ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

ボンド作「男たちの中で」

2020-12-03 10:37:35 | 芝居
10月25日、座・高円寺で、エドワード・ボンド作「男たちの中で」を見た(演出:佐藤信)。

父親と息子と敵対企業の、権力をめぐるスリリングな応酬。世界を支配しようとする駆け引き。緊張と滑稽、絶望・・。シェイクスピアの国イギリスの
劇詩人エドワード・ボンドの戯曲は、長大なセリフに仕組んだトラップで私たちに考えよ、と迫ってくる(チラシより)。
銃器製造・販売の老舗企業オーナー、オールドフィールド(大森博史)には養子レナード(松田慎也)がいる。レナードは父の会社の取締役会に入れてほしい、と
父に頼むが、時期尚早と断られる。敵対企業の経営者ハモンド(小須田康人)は、オールドフィールドの会社を乗っ取ろうと画策している。
中小企業の跡取り息子ウィリー(河合龍之介)はそれに加担する。さらにオールドフィールドの秘書ドッズ(服部吉次)は主人から全幅の信頼を得ていながら
裏ではハモンドと結託している。使用人バートレイ(山口賢人)も素性不明で怪しい。

騙し騙され、味方と信じていた男が実は敵と通じていたり、意外な展開が続く。
だが、とにかくセリフが長い。
作者は劇詩人と言われているそうで、確かに詩的な美しさはあるが、シーンによっては非常にくどい。
ウィリーがすねて見せるシーンなど、しつこ過ぎる。

ラスト、主人公はなぜ自殺しようとするのか、その肝心なところが分からない。それではお手上げだ。
人間関係の変化など面白いところもあるが(そして役者たちの演技は達者なものだが)。
この戯曲があまり上演されないのも不思議ではない。

役者では、やはり大森博史と小須田康人が際立って見応えがあった。



コメント
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