【J1:第16節 新潟 vs 鹿島】レポート:勝点3を狙った両者。気持ちのぶつかり合いの結果はドロー(12.07.01)
6月30日(土) 2012 J1リーグ戦 第16節
新潟 1 - 1 鹿島 (19:03/東北電ス/35,506人)
得点者:17' ドゥトラ(鹿島)、37' ミシェウ(新潟)
新潟と鹿島は1-1で引き分けた。前半17分、鹿島がドゥトラのゴールで先制。新潟はその20分後、ミシェウが同点ゴール。後半は一進一退の攻防を繰り広げ、勝点を分け合った。
シュート数は新潟が11本、鹿島が13本、警告は新潟が2、鹿島が3。数字通りの競り合いはスコアとして表れた。
もっとも、どちらも満足はしていない。新潟の柳下正明監督は「今の新潟は勝点3を取らなければならない」と言い、鹿島のジョルジーニョ監督は「鹿島はタイトルを争わなければならないクラブ。好ましい結果ではない」。両指揮官は勝点1を素直に受け入れはしなかった。
今季のビッグスワンで最多の3万5000人超の観客が見守る中、立ち上がりから火花を散らせた。前半17分、鹿島は左サイドからの大迫勇也のパスを、中央で受けたドゥトラがミドルレンジから決める。アシストした大迫が「自然と空いた」というように、バイタルエリアにスペースを与えた新潟の隙を逃さなかった。
ただ、それは新潟にも共通していた。後半37分、右サイドを突破した村上佑介がゴール前に速いクロス。そこに走り込んだミシェウがゴールに流し込んだ。GKとセンターバックの間を突く練習は、鹿島戦に備えて積んできた形。「トレーニングしてきたことを信じていた」。ミシェウは成果が出たことを強調した。
リーグ戦が再開して3試合、新潟の戦績は1勝1分1敗とイーブン。ただ、着実にチーム力をアップさせている。セカンドボールを拾うと、前線にボールをつなぐ。受け手と出し手の呼吸が合わずに、躊躇したまま横パスやバックパスで妥協する場面は少なくなった。「縦を狙えるようにはなった。いい形を作ることができていると感じた」。本間勲は前を向いたプレーが増えたことを実感した。
「ポジショニングが良くなってきている。だから前に付けられるし、バタバタしない」。柳下監督も成長ぶりを認める。監督就任から3週間あまり。重ね続けている攻撃の精度アップは実りつつある。ただ、「もっと出し手と受け手の精度を上げないと」。
形を作り、チャンスを迎えても奪った得点は1。勝負どころで得点する力強さはまだない。順位は17位のまま。降格圏脱出のために、積み重ねの必要性を確認した一戦でもあった。
鹿島にとっても、追加点が挙げられなかったことは課題になった。ゴール前で決定的な場面を迎えながら1得点。後半途中に青木剛を投入してボランチに、柴崎岳をサイドハーフに。バランスを整えた上でスピードアップを狙ったが、ゴールには結びつかなかった。「決めるべきところで決められなかった」。大迫が言うように、チャンスを逃した結果の勝点1だった。
鹿島は再開後、2分1敗と未勝利。順位も13位。低迷打破への模索は続く。
下位からの脱出を狙って、勝点3を狙ってのぶつかり合い。その結果、手元に残った勝点1から見えたものを生かすことが、上昇に向けた最大の要因になる。
以上
2012.07.01 Reported by 斎藤慎一郎
この試合のファースト・シュートでドゥトラがゴールを決め大量得点が期待されたが、チャンスを作りながらも追加点を奪えず無念の引き分けとなった。
新潟目線としては互角の結果と捉えておるが、鹿島的には納得のいくものではない。
とはいえ、これが現実であり、持ち帰った勝ち点は1であった。
得点力に磨きをかけ、畳み掛けて戦意を喪失させる力を得ようではないか。
厳しい練習を行い、チームを昇華させたい。
リーグ戦終了時にはこの試合がターニングポイントであったと振り返られるようにしよう。
