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以前、文庫本を購入したはずなのですが、どうも地下室にしまい込んだらしく見つからなかったので電子書籍をiPad miniにダウンロードして再読しました。
再読したいと思ったのは今年4月の一時帰国で訪れた高野山で「菩薩授戒」をドイツ人の夫と共に受けたからです。
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高野山には多くの施設があります。諸堂拝観の場合、金剛峯寺、霊宝館、大師教会、根本大塔、金堂、徳川家零台の六ヶ所は有料となり、
「諸堂共通内琲券」を購入(1500円)すると割引価格となります。
そのため共通券を購入したのですが、大師教会の「授戒料」も含まれていました。
それまで「授戒」という言葉をしりませんでした。
色々調べている過程で唐の高僧鑑真は日本での授戒師として唐から招かれたということを知りました。
昔「天平の甍」を読んだはずなのに→一体私は何を読んでいたのでしょうか?
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今回は少し真面目に(?)読みました
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「天平の甍」の主人公は第九次遣唐使節団(732年)の留学生として唐に渡った大安寺の僧普照です。
当時、日本には既に仏教は伝来していましたが、百姓は課役を免れるために出家、僧尼の行儀は堕落、仏教に入った者の守るべき規範は何一つ定まってはいませんでした。
そこで唐より高僧を迎えて正式の授戒制度を日本に広めることがこの遣唐使の目的の一つになっていました。
「授戒」は仏門に入るものに戒律を授けること。受戒をさずけること。
「受戒」は仏門に入るものが仏の定めた戒律を受けること。
私たちが体験した「授戒」はもちろん本来の意味からはかけ離れていたのですが、暗闇の中での体験はとても厳かなものでした。
日本で授戒を行いたいという意志のもと5回に亘る遭難や盲目となりながらも渡日し、天皇を始め多くの人々に授戒を行い日本での布教に大きな影響を与えた鑑真。
唐で写経だけに執心し、多くの経典を日本に持ち帰ろうとしたけれど結局、船が遭難してしまい経典も自身も日本の土を踏めなかった僧の業行。
20歳で入唐した安倍仲麻呂は唐で官吏となり玄宗皇帝に優遇されなかなか日本に帰してもらえなかったのですが、在唐36年にしてようやく渡日の船に乗船することができます。
日本へ帰国できるという時、唐で送別の席で詠んだのが百人一首にも収められている以下の歌です。
「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも」
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けれども仲麻呂の船は遭難し、中国に再び戻り、その後日本へ帰国することはなく仲麻呂は73歳で死去します。
主人公の普照は在唐20年にして鑑真の乗った船で無事日本に到着することができます。
けれど普照は以下のような思いを抱きます。
「日本語より唐語の方が話易い。自分自身最も日本人と違ってしまったと思うのは言葉以上にものの感じ方と考え方だ」
数か月前、友人がお父様のご逝去で一時帰国されたのですが、親戚の人に
「日本語を話しているのだが、半分外人が話しているように聞こえる」と言われたということです。
多分、私もそういう状態になっている(半分エイリアン?)のかもしれません
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