気がつけばふるさと離れて34年

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時事ひとりごと - 9 (日本の民主主義)

2015-06-28 14:55:01 | 時事ひとりごと


6月26日付「朝日新聞デジタル」で在独ジャーナリスト熊谷徹さんの

「脱原子力を選択したドイツの現状と課題」を大変興味深く読みました。

2011年の大震災・原発事故後、ドイツが「脱原発」を決定するまでの経緯と

再生可能エネルギー推進の課題などが非常にわかりやすくまとめられていました。

原発から排出される「核廃棄物」の最終処理については触れられていないのは残念ですが、

ドイツの原発をめぐる現状を知るにはとても良い記事だと思います。

中で印象に残ったのは以下の文章です。

「(脱原発に関してメルケル首相は)原子力のプロよりも、市民の意見を尊重した。

  これは、ドイツ人の民主主義に関する考え方が日本とは異なることを浮き彫りにしている。」

これは「脱原発」を政府決定する前に原子力技術のプロからの意見とともに、「倫理委員会」を設置して委員会の提案を優先したことに関しての言及です。

福島の事故後、ドイツでは原子炉安全委員会が原発の安全性について検証し、「ドイツの原発には、停電と洪水について、福島第一原発よりも高い安全性が講じられている」と述べ、「原発をただちに止めなくてはならないという技術的な理由はない」という結論に達したのです。

しかしメルケル首相は同時に哲学者、社会学者、教会関係者17人からなる「倫理委員会」を設置して長期的なエネルギー政策についての提言を求めました。

「倫理委員会」は原発の抱えるリスクを完全に除去することはできないということと、「原子炉事故の被害を除去するのに多額の費用がかかることを考えれば、同じ費用を太陽光や風力エネルギーの拡大にあてるほうが賢明だ」と指摘したのです。

熊谷さんは日本では原発再稼働決定に関して、一般市民の意見よりも政治家や原発のプロの考えが尊重されていると指摘しているのだと思います。

でも民主主義 - 「デモクラティア」はギリシア語のデーモス(民衆)とクラティア(権力)であり権力の主体が民衆であることを考えると

今の日本は単に「民主主義に関する考え方」がドイツと異なっているというよりも、民主主義から「乖離」して「専制政治」の様相を呈している思うのは考えすぎでしょうか、

「専制政治」はブリタニカ国際大百科事典によると

政治権力が特定の人物または特定の集団に集中し、その権力を抑制しうる政治勢力が事実上存在せず、国家統治がもっぱら恣意的に行われる
政治形態


だということです。

憲法学者の意見をないがしろにしてすすめられている「安全保障法制」の議論などみていると「専制政治」という言葉が頭をよぎりますが

これについて述べる前に「集団的自衛権」について私なりにもう少し「勉強(?)」しなくてはなりません。

 
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ビワって聞かれてもネェ

2015-06-25 11:24:31 | 日記


片岡球子の「枇杷」の絵です。

今回の一時帰国では「生誕110年 片岡球子展」を訪れることはできませんでした。

東京の近代美術館では4月7日から5月17日までの展示、その後の愛知県美術館では6月12日からの開催で日程的に無理でした。

日本に常時住んでいないのを残念に思うのはこんな時です。

特に日本美術が好きというわけではないし、ドイツでもいい展覧会が行われているのは確かですが、でもやっぱり昔「院展」に行った頃が懐かしいです。

「枇杷」の絵のお写真(ネットから拝借しました)を載せたのは「ビワ違い」が今日の話題だからです。

ドイツ人の夫が先日、6月上旬にケルンで行われた京都市交響楽団の演奏会関連の記事を読んでいたらしいのです。

一時帰国中だったため、6月5日にケルン・フィルハーモニーで行われた演奏会には行けませんでした。

この演奏会では武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」とプロコフィエフの「交響曲第5番変ロ長調op.100」が演奏されたそうです。



「ノヴェンバー・ステップス」で奏でられる「Shakuhachi」と「BIWA」のうち夫は「尺八」は知っていたようで

私に「ビワって何?」と聞いてきました。

ふだん食べ物にしか興味を示さない人なので、私はまさか「琵琶」のことを聞かれているとは微塵も思わず

「枇杷」の美味しさをトクトクと説明しました。

「そういえば岩手の実家にあった枇杷の木は伸びすぎたので数年前に切ってもらったのだったなぁ」とか少し感傷にひたったりしました。

その時は「フン、フン」と納得していた様子だった夫ですが、しばらくして

「ビワはどうも果物ではないように思うのですが」と問うてきました。

私に問うまで、夫は武満さんは「枇杷をイメージした曲」を作曲したとでも思っていたのでしょうか

マ、夫が音楽の記事を読むなんて一年に一度あるかないか位なのでハヤトチリした私も悪いのですが

と、こんなことを綴った投稿が今日(6月25日)の「ほぼ日刊イトイ新聞」ー 「今日のつうじない話」に掲載されました!


