鹿島劇的勝利/ACL速報詳細
[2015年4月7日21時28分]
<ACL:鹿島2-1広州恒大>◇1次リーグH組◇7日◇カシマ
3戦3敗の鹿島はホームでH組首位の広州恒大(中国)と対戦した。
前半、遠藤のPK弾で先制する。後半、同点ゴールを決められるもロスタイムに高崎が劇的な勝ち越し弾を決めて勝利。これで鹿島は1勝3敗、1次リーグ突破にはまだ厳しい戦いが続く。
サポーター席に上がって喜びを分かちあった後、ピッチに戻る鹿島FW高崎(撮影・狩俣裕三)
サポーターと喜びを分かちあうMF柴崎岳(右から3人目)ら鹿島の選手たち(撮影・狩俣裕三)
後半ロスタイム、決勝ゴールを決め気迫の表情で駆けだす鹿島FW高崎(撮影・狩俣裕三)
決勝ゴールを決めた鹿島FW高崎(中央下)と喜びを分かちあうMF柴崎(左)。右はDF昌子
鹿島対広州恒大 前半、左足でPKを決める鹿島MF遠藤(撮影・狩俣裕三)
前半、パスを繰り出す鹿島MF柴崎(撮影・狩俣裕三)
鹿島FW高崎が終了間際に劇的決勝ヘッド
[2015年4月7日21時15分]
後半ロスタイム、決勝ゴールを決め気迫の表情で駆けだす鹿島FW高崎(撮影・狩俣裕三)
<ACL:鹿島2-1広州恒大>◇1次リーグH組◇7日◇カシマ
鹿島のFW高崎寛之(29)が劇的「Vゴール」を決めた。
1-1の同点で迎えた終了間際。右サイドからのMF柴崎のFKを、ゴール前で相手DFに競り勝ち頭で押し込んだ。直後に試合終了の笛が鳴った。
高崎は「勝たないとACLが終わってしまうので、気持ちで押し込みました。ずっとセットプレーを練習していたのでよかった」と声を弾ませた。
鹿島は今大会初勝利で勝ち点3もH組最下位は変わらず。決勝トーナメント進出にはまだ厳しい戦いが続くが、「勝たないと後がないので全力で頑張りたい」と力を込めた。
鹿島ロスタイム弾で初勝利、柴崎FK高崎決めた
[2015年4月8日7時10分 紙面から]
後半ロスタイム、決勝ゴールを決め気迫の表情で駆けだす鹿島FW高崎
<ACL:鹿島2-1広州恒大>◇1次リーグH組◇7日◇カシマ
H組最下位の鹿島が、首位の広州恒大(中国)を退けて今季ACL初勝利を挙げた。1-1の後半ロスタイムに劇的な決勝点。日本代表ハリルホジッチ監督の前で、MF柴崎岳(22)のFKにFW高崎寛之(29)が頭で合わせた。3連敗したが、この1勝で自力での1次リーグ突破の可能性が復活。残り2連勝で決勝トーナメントに進出できる。
崖っぷちの鹿島が、徳俵からうっちゃった。13年ACL覇者の広州恒大に、1-1と追いつかれた後の後半ロスタイム。表示3分の47分58秒だった。ゴール右35メートル。柴崎が右足で送ったFKに、188センチの高崎が頭で合わせた。完全にヒットしなかったが「気持ちでねじ込んだ。うちは勝つしかなかったので」。GKの指先をかすめて左サイドネットに飛び込み、直後に試合終了の笛が鳴った。劇的なラスト1プレーだった。
呼吸が合った。先月18日のアウェー戦は3-4で逆転負け。その時も高崎は得点したが、FKから2失点した。以来、最も時間を割いたのが攻守のセットプレー。決勝アシストの柴崎が「手前の選手の頭を越えるイメージ」と明かせば、高崎も「(柴崎)岳と練習で合わせた通り。守備の間に潜り込めば点は取れると思っていた」と振り返った。
柴崎は代表経験も生かした。ハリルホジッチ監督から「日本はFKからの得点が少ない」と指摘され、「鹿島も取れていない」と思った。クラブに戻ってから居残り練習を重ね、3日のリーグ鳥栖戦に続く2試合連続のFKからのアシストで、成長を示した。
負ければクラブ初の1次リーグ敗退の可能性があった。年俸10億円のFWエウケソンに同点弾を浴びたが、日本勢2勝2分け8敗の難敵にリベンジ。残り2連勝で自力突破できる。今季は泥沼の6試合勝ちなしから始まったが「かろうじて、つながった道。大事にしたい」と柴崎。鹿島のエンジンが温まってきた。【木下淳】
鹿島が今大会初勝利!終了間際に高崎が決勝ゴール/ACL
後半、ヘディングで決勝ゴールを決める鹿島・高崎(中央)=カシマ
サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は7日、各地で1次リーグ第4戦が行われ、H組で最下位の鹿島はホームのカシマスタジアムで首位の広州恒大(中国)を2-1で破り、今大会初勝利を挙げた。通算1勝3敗で勝ち点3。F組のG大阪は敵地でブリラム(タイ)と対戦し、前半を1-1で終えた。
鹿島は1-1の試合終了間際に高崎が決勝ゴールを奪った。広州恒大は勝ち点9。ウェスタンシドニー(オーストラリア)-FCソウル(韓国)は1-1で引き分け、ともに同5となった。(共同)
鹿島・セレーゾ監督
「最後まで諦めず、望みを信じて勝つことができた。一人一人が信じて練習に取り組んだ成果だ」
広州恒大に勝利し、喜ぶ鹿島イレブン=カシマ
前半、先制のPKを決める鹿島・遠藤=カシマ
鹿島-広州恒大 前半、パスを出す鹿島・柴崎=カシマ
鹿島-広州恒大 前半、先制のPKを決め喜ぶ鹿島・遠藤(手前)=カシマ
