鹿島アントラーズ原理主義

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名良橋、日本代表SB考

2013年06月08日 | Weblog
元日本代表・名良橋晃が徹底解析 長友佑都、内田篤人、酒井宏樹…… 日本のサイドバックは世界を制するか?
日本代表において、中盤の次に人材がそろっていると言っていいサイドバック。長友佑都はどこまで進化するのか? 内田篤人と酒井宏樹は、どちらがファーストチョイスになるのか? そして新戦力の台頭はあるのか? 元日本代表、名良橋晃氏に話を聞いた。

2013年06月08日
text by photo Asuka Kudo


【サッカー批評issue59】掲載

急激に輝きを増す日本代表のサイドバック

 ここ数年、急激に輝きを増しているエリアがある。日本代表にとって、中盤以外でもう一つのストロングポイントとなり得るポジション――。それがサイドバックだ。

 欧州のクラブの視線はすでに、このポジションの日本人に注がれている。

 10年夏に長友佑都がイタリアに、内田篤人がドイツに渡って門戸を開くと、安田理大がオランダへ、酒井高徳がドイツへと続き、昨夏には酒井宏樹が後を追った。また、契約こそまとまらなかったが、駒野友一もベルギーのクラブからオファーを受けた。

「現代サッカーではSBの重要性が高まっているだけに、これだけ多くの選手が欧州のクラブに認められているのは素晴らしいし、頼もしいですね」

 そう語るのは、攻撃的な右SBとして鳴らした名良橋晃だ。鹿島の黄金期を支え、フランスワールドカップにも出場した彼は、現代サッカーにおけるSBの役割について、このように説明する。

「僕らの時代に求められていたのは、攻撃では上下動してクロスを上げることでした。でも今は、求められるものが遥かに多い。プレッシングが厳しくなった今、SBは他と比べて相手からのプレッシャーがまだ緩い。だから、縦パスや斜めのパスを入れて攻撃の起点になることが求められます。

 また、縦に仕掛けた場合も、クロスを上げるだけでなく、バイタルエリアに侵入してシュートやラストパスを放つなど、決定的な仕事も要求される。もちろん、守備も大事で、相手との1対1に勝つのは当然として、逆サイドからのクロスに対して中に絞ってカバーしたり、スライドして中央を守ったりすることもあります」

 ボランチのようにビルドアップで貢献することが求められ、カットインしてアタッカーのようにバイタルエリアでの仕事を要求され、センターバックのようにゴール前で防ぐ機会もある。今やSBはユーティリティ性が最も必要とされるポジションだ。

「スペシャリストだけど、ひとりふた役、3役をこなす。それが現代サッカーにおける優れたSBの条件です。ユベントスのリヒトシュタイナーやイスラは攻撃を組み立てられるし、エバートンのベインズもそう。CSKAのマリオ・フェルナンデスは長身でCBもこなせて、なおかつ攻撃力もある。長友のチームメイト、サネッティは左右両サイドに加えてボランチまでこなします。逆に言えば、それだけの能力がなければ、トップクラブのSBは務められないということでしょうね」

 では、なぜ今、日本人のSBが欧州のクラブから評価されているのか。

「長友も左右ともに務められるし、前もできる。篤人はビルドアップ能力が高く、中盤もこなせる、酒井宏もSBだけでなくCBもできる。そうしたユーティリティ性が備わっている上に、日本人の真面目さも評価されているのでは? 献身的なプレーを厭わないし、監督の指示にも忠実。それは欧州や南米の選手と最も異なる点でしょう。こうした自己犠牲の精神と技術の高さを考えると、SBは日本人に向いたポジションだと思います」

欧州遠征で見えた長友と内田の特性

 フランス、ブラジルと戦った昨年の欧州遠征でも、日本人SBの長所は随所に見えた、と名良橋は指摘する。分かりやすい例を挙げるなら、フランス戦の決勝点の場面だ。

「相手のCKからのカウンターでしたが、今野がこぼれ球を拾った瞬間、いち早く反応したのが長友と篤人でした。この場面、ふたりは、これは行けるぞ、と察知したんでしょう。ふたりとも迷うことなく駆け上がっている。このとき、追走してきたリベリにも走り勝った。しかも長友は87分という時間帯に、あの距離を全力で走りながら中央に折り返す冷静な判断をしたうえで、香川にしっかり合わせた。判断、スタミナ、スピード、精度、味方との連係……。素晴らしいゴールでした」

