ語でKnurrhahnと呼ばれているのですが、多分ホウボウというお魚だと思います。
これにメキシコ風タコスが付いています。


今晩はにわか雨がありましたが、その後雲間から陽が差していました。


自動車のない島はとてものんびりして快適だったので来年も訪れる予定です。
カモメ君、来年またね(^-^)。

フリースラント諸島旅行記 - 3 (ユイスト島①)

ジュルト島を離れて東フリースラント諸島のユイスト島に滞在しています。

この島では自動車が禁止されているので、車はドイツ本土の港に駐車してフェリーで島に向かいます。

島の移動手段は馬車か自転車です。


島は長さ17km, 幅1km弱ととても細長い地形です。
ホテルの前は大きなビーチ、砂丘も続いています。




北海の浜辺ではいつも涼しい風が吹いているので、屋根付きビーチチェアーを借ります。
今回借りたチェアの番号は53で偶然私の生誕年と同じでした。


奥に見えるのは隣のノルデルナイ島です。
ユイスト島とは違い自動車走行が許可されていて、大きなホテルも林立しています。
私は鄙びたユイスト島の方が好きです。


馬ものんびりとしています。




ここでもお天気に恵まれて綺麗な夕陽が見られました。

フリースラント諸島旅行記 - 2 (ジュルト島)

北フリースラント諸島のジュルト (Sylt)島に滞在中です。

ドイツ最北の島は本土と11kmの土手で繋がっています。
自動車は専門の貨物列車(陸のフェリー)で島まで運ばれます。





ジュルト島の魅力は40kmに渡るビーチ、砂丘、茅葺き屋根が立つ鄙びた風景です。





先日の健康診断で尿酸値が上昇していると指摘されたので、豊富な魚料理を毎晩頂いています。




お天気に恵まれ毎晩、綺麗な夕陽を部屋から眺めています。
何しろ日の入りは夜の10時頃なのです。

フリースラント諸島旅行記 - 1 (ブレーメン)

北海のフリースラント諸島へ向かう途中ブレーメンに寄りました。

ブレーメンというとグリム童話「ブレーメンの音楽隊」で有名ですが銅像はいたってシンプルです。





ブレーメンはハンザ同盟の都市だけあって由緒ある建物が残っています。
旧市街の入り口も豪華です。




昔ブレーメンの商人が世界中で取り引きをするために使った帆船は今はレストランとしてヴェーザー河に停泊しています。


音楽隊の動物だけではなく街中では他にも色々な動物の置物を見つけました。





「猫カフェ」という名前のレストランはどうも和食のお店らしく中を覗いたら一升瓶が何本かカウンターにありました。


夜はユネスコの世界遺産にもなっている市庁舎地下の「ラーツケラ−」で北海産カレイと胡瓜サラダ(この地域では定番の付け合わせです)を頂きました。