前半、攻め込む鹿島・柴崎=カシマ
前半、パスを出す鹿島・土居(8)=カシマ
ハリル視察効果だ!鹿島・柴崎、ロスタイム劇弾アシスト/ACL
決勝のヘディング弾を決める高崎(中央)。ハリルホジッチ監督の視察に発奮した鹿島イレブンは、今大会初勝利を挙げた (撮影・中井誠)
アジア・チャンピオンズリーグ1次L第4節(7日、カシマスタジアムほか)H組で最下位の鹿島はホームで首位の広州恒大(中国)を2-1で破り、今大会初勝利。通算1勝3敗で勝ち点3とした。日本代表MF柴崎岳(22)が決勝点をアシストし、視察に訪れた日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(62)にアピールした。広州恒大は勝ち点9。F組のG大阪は敵地でブリラム(タイ)に2-1で逆転勝ちし、こちらも初勝利で通算1勝1分け2敗の勝ち点4とした。
最後にドラマが待っていた。1-1で迎えた後半ロスタイム。鹿島は日本代表MF柴崎のFKを、FW高崎が頭で押し込んだ。ラストワンプレーで勝ち越し。得点の直後、主審は試合終了を告げる長い笛を吹いた。
「どんな内容でも勝たないといけなかった。(アシストは)いいボールを上げたかった」
キャプテンマークを巻いてチームを引っ張った柴崎が振り返った。
前半19分、この日27歳の誕生日を迎えたMF遠藤のPKで先制。だが、後半30分に一瞬の隙を突かれて失点した。漂った嫌なムードを柴崎の正確なキックが救った。高崎は「いいボールを上げてくれた。相手はゾーンディフェンス。選手の間を狙うのは練習でやっていた」。ゴール右約35メートルから数十センチ単位で狙った。
サポーターに挨拶する鹿島・柴崎=カシマサッカースタジアム (撮影・中井誠)
視察に訪れたハリルホジッチ監督は鋭い視線でプレーをチェック。試合後は報道陣に手を振り、満足そうに引き揚げた。柴崎は「短期間ですぐに変わるものではないが、A代表にもつながるように練習していきたい」と前を見据えた。
広州恒大は2010年に親会社となった不動産企業・恒大地産集団の資金を背景に急成長。2年前には大会初制覇を果たした。会長の許家印氏は中国で五本の指に入る資産家で、今季は現役ブラジル代表FWグラルを獲得するなど積極的に補強を行う。
前回の対戦は敵地で、3-4で敗戦。それでもDF昌子は「サッカーはお金でするものじゃない」と意気込み、相手を1失点に抑えた。残る2試合を連勝すれば決勝トーナメント進出が決まる。土俵際から一転、1位通過の可能性も残った。 (伊藤昇)
奇跡は柴崎から!鹿島 ラストプレー高崎劇弾でACL初勝利
<ACL 鹿島・広州恒大>広州恒大に勝利しファンの声援に応える柴崎(20)ら鹿島イレブン
Photo By スポニチ
柴崎の右足から鹿島の奇跡が始まる――。各地で1次リーグ第4戦が行われ、H組の鹿島はホームで広州恒大(中国)に2―1で競り勝った。1―1の後半ロスタイムに日本代表MF柴崎岳(22)のアシストでFW高崎寛之(29)が決勝点を決め、初勝利で決勝トーナメント進出に望みをつないだ。F組のG大阪はアウェーでブリラム(タイ)に2―1で逆転勝ち。勝ち点を4とした。8日は浦和と柏が登場する。
狙い通りのボールが柴崎の右足から放たれた。1―1の後半ロスタイム、右サイドからのFK。相手の守備を逆手に取った。マンマークではなく、ゾーンで守る広州恒大。その選手の間にピンポイントで落とし、高崎の頭に合わせた。「ちょっと遠めの位置だったが、なるべくいいボールを上げたいなと思っていた。ニアサイドの相手選手の頭を越えるイメージだった」。まさに最後のワンプレー。スタジアムが歓喜に沸く中、そのまま終了の笛が鳴った。若き司令塔が今季のACL初勝利をたぐり寄せた。
この瞬間のために、セットプレーを磨いてきた。セットプレーといえば常勝・鹿島の大きな得点パターンの一つだったが、今季はゴールにつながらず開幕から公式戦6試合勝ちなしと苦しんだ。そのため、今週は重点的に練習した。高崎は「ニアに蹴るか、ファーに蹴るかはキッカーの雰囲気で分かる。練習の時からいいボールが来ていた」と明かした。出し手と受け手の“あうんの呼吸”が勝ち点3をもたらした。もちろん、柴崎の精度の高いキックがあればこそだった。
試合にはハリルホジッチ監督が視察に訪れていた。「練習からA代表につながるようなことをしていきたいし、パフォーマンスを上げていきたい」と語っていた柴崎は、後半3分にはペナルティーエリア外から目の覚めるような強烈な右足シュート。惜しくも外れたが、攻撃を文字通りけん引した。指揮官は取材に応じることなくスタジアムを後にしたが、そのプレーぶりはしっかり脳裏に焼き付いたはずだ。
敗れれば1次リーグ敗退が決まる可能性があったが、勝利によって一転、自力での突破の可能性も復活した。残り2試合を連勝すれば決勝トーナメント進出が決まる。司令塔は「かろうじてつながった道。可能性を大事にしていきたい。アウェーですけど、勝利を目指してやりたい」と誓った。04年に1次リーグがホームアンドアウェー方式となって以来、敗退の経験がない鹿島。先輩たちのつくった歴史を継承する。
