上下巻あるこの本もiBooksにダウンロードしてタイ旅行中に読もうと思っていたのですが、
結局始めの数ページを開いただけでした。
まだ完読していないのですが、米国の新大統領関連のことも含めて少し感想を記します。
この本に興味を持ったのは磯田道史著「無私の日本人」を読んでからです。
映画「殿、利息でござる」の原作となった本です。
昨年の一時帰国時に話題になっていたので、日本で文庫本を購入してきました。
貧しい宿場町の行く末を案じる商人の姿が描写されています。
特に「無私」ということに感銘を受けました。
その後、関川夏央さんがこの「漆の実のみのる国」を紹介した文章の中でも「無私」という言葉を使っていました。
『貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。鷹山は自ら一汁一菜をもちい、藩政改革に心血を注ぐ。無私に殉じた人々の類なくうつくしい物語』
この本で描写されている米沢藩の名君、上杉鷹山に関しては駐日アメリカ大使のキャロラインさんが
お父様のケネディ大統領が尊敬されていた人物ということを語っておられたと最近になって知り、驚きました。
1961年、43歳で第35代大統領になったケネディ氏に対して就任後に日本のジャーナリストが「日本で最も尊敬する政治家は誰ですか」と尋ねたら「上杉鷹山」と答えたというのです。
日本国民だってあまり知らないこの江戸時代の名君のことをケネディ大統領はどこでお知りになったのかしらと、これは私の個人的な推論ですが、もしかすると
内村鑑三著「代表的日本人」(1908年)をお読みになったのではないでしょうか。
この本には西郷隆盛、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮と共に上杉鷹山のことも紹介されています。
しかもこの本は新渡戸稲造著「武士道」(1899年)、岡倉天心著「茶の本」(1906年)と同じく
原本は英語で記載されているのです。
それにしても新大統領の就任演説があまりにも酷かったので、ケネディ大統領の名演説が思い出されることです。特に以下の文章が有名ですね。
「国があなたのために何をしてくれるのかではなくて、あなたが国のために何ができるか考えようではありませんか」