そう考えさせられる新潟戦であった。
6月30日(土) 2012 J1リーグ戦 第16節
新潟 1 - 1 鹿島 (19:03/東北電ス/35,506人)
得点者:17' ドゥトラ(鹿島)、37' ミシェウ(新潟)
新潟と鹿島は1-1で引き分けた。前半17分、鹿島がドゥトラのゴールで先制。新潟はその20分後、ミシェウが同点ゴール。後半は一進一退の攻防を繰り広げ、勝点を分け合った。
シュート数は新潟が11本、鹿島が13本、警告は新潟が2、鹿島が3。数字通りの競り合いはスコアとして表れた。
もっとも、どちらも満足はしていない。新潟の柳下正明監督は「今の新潟は勝点3を取らなければならない」と言い、鹿島のジョルジーニョ監督は「鹿島はタイトルを争わなければならないクラブ。好ましい結果ではない」。両指揮官は勝点1を素直に受け入れはしなかった。
今季のビッグスワンで最多の3万5000人超の観客が見守る中、立ち上がりから火花を散らせた。前半17分、鹿島は左サイドからの大迫勇也のパスを、中央で受けたドゥトラがミドルレンジから決める。アシストした大迫が「自然と空いた」というように、バイタルエリアにスペースを与えた新潟の隙を逃さなかった。
ただ、それは新潟にも共通していた。後半37分、右サイドを突破した村上佑介がゴール前に速いクロス。そこに走り込んだミシェウがゴールに流し込んだ。GKとセンターバックの間を突く練習は、鹿島戦に備えて積んできた形。「トレーニングしてきたことを信じていた」。ミシェウは成果が出たことを強調した。
リーグ戦が再開して3試合、新潟の戦績は1勝1分1敗とイーブン。ただ、着実にチーム力をアップさせている。セカンドボールを拾うと、前線にボールをつなぐ。受け手と出し手の呼吸が合わずに、躊躇したまま横パスやバックパスで妥協する場面は少なくなった。「縦を狙えるようにはなった。いい形を作ることができていると感じた」。本間勲は前を向いたプレーが増えたことを実感した。
「ポジショニングが良くなってきている。だから前に付けられるし、バタバタしない」。柳下監督も成長ぶりを認める。監督就任から3週間あまり。重ね続けている攻撃の精度アップは実りつつある。ただ、「もっと出し手と受け手の精度を上げないと」。
形を作り、チャンスを迎えても奪った得点は1。勝負どころで得点する力強さはまだない。順位は17位のまま。降格圏脱出のために、積み重ねの必要性を確認した一戦でもあった。
鹿島にとっても、追加点が挙げられなかったことは課題になった。ゴール前で決定的な場面を迎えながら1得点。後半途中に青木剛を投入してボランチに、柴崎岳をサイドハーフに。バランスを整えた上でスピードアップを狙ったが、ゴールには結びつかなかった。「決めるべきところで決められなかった」。大迫が言うように、チャンスを逃した結果の勝点1だった。
鹿島は再開後、2分1敗と未勝利。順位も13位。低迷打破への模索は続く。
下位からの脱出を狙って、勝点3を狙ってのぶつかり合い。その結果、手元に残った勝点1から見えたものを生かすことが、上昇に向けた最大の要因になる。
以上
2012.07.01 Reported by 斎藤慎一郎
この試合のファースト・シュートでドゥトラがゴールを決め大量得点が期待されたが、チャンスを作りながらも追加点を奪えず無念の引き分けとなった。
新潟目線としては互角の結果と捉えておるが、鹿島的には納得のいくものではない。
とはいえ、これが現実であり、持ち帰った勝ち点は1であった。
得点力に磨きをかけ、畳み掛けて戦意を喪失させる力を得ようではないか。
厳しい練習を行い、チームを昇華させたい。
リーグ戦終了時にはこの試合がターニングポイントであったと振り返られるようにしよう。
そう考えさせられる新潟戦であった。