<鹿島・広州恒大>後半、FKを蹴る鹿島・柴崎
Photo By スポニチ
<鹿島・広州恒大>後半ロスタイム、決勝ゴールを決め中村(右)と抱き合って喜ぶ鹿島・高崎
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[ 2015年4月8日 05:30 ]
【ACL】鹿島・高崎、ラストワンプレー弾!初勝利
2015年4月8日6時0分 スポーツ報知
後半48分、ヘディングで決勝ゴールを決める鹿島・高崎(中央)
◆ACL ▽1次リーグH組 鹿島2―1広州恒大(7日・カシマスタジアム)
H組の鹿島はホームのカシマスタジアムで首位の広州恒大(中国)を2―1で破り、F組のG大阪はアウェーでブリラム(タイ)に2―1で逆転勝ちし、ともに今大会初勝利を挙げた。鹿島は1―1の後半ロスタイムにFW高崎寛之(29)が決勝ゴール。1次リーグの自力突破が復活した。G大阪は1―1の後半42分、FW大森晃太郎(22)が得点して勝ち越した。
鹿島が絶体絶命の窮地からはい上がった。1―1のまま、ロスタイム3分が経過しようとした時。右サイドのFKからMF柴崎が長いボールをゴール前に送る。フリーで待っていたのはFW高崎だ。「勝たないとACLが終わってしまう。気持ちで押し込みました」と頭でゴール左にねじ込んだ。直後に終了のホイッスル。ラストワンプレーの決勝弾だった。
意地だった。3連敗で迎えた広州恒大戦。勝たなければ、1次リーグ突破が絶望的になる。前半19分、MF遠藤のPKで先制したが、その後の好機を生かせず、後半30分に追いつかれた。ただ、「どんな内容であれ、勝たないと(1次リーグ突破の)道は閉ざされてしまう。結果を欲していた」(柴崎)とピッチに誰ひとり、勝ち点3をあきらめる選手はいなかった。
後半32分、途中出場でピッチに立った高崎は1トップのレギュラーを任されたが、Jリーグ4試合無得点と結果を残せていなかった。足並みを合わせるようにチームも今季初戦から公式戦5連敗。徳島から移籍加入し「使ってもらって点が取れていなかった。決めたい」と責任を痛感していたストライカーは後半48分、ようやく大仕事をした。
残り2試合連勝すれば、1次リーグを自力で突破できる。のどが「ガラガラ」と言うほど声をからしてチームを鼓舞した柴崎。「調子が悪い時は戦うっきゃない」と走り回ったMF土居。失点に絡んだとはいえ、高い集中力を見せたDF昌子。ACL初体験の若武者が着実に適応、成長し、視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督も新たな発見があったはずだ。クラブ悲願のACL初制覇へ。自らの力で望みをつなぎ留めた。(内田 知宏)
鹿島劇的勝利!自力決勝T残した
2015年4月7日
勝利にガッツポーズで喜ぶ鹿島のトニーニョ・セレーゾ監督=鹿島スタジアム(撮影・三好信也)
「ACL1次リーグH組 鹿島2-1広州恒大」(7日、カシマ)
後半ロスタイムにFW高崎寛之が決勝ゴールを決め、鹿島が広州恒大(中国)に逆転勝利をした。今季のACL初勝利で決勝トーナメント進出へ望みをつないだ。
前半19分にMF遠藤のPKで先制したが、後半30分、広州恒大のFWエウケソンに決められ同点に。勝利が欲しい鹿島は後半32分に投入された高崎が後半ロスタイム、ヘディングを入れた。
鹿島の順位は1勝3敗の勝ち点3で最下位。首位は広州広大で勝ち点9。2位はウエスタン・シドニーの勝ち点5(得失点差+1)、3位はFCソウルの勝ち点5(同0)。
鹿島は4月21日にアウェーでウエスタン・シドニーと、5月5日にホームでFCソウルと対戦する。2試合とも勝てば、自力で決勝トーナメントに進出する2位以上が確定する。
ラストプレーで鹿島が劇的勝利 1次リーグ突破へ望み
【サッカーACL鹿島対広州恒大】 後半 決勝ゴールを決める鹿島・高崎寛之(中央)=カシマサッカースタジアム(撮影・中井誠)
文字どおりラストプレーだった。1-1の後半ロスタイム、鹿島は柴崎のFKに高崎が頭で合わせゴール左隅に流し込んだ。2-1。直後に終了の笛が響き、劇的勝利をつかんだ。高崎は「負けたら終わり。気持ちで押し込んだ」と笑った。
立ち上がりから気持ちを前面に出した。前線では金崎、カイオ、遠藤らが相手DFを恐れずに競り合った。守備では球際で敵に厳しく当たった。ゴール前では体を張ってピンチを防いだ。柴崎は「勝ちたい気持ちを示せた」と胸を張った。
後半30分に追いつかれても気持ちは折れず、最後の最後で勝ちきった。指揮官は「あきらめずにやり続けて結果につながった。これが鹿島の伝統だ」と力を込めた。かつて憎らしいほどの勝負強さを誇った王者が復活の兆しを漂わせ始めた。
3日のJ1鳥栖戦で金崎が相手DFに顔を踏まれるなどの代償を払い、ようやく今季の公式戦初勝利を挙げた。キャプテンマークを巻いた柴崎は「とにかく結果がほしかった」と勝負に徹する姿勢を貫き、自らのFKで連勝を手繰り寄せた。
