ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「ルサルカ」

2012-01-17 21:51:44 | オペラ
12月6日新国立劇場オペラパレスで、A.ドヴォルザーク作曲のオペラ「ルサルカ」をみた(東京フィル、演出:ポール・カラン)。
チェコ語上演。

冒頭、満天の星の下の可愛い家。上階らしき小部屋の窓のそばのベッドに白服の乙女が座って窓の外を見つめている。
父親らしき男が階段を上がってきておでこにキスし、また下りてゆく。娘は大きな鏡(のつもりの木枠)の前に立つ。
そこに映るのは別の女性。
場面は変わり、家全体が舞台下に沈み、満天の星も上に消える。水面(みなも)が揺れる湖底の世界。ベッドが
たくさん並び、少女たちが歌い、飛び回る。

ヴォドニク(水の精)の娘ルサルカは人間の王子に恋をし、魔法使いイェジババに頼んで美しい声と引き換えに
人間の姿に変えてもらう。ルサルカと王子は結ばれるが、やがて王子は外国の公女に心を移す。怒った水の精は
王子を呪いにかける。魔法使いはルサルカに、王子の命を奪えば元の姿に戻れると言うが、彼女は拒絶。王子は
自分の罪に気づきルサルカに許しを乞う。彼女は自分が口づけすれば命はないと告げるが、王子は安らぎを求めて
口づけを懇願、彼女は彼に死の接吻をする。

ヒロインが魔法使いイェジババを呼ぶと、それまで舞台上方にかかっていたオレンジ色の大きな月が何とこちらに
降りて来る!その辺りからイェジババ登場。

夢が叶って花嫁となったルサルカに王子がキスしようとすると、彼女は二度も避ける。そこに美しい外国の公女が登場。
王子は自然と公女の方に惹かれてゆく・・。
ルサルカ「私は冷たい水から生まれた。私には情熱が足りないの」「私は半分だけ人間なの」
彼女は肉体的には人間だが、心までは人間になり切れておらず、それゆえ王子と肉体的に結ばれることがどうしても
できないということか。ウーム・・なかなか難しい。
このように、アンデルセンの「人魚姫」によく似た話だが、この点が違う。

幻想的な舞台が美しい。

水の世界に戻ったルサルカだが、姉妹たちの輪には入れてもらえず、死ぬこともできず、孤独に苦しむ。

イェジババ(ビルギット・レンメルト)が彼女に、これで王子の命を奪うようにとナイフを渡して去るシーンが
メチャかっこいい。舞台中央に人一人が奈落に下れる部分あり。そこに立って片手を高く上げ、決然と歌いながら沈んでゆく。
王子役のペーター・ベルガーは声量があり、声もいい。

音楽は美しいが、少し迫力に欠ける。もっと印象に残る曲があったらいいのに、残念だ。

コメント
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