茎の先端の若葉の赤紫の色が特徴のヒメオドリコソウが咲いています。小さいながら、シソ科特有の唇花が車輪状にたくさん咲きます。群生すると、この赤紫の葉の色がよく目立ちます。明治時代に渡来したヨーロッパ原産のありふれた越年草です。我が家の庭では、しっかりこのヒメオドリコソウが蔓延しています。しかし、個体の密度はあまり高くなく、一本づつ鋏で簡単に除去できます。この草の根は細かく土中に張っており、地上部だけ除去して根を残しておくと、土壌を改良してくれるような気がするのです。
ヒメオドリコソウの花言葉は「春の幸せ」です。私は夕食後低血圧のため、体調がすぐれず、9時ごろには就寝してしまいます。そのため、朝は四時には目が覚め、NHKの深夜便を楽しんでいます。朝食の支度を済ませ、いつも六時ごろ朝刊をポストからとってくるため外に出るのですが、先月までの闇が薄暮に変化してきました。早朝はまだ氷点に近い寒さですが、光の変化に感応して植物たちは「春の幸せ」を感じているようです。アネモネやムスカリが蕾をもたげ始めました。春の到来を今や遅しと待ち焦がれているようです。
「春」は若い芽がグングン伸びる季節を連想します。これを私の人生に当てはめれば、30歳代、40歳代に相当しそうです。20歳代までは知識や技術を学び経験する時期で、植物で言えば種または苗の時代です。30歳台になって、それまでに蓄えた力が一気に花咲いたように感じます。私の専門の農業土木は経験が必要な地味な仕事なので、実績が上がる頃には30歳台になってしまうのでしょう。この期間、仕事の上では「春の幸せ」でしたが、私生活では、妻子を日本に残し、東南アジアへの単身での長期海外派遣という苦しみに耐えなければなりませんでした。
老人が任務を果たし引退することにより、若者がその後を引き継いで実績を積み重ね、「春の幸せ」を謳歌し、社会は発展してゆきます。このサイクルを大切にし、その原点である子供たちの才能をすくすくと伸ばすことが、本来の教育のありかたです。この意味からも、子供たちの教育は親の個人責任ではなく、社会全体で支援すべきものと思います。恣意的基準に基づいて競争させ、大企業に都合の良い人材だけを育てるのではなく、それぞれの子供たちが持っている才能をのばして、国民全員に「春の幸せ」をプレゼントできる社会の構築を望まれます。
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