勝ち点5のウェスタンシドニーとFCソウルの背中が見えてきた。残る両チームとの対戦に連勝すれば自力での1次リーグ突破が決まる。「勝たないと後がない。全力で頑張る」と高崎。苦しみながら勝ち点3をつかみ“風”が吹いてきた。(榊輝朗)
【サッカーACL鹿島対広州恒大】 サポーターにスタンドから下ろしてもらう鹿島・高崎寛之(中央)=カシマサッカースタジアム (撮影・中井誠)
【サッカーACL鹿島対広州恒大】 後半 決勝ゴールを決め、鹿島・柴崎岳(左から3人目)らに祝福される鹿島・高崎寛之(左から2人目)=カシマサッカースタジアム(撮影・中井誠)
【サッカーACL鹿島対広州恒大】 前半 先制のPKを決める鹿島・遠藤康=カシマサッカースタジアム(撮影・中井誠)
高崎ロスタイム弾、鹿島生き残った ACL1次リーグ
2015年4月7日23時48分
後半ロスタイム、ヘディングでゴールを決める鹿島の高崎(右から3人目)=内田光撮影
前半19分、鹿島の遠藤はPKを決める=内田光撮影
(7日、ACL1次リーグ)
開幕から3連敗で勝ち点なしと崖っぷちだった鹿島が、決勝トーナメント進出へ望みをつなぐ初勝利を挙げた。
1―1で迎えた後半ロスタイム。恐らく最後のプレーだった。トニーニョ・セレーゾ監督は手で「全員上がれ」の指示を送る。柴崎のFKを高崎が頭で合わせて決勝ゴールを決めた。仲間にもみくちゃにされた高崎は「どうしても点が欲しかった。セットプレーで練習していた形。いいボールが来たので、気持ちで押し込んだ」と喜んだ。
土壇場でもぎ取った勝ち点3。1次リーグ突破はまだ厳しい状況に変わりはないが、柴崎は「辛うじてつながった。しっかりと戦いたい」と前を向いた。
◇
○トニーニョ・セレーゾ監督(鹿) 「最後まであきらめずにやり続けるのが鹿島の伝統。大きな勝利だが、まだ何も成し遂げていない」
○高崎(鹿) ロスタイムの決勝点。「試合を見ながら、どうしたらいいボールをもらえるか、を考えていた」
【ACL4節】鹿島 2-1 広州恒大|タイムアップ寸前に高崎が劇的な決勝ヘッド!!
サッカーダイジェストWeb編集部
2015年04月07日
ドロー濃厚のラストワンプレー、柴崎のFKから高崎が決勝点。
ラストワンプレーでの勝ち越し弾を決めた高崎(15)。この劇的な勝利をグループリーグ突破につなげたい。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)
鹿島は1トップに金崎を起用してスタート。次節、昌子が出場停止になるのは痛いところだ。
ACLは4月7日にグループリーグ4節が行なわれ、グループHの鹿島は広州恒大と対戦した。
ACL開幕3連敗の鹿島は、金崎を1トップで起用し、高崎はベンチスタートとなった。19分に遠藤のパスが、ペナルティエリア内での相手のハンドを誘い、鹿島がPKを獲得。これを遠藤が落ち着いて決めて鹿島が先制した。
しかし、先制後は広州恒大が押し込み、エースのエウケソンが再三ゴールに迫る。74分には左からのクロスをそのエウケソンが押し込んで同点。鹿島はグループリーグ突破へ厳しい状況に追い込まれた。
終盤は金崎のドリブル突破やカイオのキープ力を起点にチャンスを作った鹿島だが、ゴールは遠い。時間は刻々と過ぎ、結局ドローが濃厚かと思われた90+3分、鹿島はFKのチャンスを得る。そして、キッカーの柴崎が蹴ったボールに合わせたのは途中出場の高崎。ヘディングシュートでゴールネットを揺らし、鹿島の選手たちが歓喜を爆発させると、その直後にタイムアップの笛が吹かれた。
高崎の値千金の決勝ゴールで、鹿島がなんとかグループリーグ突破へ望みをつないだ。なお、この試合で警告を受けた昌子が、次節のウエスタン・シドニー・ワンダラーズ戦で出場停止となる。
柴崎のFKから高崎が渾身のヘディングシュートを叩き込む。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)
19分に遠藤のPKで鹿島が先制。しかし、その後は広州恒大に押し込まれる苦しい展開に。鹿島の最後まで諦めない姿勢が光った。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)
アディショナルタイムの劇的ゴールを大きく報じる各紙である。
特に「ACL初体験の若武者が着実に適応、成長し、視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督も新たな発見があったはずだ。クラブ悲願のACL初制覇へ。自らの力で望みをつなぎ留めた」と締める報知の内田記者の文章は冴える。
92年組が勢揃いしたスタメンは、次世代の鹿島の象徴と言えよう。
その中心となる岳のセットプレイから決勝弾が生まれたことは偶然ではない。
チームは確実に経験を積み成長しておる。
勝ち方を思い出した鹿島に死角は無い。
アジア制覇への第一歩となったこの試合、記憶に留めたい。
[2015年4月7日21時28分]
