天皇杯、来年度から年内決勝へ…「元日の風物詩」今季限り
今年の元日の天皇杯に優勝しカップを掲げる鹿島イレブン
毎年元日に行われている天皇杯の決勝戦が、来年度から11月か12月に変更される可能性が高いことが6日、分かった。日本サッカー協会とJリーグは日程改革に向けた話し合いを行っており、8日に行われる日本協会の理事会で議題に諮られる。元日まで試合が続くことでオフの取れない代表選手が続出していることが一番の要因。今年1月のアジア杯でもハード日程が問題になり、タブー抜きの改革案が議論されてきた。
半世紀近く続いてきた日本サッカーの伝統ともいえる「元日決勝」が、今季限りでその役目を終えることになる。日本協会関係者によると、天皇杯の日程を変更することでは基本合意に達しており、決勝戦を年内で行う11月か12月案を含め新たな日程などは理事会で細部を詰めることになるという。
日本協会は1月に「大会スケジュール改革プロジェクト」を発足。田嶋幸三副会長(53)を中心に、原博実強化担当技術委員長(52)やJリーグ幹部らと話し合いを重ねてきた。特に原技術委員長は「A代表のアジア杯優勝、なでしこのW杯優勝と結果が出ている時こそ、変えていかなければならない」と改革に強い意欲を示していた。
現在は12月第1週にリーグ戦が終了し、天皇杯で勝ち上がっているチームは試合が続いていた。トーナメント戦のため、負ければオフが長くなるという微妙な状況。来季の契約更新は11月末に通告されるため、戦力外になった選手はモチベーションが下がる。ほとんどの外国人選手が帰国するため、レベルの低下も指摘されていた。
さらに今年は1月上旬にアジア杯が開幕。昨年12月下旬から代表合宿を行ったが、天皇杯で勝ち進んでいるチームの選手は呼べなかった。アジア杯は次回15年大会(オーストラリア)も1月開催を予定。原技術委員長は「結果的に優勝したからいいというわけにはいかない。同じ過ちを2度繰り返してはいけない」と話していた。
プロジェクトでは欧州と同じリーグ戦の8~9月開幕→5月閉幕という「春秋制」の導入も議論されたが札幌、山形、新潟という豪雪地帯の練習や試合開催に難点があり見送られた。「タブー抜きで改革する」という目的で始まった取り組みは、代表強化にも大きなプラスになるはずだ。
◆天皇杯 1921年から始まった日本最古のカップ戦。現在はJリーグ、ナビスコ杯と並び日本3大タイトルとなっている。当初は観客動員に苦労していたが、明治神宮の初詣客を取り込もうと68年度から決勝戦は元日に国立競技場で開催。93年のJリーグ開幕前でも毎年満員になるなど、年末年始の高校サッカーや箱根駅伝と並ぶ正月の風物詩として定着した。J1、J2のほか都道府県予選を勝ち上がったチームがトーナメント方式で対戦。今年度は今月3日に1回戦が開催された。
(2011年9月7日06時01分 スポーツ報知)
来季より天皇杯の日程が見直されるとのこと。
これは寂しい。
元日に日本一を争う決勝戦は日本サッカー界の風物詩であった。
この決勝戦を目指し、長いトーナメントを勝ち上がって行く行程こそが、サッカー界に身を置く者の憧れであったと言えよう。
とはいえ、昨季のように、準々決勝の前に中断期間があってはチームのモチベーションを維持することは難しいことは紛れも無い事実である。
クラブW杯が12月に組まれるようになり、年末のスケジュールと勝ち上がったチームの状態維持が難しくなったことがこの決断に影響を与えておろう。
来季以降の新たなスケジュールは追って決定されるであろう。
鹿島としては、最後の元日王者を目指し、連覇に向けてモチベーションを上げて行くこととなる。
気合を入れて大会に挑みたい。