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 年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

皐月晴上野朝風10

2008年11月19日 | 福神漬
皐月晴上野朝風10
明治23年5月23日読売新聞
音羽屋の参詣
新富座の役者一同が彰義隊の墓へ参詣するよしは既に本誌に記事にしたが同座も急に昨日(22日)より開場することとなったが一同打ち揃って参詣できなかったので、(五代目尾上)菊五郎は一昨日に竹柴其水氏(原作者)を誘い自分が演じる天野八郎(彰義隊の隊長)の墓に参詣したという。天野氏の墓は千住小塚原にある回向院の下屋敷にあり、建立以来18年の星霜を経たものでこれを修繕する者がなく既に大破しているのでこの際菊五郎はその大修繕をするという。また菊五郎はその帰途三ノ輪町にある円通寺へ赴き彰義隊戦死者540名の墓へも参詣したと言う。天野八郎氏は上野戦争後即ち慶應4年7月大川端多田の薬師際にある炭屋文次郎方に潜伏しているところを召し取られ、西の丸下旧会津邸の糾問所へ引かれ直ちに揚屋入りを命ぜられ、同年9月大名小路元御役宅本多邸なる糾問所の揚屋へ移されたが、たまたま病を発し同年11月8日の夜に亡くなった。よってその翌日、前に書いた回向院下屋敷へ葬ることなり、この際湯島天神下の町人小川暮太郎なるもが乞うて遺体を納めて墓標を立ておいた。明治6年に至り元彰義隊組頭秋元寅雄氏等が発起となって今の場所に埋葬したと言う。

莚升(えんしょう)連の総見物
同連は熱心に左団次を崇拝するものであるが、今回同人が新富座の座頭となったので来月2日一同晴れ晴れしく同座を見物すると言う。この日は同連において高平土間40間を買いきり左団次万歳、新富座万歳とおのおの3回づつ声をかける趣向である。

新富座の大安売り
演劇通とて自任している都新聞社の諸氏は昨日新富座を買いきってその総見物をしたという。名に負う新富座のことならば定めし莫大な散財となると思ったらその貸しきり料はわずか百五十円という。

同日下段の新富座の広告。
初日 新聞買いきり
二日目 半値
三日目 惣幕出揃い
上等桟敷  一間につき金5円 上等平土間 一間につき金3円 正面桟敷 同金3円
上等高土間同金2円 中等平土間同金2円 大入場御一名金20銭

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