<ACL:鹿島2-1広州恒大>◇1次リーグH組◇7日◇カシマ
3戦3敗の鹿島はホームでH組首位の広州恒大(中国)と対戦した。
前半、遠藤のPK弾で先制する。後半、同点ゴールを決められるもロスタイムに高崎が劇的な勝ち越し弾を決めて勝利。これで鹿島は1勝3敗、1次リーグ突破にはまだ厳しい戦いが続く。
サポーター席に上がって喜びを分かちあった後、ピッチに戻る鹿島FW高崎(撮影・狩俣裕三)
サポーターと喜びを分かちあうMF柴崎岳(右から3人目)ら鹿島の選手たち(撮影・狩俣裕三)
後半ロスタイム、決勝ゴールを決め気迫の表情で駆けだす鹿島FW高崎(撮影・狩俣裕三)
決勝ゴールを決めた鹿島FW高崎(中央下)と喜びを分かちあうMF柴崎(左)。右はDF昌子
鹿島対広州恒大 前半、左足でPKを決める鹿島MF遠藤(撮影・狩俣裕三)
前半、パスを繰り出す鹿島MF柴崎(撮影・狩俣裕三)
鹿島FW高崎が終了間際に劇的決勝ヘッド
[2015年4月7日21時15分]
後半ロスタイム、決勝ゴールを決め気迫の表情で駆けだす鹿島FW高崎(撮影・狩俣裕三)
<ACL:鹿島2-1広州恒大>◇1次リーグH組◇7日◇カシマ
鹿島のFW高崎寛之(29)が劇的「Vゴール」を決めた。
1-1の同点で迎えた終了間際。右サイドからのMF柴崎のFKを、ゴール前で相手DFに競り勝ち頭で押し込んだ。直後に試合終了の笛が鳴った。
高崎は「勝たないとACLが終わってしまうので、気持ちで押し込みました。ずっとセットプレーを練習していたのでよかった」と声を弾ませた。
鹿島は今大会初勝利で勝ち点3もH組最下位は変わらず。決勝トーナメント進出にはまだ厳しい戦いが続くが、「勝たないと後がないので全力で頑張りたい」と力を込めた。
鹿島ロスタイム弾で初勝利、柴崎FK高崎決めた
[2015年4月8日7時10分 紙面から]
後半ロスタイム、決勝ゴールを決め気迫の表情で駆けだす鹿島FW高崎
<ACL:鹿島2-1広州恒大>◇1次リーグH組◇7日◇カシマ
H組最下位の鹿島が、首位の広州恒大(中国)を退けて今季ACL初勝利を挙げた。1-1の後半ロスタイムに劇的な決勝点。日本代表ハリルホジッチ監督の前で、MF柴崎岳(22)のFKにFW高崎寛之(29)が頭で合わせた。3連敗したが、この1勝で自力での1次リーグ突破の可能性が復活。残り2連勝で決勝トーナメントに進出できる。
崖っぷちの鹿島が、徳俵からうっちゃった。13年ACL覇者の広州恒大に、1-1と追いつかれた後の後半ロスタイム。表示3分の47分58秒だった。ゴール右35メートル。柴崎が右足で送ったFKに、188センチの高崎が頭で合わせた。完全にヒットしなかったが「気持ちでねじ込んだ。うちは勝つしかなかったので」。GKの指先をかすめて左サイドネットに飛び込み、直後に試合終了の笛が鳴った。劇的なラスト1プレーだった。
呼吸が合った。先月18日のアウェー戦は3-4で逆転負け。その時も高崎は得点したが、FKから2失点した。以来、最も時間を割いたのが攻守のセットプレー。決勝アシストの柴崎が「手前の選手の頭を越えるイメージ」と明かせば、高崎も「(柴崎)岳と練習で合わせた通り。守備の間に潜り込めば点は取れると思っていた」と振り返った。
柴崎は代表経験も生かした。ハリルホジッチ監督から「日本はFKからの得点が少ない」と指摘され、「鹿島も取れていない」と思った。クラブに戻ってから居残り練習を重ね、3日のリーグ鳥栖戦に続く2試合連続のFKからのアシストで、成長を示した。
負ければクラブ初の1次リーグ敗退の可能性があった。年俸10億円のFWエウケソンに同点弾を浴びたが、日本勢2勝2分け8敗の難敵にリベンジ。残り2連勝で自力突破できる。今季は泥沼の6試合勝ちなしから始まったが「かろうじて、つながった道。大事にしたい」と柴崎。鹿島のエンジンが温まってきた。【木下淳】
鹿島が今大会初勝利!終了間際に高崎が決勝ゴール/ACL
後半、ヘディングで決勝ゴールを決める鹿島・高崎(中央)=カシマ
サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は7日、各地で1次リーグ第4戦が行われ、H組で最下位の鹿島はホームのカシマスタジアムで首位の広州恒大(中国)を2-1で破り、今大会初勝利を挙げた。通算1勝3敗で勝ち点3。F組のG大阪は敵地でブリラム(タイ)と対戦し、前半を1-1で終えた。
鹿島は1-1の試合終了間際に高崎が決勝ゴールを奪った。広州恒大は勝ち点9。ウェスタンシドニー(オーストラリア)-FCソウル(韓国)は1-1で引き分け、ともに同5となった。(共同)
鹿島・セレーゾ監督
「最後まで諦めず、望みを信じて勝つことができた。一人一人が信じて練習に取り組んだ成果だ」
広州恒大に勝利し、喜ぶ鹿島イレブン=カシマ
前半、先制のPKを決める鹿島・遠藤=カシマ
鹿島-広州恒大 前半、パスを出す鹿島・柴崎=カシマ
鹿島-広州恒大 前半、先制のPKを決め喜ぶ鹿島・遠藤(手前)=カシマ
前半、攻め込む鹿島・柴崎=カシマ
前半、パスを出す鹿島・土居(8)=カシマ