 敵地で1-0の勝利を飾ったこのフランス戦では、長友の能力の高さや判断力の確かさを改めて確認できた、と名良橋はいう。

「押されていた前半は、攻撃陣がタメを作れず、対面のメネズも残っていたため、長友は攻撃を自重しています。無理して上がればやられるな、と判断したんじゃないでしょうか。そのため前半は、1対1での対応や絞ってのカバーなど、守備面での能力が改めて確認できました。一方、後半になると、対面がバルブエナに変わった。彼は中央にどんどん入っていくため、長友の前にスペースができて、ガンガン仕掛けて行った。右SBジャレとの1対1でも主導権を握り、3度もチャンスを作っている。後半は攻め上がりのタイミングや仕掛けの鋭さに改めて唸らされましたね」

 そのうえで、87分に長い距離を走ってアシストを記録したのだ。敵将のデシャンが最も印象に残った選手として長友の名を挙げたわけである。

 3季目を迎えたインテルで、自信に満ちたプレーを披露している長友には、世界最高のSBになる可能性が十分ある、と名良橋は見ている。

「インテルでは一昨季、ディフェンスラインを合わせられなかったり、合わせようとして相手をフリーにしてしまう場面もありましたが、今季はそれも克服し、逆に周りをリードしているように見えます。僕は、ラームやスニガ、マッジョ、M・フェルナンデスら、世界屈指のSBに並ぶと思います。課題を強いて挙げれば、カットインしてからのシュートやラストパスの精度が少し低いこと。それが高まれば、言うことなしです」

内田篤人のストロングポイント


数手先を読んだプレーができる内田篤人【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 攻守両面での1対1の強さが長友の魅力なら、内田のストロングポイントはコンビネーションの中で味方を生かす上手さと賢さにある、と名良橋は指摘する。

「シャルケの試合を見ていると、篤人の良さがよく分かります。例えば、先日のアーセナル戦、ファルファンとのコンビで左SBのアンドレ・サントスを完全に攻略していた。ファルファンは自分で打開したいタイプ。篤人が先に行ってしまうと、ファルファンのスペースを消しかねない。だから、サポートしながら、ファルファンが中に入ったから出て行く。そうしたメリハリの付け方が巧みで、前の選手の選択肢を増やせるSBです」

 こうした判断力やインテリジェンスは、ビルドアップの際も感じられるという。

「篤人は賢くて、3つくらい先を読んでいる。ボールの置き場所も工夫しているし、遠くも近くも見えていて、攻撃の起点にもなれる。ただ、3つくらい先を読めるから逆に迷ってしまい、判断がたまに遅れるのが課題です。でも、岡崎と清武のような異なるタイプと『生かし、生かされ』の関係を築けるのは、篤人の強みでしょう」

 フランス戦で、その内田を差し置いてスタメンに抜擢されたのが酒井宏だった。

 その理由は、フィジカルの強さや183センチという長身にあったのではなかったか、と名良橋は推察する。

「相手のフランスは長身揃いだし、身体能力も高いから、酒井宏が選ばれたのでは? 篤人は直前のCLで良いプレーを見せていたんですけど、日本の守備陣には、今野と長友、180センチ未満の選手がふたりもいる。ザッケローニ監督はそれが気になったんじゃないですか」

激しいポジション争いが選手の力を伸ばす

 酒井宏の魅力は、そうしたフィジカル面での強さと縦への推進力、クロスを入れるタイミングと精度に見出せる。

「スペースに出て行くタイミング、クロスを入れるタイミングが抜群に良い。そして馬力。長友はアジリティ系の馬力ですけど、酒井宏はゴリゴリ系の馬力。あと、CBもこなせる守備力やフィジカルも魅力です。僕は3-4-3を採用した場合、ザッケローニ監督は酒井宏を3バックの右としても考えているんじゃないかという気がしていて。右サイドで酒井宏と篤人のふたりが縦に並ぶのも面白い」

