アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

白い街の街角オーナメント

2005年11月16日 | 秋のスペイン
白い街、ミハスにはそこはかとなく郷愁が漂っています。それを演出しているのは街角オーナメントではないでしょうか。
写真はバス停留所への階段の降り口です。門柱・電灯付きアーチ、青い三角屋根の公衆電話のスタンド、黄色く円筒形のポストが街角の雰囲気を盛り上げています。階段の段差には黄色い線を回し、歩行者の注意を喚起すると共に、道のアクセントとなっています。スマートな街灯や脇の窓の格子は階段入り口を飾るアーチとよくマッチしています。
ここには町全体を、統一してデザインする委員会のような住民組織があるのではないでしょうか。街を愛する住民の心意気が、道を歩いているとビンビン伝わってくるのです。散策に楽しい街には自然と人が集まり、お店も繁盛します。
日本の商店街を思い出してみてください。道路は市町村が標準規格で作り、電力会社が無造作に電柱を立て込み、それに電話会社が加わって、空を蜘蛛の巣状に電線を張り巡らせます。形ばかりの狭い歩道は電柱で益々狭められ、歩行者は車にびくびくしながら買い物をしなければなりません。道に面する建物は勝手なデザインで建てられ、けばけばしい看板が掲げられ、ビラが所かまわず張られ、町全体の美観は台無しです。散策しようとする気は起きません。人が来てくれない町はさびれ、シャッターショップが続出します。
写真から街角オーナメントを除けば、実に殺風景な街になってしまいます。ミハスの街は昔の家や街並を踏襲し、長い時間をかけて少しづつ改良を加えながら、醸成して出来たものです。ミハスの原型を大切にし、時間をかけて出来たものだからこそ、郷愁を感じるのでしょう。

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