ハリル視察効果だ!鹿島・柴崎、ロスタイム劇弾アシスト/ACL
決勝のヘディング弾を決める高崎(中央)。ハリルホジッチ監督の視察に発奮した鹿島イレブンは、今大会初勝利を挙げた (撮影・中井誠)
アジア・チャンピオンズリーグ1次L第4節(7日、カシマスタジアムほか)H組で最下位の鹿島はホームで首位の広州恒大(中国)を2-1で破り、今大会初勝利。通算1勝3敗で勝ち点3とした。日本代表MF柴崎岳(22)が決勝点をアシストし、視察に訪れた日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(62)にアピールした。広州恒大は勝ち点9。F組のG大阪は敵地でブリラム(タイ)に2-1で逆転勝ちし、こちらも初勝利で通算1勝1分け2敗の勝ち点4とした。
最後にドラマが待っていた。1-1で迎えた後半ロスタイム。鹿島は日本代表MF柴崎のFKを、FW高崎が頭で押し込んだ。ラストワンプレーで勝ち越し。得点の直後、主審は試合終了を告げる長い笛を吹いた。
「どんな内容でも勝たないといけなかった。(アシストは)いいボールを上げたかった」
キャプテンマークを巻いてチームを引っ張った柴崎が振り返った。
前半19分、この日27歳の誕生日を迎えたMF遠藤のPKで先制。だが、後半30分に一瞬の隙を突かれて失点した。漂った嫌なムードを柴崎の正確なキックが救った。高崎は「いいボールを上げてくれた。相手はゾーンディフェンス。選手の間を狙うのは練習でやっていた」。ゴール右約35メートルから数十センチ単位で狙った。
サポーターに挨拶する鹿島・柴崎=カシマサッカースタジアム (撮影・中井誠)
視察に訪れたハリルホジッチ監督は鋭い視線でプレーをチェック。試合後は報道陣に手を振り、満足そうに引き揚げた。柴崎は「短期間ですぐに変わるものではないが、A代表にもつながるように練習していきたい」と前を見据えた。
広州恒大は2010年に親会社となった不動産企業・恒大地産集団の資金を背景に急成長。2年前には大会初制覇を果たした。会長の許家印氏は中国で五本の指に入る資産家で、今季は現役ブラジル代表FWグラルを獲得するなど積極的に補強を行う。
前回の対戦は敵地で、3-4で敗戦。それでもDF昌子は「サッカーはお金でするものじゃない」と意気込み、相手を1失点に抑えた。残る2試合を連勝すれば決勝トーナメント進出が決まる。土俵際から一転、1位通過の可能性も残った。 (伊藤昇)
奇跡は柴崎から!鹿島 ラストプレー高崎劇弾でACL初勝利
<ACL 鹿島・広州恒大>広州恒大に勝利しファンの声援に応える柴崎(20)ら鹿島イレブン
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柴崎の右足から鹿島の奇跡が始まる――。各地で1次リーグ第4戦が行われ、H組の鹿島はホームで広州恒大(中国)に2―1で競り勝った。1―1の後半ロスタイムに日本代表MF柴崎岳(22)のアシストでFW高崎寛之(29)が決勝点を決め、初勝利で決勝トーナメント進出に望みをつないだ。F組のG大阪はアウェーでブリラム(タイ)に2―1で逆転勝ち。勝ち点を4とした。8日は浦和と柏が登場する。
狙い通りのボールが柴崎の右足から放たれた。1―1の後半ロスタイム、右サイドからのFK。相手の守備を逆手に取った。マンマークではなく、ゾーンで守る広州恒大。その選手の間にピンポイントで落とし、高崎の頭に合わせた。「ちょっと遠めの位置だったが、なるべくいいボールを上げたいなと思っていた。ニアサイドの相手選手の頭を越えるイメージだった」。まさに最後のワンプレー。スタジアムが歓喜に沸く中、そのまま終了の笛が鳴った。若き司令塔が今季のACL初勝利をたぐり寄せた。
この瞬間のために、セットプレーを磨いてきた。セットプレーといえば常勝・鹿島の大きな得点パターンの一つだったが、今季はゴールにつながらず開幕から公式戦6試合勝ちなしと苦しんだ。そのため、今週は重点的に練習した。高崎は「ニアに蹴るか、ファーに蹴るかはキッカーの雰囲気で分かる。練習の時からいいボールが来ていた」と明かした。出し手と受け手の“あうんの呼吸”が勝ち点3をもたらした。もちろん、柴崎の精度の高いキックがあればこそだった。
試合にはハリルホジッチ監督が視察に訪れていた。「練習からA代表につながるようなことをしていきたいし、パフォーマンスを上げていきたい」と語っていた柴崎は、後半3分にはペナルティーエリア外から目の覚めるような強烈な右足シュート。惜しくも外れたが、攻撃を文字通りけん引した。指揮官は取材に応じることなくスタジアムを後にしたが、そのプレーぶりはしっかり脳裏に焼き付いたはずだ。
敗れれば1次リーグ敗退が決まる可能性があったが、勝利によって一転、自力での突破の可能性も復活した。残り2試合を連勝すれば決勝トーナメント進出が決まる。司令塔は「かろうじてつながった道。可能性を大事にしていきたい。アウェーですけど、勝利を目指してやりたい」と誓った。04年に1次リーグがホームアンドアウェー方式となって以来、敗退の経験がない鹿島。先輩たちのつくった歴史を継承する。