 フランス戦では酒井宏が先発し、ブラジル戦では内田がスタメンに返り咲いた。だが、ハーフタイムで交代となり、後半から酒井宏が登場した。ポジション争いは熾烈だ。

「ブラジル戦は難しいゲームでした。右サイドはカカがいて、ネイマールも流れてきて、ボランチまで飛び出してきて、裏だけでなく、CBとの間も狙われてしまった。これは篤人だけの責任ではなく、ボランチのサポートなど、チームとしての課題でしょう。酒井宏が出てきた後半も状況はさほど変わっていない。でも、ライバルの関係はお互いにとって良いことだと思います。僕の時代も右SBにはイチ(市川大祐)、ミニラ(中村忠)、(中西)永輔、柳本(啓成)がいた。そのおかげで自分を高められたのは間違いないです。右サイドにはふたりだけでなく、駒野もいますからね」

 4人の中でクロスの精度が最も高く、ユーティリティ性に富むのは駒野だ、と名良橋は見ている。

「前田遼一に合わせるニアへのクロスは芸術の域だし、2012年8月のベネズエラ戦でマイナスに入れて遠藤保仁の先制点を演出したように、視野も判断も的確。それに、左右のSBを遜色なくこなせて、中盤もできる。サブのまま黙ってないでしょう」

 長友、内田、酒井宏、駒野の4人に加え、酒井高も代表定着を虎視眈々と狙っているはずだ。加えて、有望なSBは国内にも存在する。

「一度呼んでほしいのは、仙台の菅井直樹。高さがあり、ゴール前まで侵入する攻撃力もあり、かつてボランチだっただけにユーティリティ性もある。他にも、清水の石毛秀樹と吉田豊、広島の清水航平、湘南の古林将太はいずれも若く、攻撃的なタイプ。そして、古巣だけに叱咤したいのが鹿島の西大伍。遠慮せず自分の特徴をもっとアピールしてほしい。技術は高いんだから」

 現代サッカーでは、SBは攻守において大きなカギを握るポジションになった。SBを最大限に生かせるチームが試合をコントロールし得るこの時代、SB製造工場となりつつある日本は、大きな可能性を秘めている。

【了】


現日本代表のSBについて語る名良橋である。
篤人のビルドアップ能力を高く評価しておる。
そして、味方がボールを持った瞬間に迷うことなく駆け上がる姿は鹿島時代からの特徴であった。
また、「篤人は賢くて、3つくらい先を読んでいる」と評する。
このセンスは連取だけで身に付くものではあるまい。
最後に西大伍も技術の高さを評価しておりもっと特徴をアピールすべきと語る。
この記事に上げられたどのSBとも特徴の異なる西は、それを鹿島に於いてもっと出していけば、再び代表招集もあり得るであろう。
篤人の更なる飛躍と、西の躍動を期待しておる。

体力測定実施

2013年06月08日 | Weblog
2013年06月08日(土)

9時より体力測定のため、持久走を実施しました。

キャンプに備え体力測定を行ったチームである。
持久力は如何程であったであろうか。
夏の連戦を乗り切る体力を身に付け、シーズンの最後に笑おうではないか。
期待しておる。

満男・中田コ、日本代表・遠藤ヤットにエール

2013年06月08日 | Weblog
【鹿島】小笠原&中田、日本代表・遠藤にエール
 元日本代表の小笠原と中田の両MFが、99年Wユース(現U―20W杯)でともに準優勝に貢献した日本代表MF遠藤にエールを送った。現A代表のうち、99年組は遠藤のみ。小笠原は「世界的に見ても、(30歳を超えて)チームや代表の中心でやっている人はいる。ベテランと言われるが、経験はお金で買えないもの」。中田も「昔からやっている人が頑張ってくれるのはうれしい」。チームは7日から鹿嶋市内で全体練習を再開。8日から宮崎キャンプを行う。
(2013年6月8日06時01分 スポーツ報知)

日本代表であるガンバの遠藤にエールを送る満男と中田コである。
同世代の選手が日本代表の中心にいるのは嬉しいもの。
満男と中田コ、遠藤は、1999年に開催されたワールドユースを共に戦った戦友である。
他には本山や山形の石川がおり、準優勝で旋風を巻き起こした。
U-20であった彼等もベテランと呼ばれる年代となった。
しかしながら、まだまだ衰えを知らぬ活躍を魅せる。
バルセロナの中心選手であるシャビもこのワールドユースで優勝を飾ったメンバーである。
遠藤にはコンフェデレーション杯にて日本を躍進させる働きを期待したい。
そして、満男と中田コには夏季キャンプにて身体を作り直し、中断明けからの厳しい戦いへ備えて欲しいと願う。
ベテランと一括りにせず、力のある選手としてチームに君臨するのだ。
楽しみにしておる。