6月5日の演奏会を訪れた友人の感想ですが、皆さん異口同音に

「演奏自体は良かったのだけれど、指揮者がネェ」ということでした。

あまりにも大仰な指揮者のパフォーマンスが荘厳な曲の雰囲気を乱してしまったのだそうです。

「音楽シロウト」の私自身は「指揮者は黒衣であり目立つべきではない」と思っています。

サイモン・ラトル氏の後任としてベルリン・フィル首席指揮者にペトレンコ氏が選ばれたという新聞記事を読んで、今度の指揮者はどういうタイプかなぁと思ったことでした。



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ウォシュレット & G線上のアリア

2015-06-22 08:56:36 | 日記


写真は今日の記事とは関係ありません。

我が家の庭の写真というわけではなくテラスからの「借景」です。

夏になると落葉樹の葉が茂り奥が見えなくなってしまいますが、奥にはアパートの建物が立っています。

冬になり枯れ木になると奥の建物がまた見えるようになります。

私はもちろんこの夏の「緑溢れる借景」の方が好きです。

さて本題に入ります。

一時帰国後、久しぶりにドイツ在住の日本のお友達数人と会いました。

日本の良さ、不便さ、政治への不信感など色々話した中で「ウォシュレット」の話が出ました。

ドイツでも最近はウォシュレットが普及しているようですが、

それでも日本ではトイレ全体の80%までがウォシュレットなのに対してドイツではわずか1%に過ぎないということです。

ちなみに韓国では30%、スイスでは10%とドイツ語版ウィキペディアに記載されていました。

私の知り合いのお宅でも4軒でウォシュレットが設置されていますが、奥さんが日本人だったり、ドイツ人のご主人が出張で日本に行った折、

使用したウォシュレットに「感激して?」設置したというのが理由です。

友人の中にひとりオーケストラでバイオリンを弾いている方がいるのですが、

彼女の日本のお兄様のお宅のウォシュレットには「音姫」がついており、それが「G線上のアリア」なのだそうです。

プロのバイオリニストであり「絶対音感」の持ち主の彼女に言わせると

「それが音が狂っているのよネ」ということでした。

それで落ち着いて「座って?」いられないのだとか - 気持ちはわかるような、でもちょっと可笑しいなぁ

そういえば彼女が所属しているオーケストラが日本に演奏旅行で行った折、

ドイツ人の団員のひとりから「ウォシュレットのマッサージ機能」について尋ねられたことがあるそうです。

その人は「マッサージを押すと手の形をした器具がでてきてオシリ周辺をモンでくれるのか」と思っていたそうです。

どこまで本当かどうかわからないけれど、でもこの話もちょっと可笑しいなぁ

今日はシモの話で失礼しました。
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風に立つライオン

2015-06-17 16:42:17 | 日記


羽田からフランクフルトへのルフトハンザ便の機内で映画「風に立つライオン」を視聴しました。


モデルとなった柴田先生のことを知ったのはさだまさしさんのカセットテープに挟まれていた「ステージ・トーク」のテキストですから、多分25年以上前だと思います。


さだまさしさんについては「精霊流し」のシンガーソングライター(この表現もかなり古いですね)という程度にしか以前は知りませんでした。

10年前に亡くなった母が新聞に掲載されたさだまさしさんのインタビュー記事をドイツに送ってくれたことがありました。
「人間は生まれた時、始めて吸う空気がふるさとの空気であり、それは肺の奥深いところにいつまでも残っているから、ふるさとの空気に対しては特別の思い入れを持つ」というような内容だったと思います(かなりうろ覚えですが)。

母にとっては「ふるさとを捨て去ったような娘」に対してある種のイマシメの思いを込めていたのかもしれません。

ステージ・トークのテキストの中で微笑んでしまったのは柴田先生が医者になった理由を問う次の会話です。

「先生、なして医者になったと」

「まさしさん、よかですたい、そげん事は」

「まさしさん、実はですね、いうとみんな笑うけん、いやですたい、僕は」

「先生、笑わんて」

「実はですね、まさしさん、他へ行って言うたらいけんですよ」

「言わん、言わん、そがん事いわんですよ。口が固かとで有名ですからね。
フォーク界の蛤男っていうのは私のことですから

といってシュヴァイツァーに憧れて医者になったということを聞きだすのです。

「風に立つライオン」の歌詞の中で印象に残っているのは次の部分です。

やはり僕たちの国は残念だけれど何か大切な処で道を間違えたようですね

原発再稼働や安保法制の議論を見ていると本当にそう感じてしまいます。
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一時帰国 2015 - 4 ( ふるさと & 友との語らい )

2015-06-14 00:04:33 | 旅行
毎年5月のゴールデンウィーク後から3-4週間、一時帰国しています。

両親が健在だった頃は実家での滞在期間が長かったのですが、ふた親ともいなくなった後は、
期間の3分の2は夫とレンタカーで旅行し、夫がひと足早く帰独後はひとりでふるさとや東京に滞在して、弟や親戚の方々、学校時代の友人との語らいの時間にあてています。

震災後、「奇跡の一本松」として知られる陸前高田市は故郷の大船渡市の隣町です。
今年も様子を見に行ってきました。


一本松の奥が広い松林で震災前は7万本の松が立っていたのですが、現在は「嵩上げ」工事が行われていました。

いつも夏には海水浴の子供達の歓声に包まれていましたが、現在は荒涼としてなんとも寂しい限りです。

宮沢賢治が愛した「種山が原」は相変わらず長閑な雰囲気でした。


東京では以前、ケルンに住んでいらしていつも書籍の購入をお願いしているKさん(いつもありがとう)と夕食、そして大学時代の友人グループ2組とはランチで語らいました。

食事の時に写真を撮る習慣がまだ身についていないのでいつも忘れてしまいます
前菜とデザートのお写真をかろうじて(?)撮りましたので、この2枚を掲載して今回の旅行記は終了です。

コメント (2)
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