<鹿島・広州恒大>後半、FKを蹴る鹿島・柴崎
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<鹿島・広州恒大>後半ロスタイム、決勝ゴールを決め中村(右)と抱き合って喜ぶ鹿島・高崎
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[ 2015年4月8日 05:30 ]
【ACL】鹿島・高崎、ラストワンプレー弾!初勝利
2015年4月8日6時0分 スポーツ報知
後半48分、ヘディングで決勝ゴールを決める鹿島・高崎(中央)
◆ACL ▽1次リーグH組 鹿島2―1広州恒大(7日・カシマスタジアム)
H組の鹿島はホームのカシマスタジアムで首位の広州恒大(中国)を2―1で破り、F組のG大阪はアウェーでブリラム(タイ)に2―1で逆転勝ちし、ともに今大会初勝利を挙げた。鹿島は1―1の後半ロスタイムにFW高崎寛之(29)が決勝ゴール。1次リーグの自力突破が復活した。G大阪は1―1の後半42分、FW大森晃太郎(22)が得点して勝ち越した。
鹿島が絶体絶命の窮地からはい上がった。1―1のまま、ロスタイム3分が経過しようとした時。右サイドのFKからMF柴崎が長いボールをゴール前に送る。フリーで待っていたのはFW高崎だ。「勝たないとACLが終わってしまう。気持ちで押し込みました」と頭でゴール左にねじ込んだ。直後に終了のホイッスル。ラストワンプレーの決勝弾だった。
意地だった。3連敗で迎えた広州恒大戦。勝たなければ、1次リーグ突破が絶望的になる。前半19分、MF遠藤のPKで先制したが、その後の好機を生かせず、後半30分に追いつかれた。ただ、「どんな内容であれ、勝たないと(1次リーグ突破の)道は閉ざされてしまう。結果を欲していた」(柴崎)とピッチに誰ひとり、勝ち点3をあきらめる選手はいなかった。
後半32分、途中出場でピッチに立った高崎は1トップのレギュラーを任されたが、Jリーグ4試合無得点と結果を残せていなかった。足並みを合わせるようにチームも今季初戦から公式戦5連敗。徳島から移籍加入し「使ってもらって点が取れていなかった。決めたい」と責任を痛感していたストライカーは後半48分、ようやく大仕事をした。
残り2試合連勝すれば、1次リーグを自力で突破できる。のどが「ガラガラ」と言うほど声をからしてチームを鼓舞した柴崎。「調子が悪い時は戦うっきゃない」と走り回ったMF土居。失点に絡んだとはいえ、高い集中力を見せたDF昌子。ACL初体験の若武者が着実に適応、成長し、視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督も新たな発見があったはずだ。クラブ悲願のACL初制覇へ。自らの力で望みをつなぎ留めた。(内田 知宏)
鹿島劇的勝利!自力決勝T残した
2015年4月7日
勝利にガッツポーズで喜ぶ鹿島のトニーニョ・セレーゾ監督=鹿島スタジアム(撮影・三好信也)
「ACL1次リーグH組 鹿島2-1広州恒大」(7日、カシマ)
後半ロスタイムにFW高崎寛之が決勝ゴールを決め、鹿島が広州恒大(中国)に逆転勝利をした。今季のACL初勝利で決勝トーナメント進出へ望みをつないだ。
前半19分にMF遠藤のPKで先制したが、後半30分、広州恒大のFWエウケソンに決められ同点に。勝利が欲しい鹿島は後半32分に投入された高崎が後半ロスタイム、ヘディングを入れた。
鹿島の順位は1勝3敗の勝ち点3で最下位。首位は広州広大で勝ち点9。2位はウエスタン・シドニーの勝ち点5(得失点差+1)、3位はFCソウルの勝ち点5(同0)。
鹿島は4月21日にアウェーでウエスタン・シドニーと、5月5日にホームでFCソウルと対戦する。2試合とも勝てば、自力で決勝トーナメントに進出する2位以上が確定する。
ラストプレーで鹿島が劇的勝利 1次リーグ突破へ望み
【サッカーACL鹿島対広州恒大】 後半 決勝ゴールを決める鹿島・高崎寛之(中央)=カシマサッカースタジアム(撮影・中井誠)
文字どおりラストプレーだった。1-1の後半ロスタイム、鹿島は柴崎のFKに高崎が頭で合わせゴール左隅に流し込んだ。2-1。直後に終了の笛が響き、劇的勝利をつかんだ。高崎は「負けたら終わり。気持ちで押し込んだ」と笑った。
立ち上がりから気持ちを前面に出した。前線では金崎、カイオ、遠藤らが相手DFを恐れずに競り合った。守備では球際で敵に厳しく当たった。ゴール前では体を張ってピンチを防いだ。柴崎は「勝ちたい気持ちを示せた」と胸を張った。
後半30分に追いつかれても気持ちは折れず、最後の最後で勝ちきった。指揮官は「あきらめずにやり続けて結果につながった。これが鹿島の伝統だ」と力を込めた。かつて憎らしいほどの勝負強さを誇った王者が復活の兆しを漂わせ始めた。
3日のJ1鳥栖戦で金崎が相手DFに顔を踏まれるなどの代償を払い、ようやく今季の公式戦初勝利を挙げた。キャプテンマークを巻いた柴崎は「とにかく結果がほしかった」と勝負に徹する姿勢を貫き、自らのFKで連勝を手繰り寄せた。
