ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「ドリアン・グレイの肖像」

2015-10-22 23:30:06 | 芝居
9月2日新国立劇場中劇場で、オスカー・ワイルド作「ドリアン・グレイの肖像」をみた(脚本:G2、演出:グレン・ウォルフォード)。   

全2幕。
「いつまでも若さを失わずにいるのが僕で、老い衰えていくのがこの絵だったなら…」美貌の青年ドリアン・グレイが自らの肖像画に嫉妬した
その時から、運命の歯車が狂い出す…。若さとは?美しさとは?生命とは?人類永遠のテーマを問う究極の物語。オスカー・ワイルドの最高
傑作完全舞台化!!(チラシより)

冒頭、ドリアン(中山優馬)はチェンバロを弾いている。
肖像画は巨大!新国立劇場の舞台中央の3分の1ほどを占めていて度肝を抜かれる(最初は白い布がかかっている)。

貴族の青年ドリアンは、快楽主義者ヘンリー卿(徳山秀典)と出会って強い感化を受け、冒険心に駆られて下町をさまよい、薄汚い芝居小屋で、貧しい
が若くて美しい女優シビル(舞羽美海)を見て夢中になる。その劇場は毎晩シェイクスピアを上演しており、彼は夜な夜なそこに通うようになる。
住む世界が全く違う二人だが接点は演劇、つまり芸術だ。ある晩彼は楽屋を訪ねると、なぜかそこにチェンバロがあり(笑)、彼はそれを弾きつつ
彼女への思いを歌う(もちろんこんなシーンは原作にはない)。
だが彼への愛に目覚めたシビルは、芝居の中での虚構のロマンスに全く気が乗らなくなり、今までとは別人のようにつまらない芝居をするようになる。
友人たちを連れて見に来たドリアンは、落胆のあまり彼女に別れを告げる。彼は彼女の美しさだけでなく、その役者としての才能に惚れ込んでいたのだ。彼女はショックのあまり、その晩自殺する。その夜彼は帰宅すると、自分の肖像画の口元に残忍な表情が浮かんでいるのに気がつく…。

絵を隠す時、彼が手を挙げて合図すると巨大な幕が降りて来る。
1幕ラスト、チェンバロで冒頭の曲を弾き終えると、絵の口元がまるでバンパイヤのように血まみれになっている。

シビル役の舞羽美海(まいはねみみ)が好演。

この機会に原作を読む気にさせてくれて感謝に堪えないが、読了はできなかった。すんなりと読める本ではないが、鋭い警句や逆説が時々現れて
ドキッとさせられ、ワイルド独特の世界観が興味深い。
劇中劇のシーンは芝居好きにはたまらない。しかも全部シェイクスピア!だが、もう少しリアルな芝居にしてもいいかと思った。
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