アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

シオン

2014年07月09日 | 緑の季節

 シオンは秋咲の多年草ですが、近所の生け垣の下ではもう咲き始めました。私が土浦に定住するようになった十数年前から、毎年同じ場所で同じよう咲き続けています。この家の人はこれと言った手入れはほとんどしていないようです。原産地はシベリア、モンゴル、 中国北部などのアジア一帯で、日本にはかなり古い時代に 、せき止め、去痰、利尿に利く薬草として渡来していたとのことです。

 シオンの花言葉は「思い出」です。「思い出」は将来のない年寄りには何よりの慰めです。私は若いころから日記をつけていたので、今でもたまに取り出し読み返してみます。

 1961年の今日の日記がありました。53年前、大学4年生の夏休みのことです。国家公務員試験を半月後に控え、ガリ勉している時期になります。その日は、冷やかし半分にK社を会社訪問していました。「水処理を専門にする会社」に興味を感じたのです。総務課の人事係長が応対してくれ、「当社では、学力より体力・気力を重視する」と採用方針を語ってくれました。「そのため新入社員を合宿させ、5時半起床、10キロ走のあと掃除・炊事をさせ、講義を受けさせる。さらに午後は1時間半ラグビー等で運動で体を鍛える」。どうだお前には耐えられるかと問うような目つきをしたのです。

 私は日記に書いていました。「請負工事は大きくても2~3億円。新入社員の猛訓練と言っても僕が毎日やっている程度のモノ。事業規模と言い、社員教育方針と言い、みみっちく聞こえる。どうも僕のスケールには物足りない」と生意気なことを書いていたのです。対応者が恐らく文系の係長で、私の技術的興味に話が及ばず、物足りない会社訪問になってしまったのでしょう。技術系の社員が対応していてくれたら、話は変わっていたかもしれません。その後大学に会社から「おたくには優秀な学生さんがいるのですね」と、私の詳細に関して問い合わせがあったと教授から聞かされました。実は教授には無断で会社訪問していたのです。最終的には、私は公務員試験を好成績で合格し、農林省に入省することになり、波乱万丈の悔いのない人生を楽しむことができたのです。

 日記やアルバムを見ると、昔の「思い出」がまざまざと蘇ってきます。若者達よ、「思い出」作りに日記をつけましょう。


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