勝ち点5のウェスタンシドニーとFCソウルの背中が見えてきた。残る両チームとの対戦に連勝すれば自力での1次リーグ突破が決まる。「勝たないと後がない。全力で頑張る」と高崎。苦しみながら勝ち点3をつかみ“風”が吹いてきた。(榊輝朗)
【サッカーACL鹿島対広州恒大】 サポーターにスタンドから下ろしてもらう鹿島・高崎寛之(中央)=カシマサッカースタジアム (撮影・中井誠)
【サッカーACL鹿島対広州恒大】 後半 決勝ゴールを決め、鹿島・柴崎岳(左から3人目)らに祝福される鹿島・高崎寛之(左から2人目)=カシマサッカースタジアム(撮影・中井誠)
【サッカーACL鹿島対広州恒大】 前半 先制のPKを決める鹿島・遠藤康=カシマサッカースタジアム(撮影・中井誠)
高崎ロスタイム弾、鹿島生き残った ACL1次リーグ
2015年4月7日23時48分
後半ロスタイム、ヘディングでゴールを決める鹿島の高崎(右から3人目)=内田光撮影
前半19分、鹿島の遠藤はPKを決める=内田光撮影
(7日、ACL1次リーグ)
開幕から3連敗で勝ち点なしと崖っぷちだった鹿島が、決勝トーナメント進出へ望みをつなぐ初勝利を挙げた。
1―1で迎えた後半ロスタイム。恐らく最後のプレーだった。トニーニョ・セレーゾ監督は手で「全員上がれ」の指示を送る。柴崎のFKを高崎が頭で合わせて決勝ゴールを決めた。仲間にもみくちゃにされた高崎は「どうしても点が欲しかった。セットプレーで練習していた形。いいボールが来たので、気持ちで押し込んだ」と喜んだ。
土壇場でもぎ取った勝ち点3。1次リーグ突破はまだ厳しい状況に変わりはないが、柴崎は「辛うじてつながった。しっかりと戦いたい」と前を向いた。
◇
○トニーニョ・セレーゾ監督(鹿) 「最後まであきらめずにやり続けるのが鹿島の伝統。大きな勝利だが、まだ何も成し遂げていない」
○高崎(鹿) ロスタイムの決勝点。「試合を見ながら、どうしたらいいボールをもらえるか、を考えていた」
【ACL4節】鹿島 2-1 広州恒大|タイムアップ寸前に高崎が劇的な決勝ヘッド!!
サッカーダイジェストWeb編集部
2015年04月07日
ドロー濃厚のラストワンプレー、柴崎のFKから高崎が決勝点。
ラストワンプレーでの勝ち越し弾を決めた高崎(15)。この劇的な勝利をグループリーグ突破につなげたい。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)
鹿島は1トップに金崎を起用してスタート。次節、昌子が出場停止になるのは痛いところだ。
ACLは4月7日にグループリーグ4節が行なわれ、グループHの鹿島は広州恒大と対戦した。
ACL開幕3連敗の鹿島は、金崎を1トップで起用し、高崎はベンチスタートとなった。19分に遠藤のパスが、ペナルティエリア内での相手のハンドを誘い、鹿島がPKを獲得。これを遠藤が落ち着いて決めて鹿島が先制した。
しかし、先制後は広州恒大が押し込み、エースのエウケソンが再三ゴールに迫る。74分には左からのクロスをそのエウケソンが押し込んで同点。鹿島はグループリーグ突破へ厳しい状況に追い込まれた。
終盤は金崎のドリブル突破やカイオのキープ力を起点にチャンスを作った鹿島だが、ゴールは遠い。時間は刻々と過ぎ、結局ドローが濃厚かと思われた90+3分、鹿島はFKのチャンスを得る。そして、キッカーの柴崎が蹴ったボールに合わせたのは途中出場の高崎。ヘディングシュートでゴールネットを揺らし、鹿島の選手たちが歓喜を爆発させると、その直後にタイムアップの笛が吹かれた。
高崎の値千金の決勝ゴールで、鹿島がなんとかグループリーグ突破へ望みをつないだ。なお、この試合で警告を受けた昌子が、次節のウエスタン・シドニー・ワンダラーズ戦で出場停止となる。
柴崎のFKから高崎が渾身のヘディングシュートを叩き込む。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)
19分に遠藤のPKで鹿島が先制。しかし、その後は広州恒大に押し込まれる苦しい展開に。鹿島の最後まで諦めない姿勢が光った。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)
アディショナルタイムの劇的ゴールを大きく報じる各紙である。
特に「ACL初体験の若武者が着実に適応、成長し、視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督も新たな発見があったはずだ。クラブ悲願のACL初制覇へ。自らの力で望みをつなぎ留めた」と締める報知の内田記者の文章は冴える。
92年組が勢揃いしたスタメンは、次世代の鹿島の象徴と言えよう。
その中心となる岳のセットプレイから決勝弾が生まれたことは偶然ではない。
チームは確実に経験を積み成長しておる。
勝ち方を思い出した鹿島に死角は無い。
アジア制覇への第一歩となったこの試合、記憶に留めたい。