ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

井上ひさし作「きらめく星座」

2014-10-14 17:18:40 | 芝居
9月9日紀伊國屋サザンシアターで、井上ひさし作「きらめく星座」をみた(演出:栗山民也)。

時は太平洋戦争前夜、昭和15年から16年。東京、浅草のレコード屋オデオン堂の家族と広告文案家(つまりコピーライター)の
下宿人は皆、音楽大好き。しかもそれは「仮想敵国のジャズ」であったり「軟弱な流行歌」であったり…。更に陸軍に入隊していた
長男(田代万里生)が脱走、追ってきたのは憲兵伍長。オデオン堂は非国民の家と噂されてしまう。
だが可憐な一人娘(深谷美歩)が結婚相手に選んだのは傷病兵(山西惇)。非国民家族から一転、美談の家となったオデオン堂で
繰り広げられる、好きなものが好きと言えなかった時代の彼らの運命は…。

かつて木村光一演出版を見たことがあるが、今回配役も変わった。

長男正一役の田代万里生は、ミュージカル畑の人だから当然だが歌がうまい。彼は、これがストレートプレイ初出演の由。
長女みさをの夫ゲンさん役の山西惇はこの役にぴったり。「木の上の兵隊」での古参兵役もそうだったが、旧日本軍人を演じてこの人ほど
サマになる人はいない。

後妻役の秋山菜津子はずば抜けた演技力の持ち主で、今まで何度も楽しませてもらってきたが、歌を歌ったところはあまり記憶になく、
始めは、この人歌もうまい、と思ったが、声が割れそうになることがあり、声質も特にいいわけではなくて残念。でも勿論演技は抜群。
脱走兵を追って来て家の中を探し回る憲兵に、二階への階段を指し、「私がご案内します」とか言うだけのシーンなのに、その仕草の
色っぽいこと。荒々しい憲兵が思わずひるむのがおかしい。結局彼は二人っきりで二階に上がるのが不安になり、誰かもう一人に一緒に
来てもらうのだった。




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