『取り替え子』『憂い顔の童子』に続く大江健三郎さん後期三部作の最後の作品「さようなら、私の本よ!」を読み終えました。
昨年4月16日の日記に、読み始めようと書いていますので、かれこれ1年がかりの読了です。
題名の「さようなら、私の本よ!」は作中では、「さよなら、私のAマイナスαよ!」と出てきます。
前後を読むと分かるのですが、死ぬまで作品を書き続けるなら、今ある作品の現有量はAで、今書いていることがαになる、とのようです。
強引に楽観的に捉えると、「死ぬまで成長」と言うことでしょうか。
この部分に私が大江さんの作品を好む理由が二つ凝縮されています。
一つは、大江さんの作品は明るいとは言いかねますが、そこには「かすかな希望」を見出せます。「さよなら、私のAマイナスαよ!」の言葉から「人生は今日が始まり」を思い出しました。もちろん、このかすかな希望は村上龍さんをはじめほかの作家にも共通することでしょうが。
それともう一つ、このような難解な文章を読み解くのが面白い。「さようなら私の本よ」と言われても何のことか分かりませんが、ここまで読み進んで、文の前後を斟酌して、やっと分かります。前にも言いましたが、この読み解く作業がパズルを解くようで楽しいのです。随所にこんなパズルが出てきます。
大江健三郎賞なる文学賞が出来たようで、次ぎはその受賞作を読みましょうか。
これから先は宣伝です。
「元新聞記者が明かす 小さな会社 マスコミデビューの法則」(竹林館、岡田 光司著、1500円 ISBN4-86000-104-4 C2034 ¥1429E)、勝山通り・大山書店で絶賛発売中。
造花のことなら、大阪で80年以上の歴史を誇る造花輸入問屋の(有)ニューホンコン造花へ。卸専門です。装飾造花、ギフト造花から菊、百合、樒(シキビ、しきみ)、榊(サカキ)など仏花、神様用造花まで扱っています。
(有)ニューホンコン造花のホームページです。
http://www15.ocn.ne.jp/~nhkf/
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一つは、大江さんの作品は明るいとは言いかねますが、そこには「かすかな希望」を見出せます。「さよなら、私のAマイナスαよ!」の言葉から「人生は今日が始まり」を思い出しました。もちろん、このかすかな希望は村上龍さんをはじめほかの作家にも共通することでしょうが。
それともう一つ、このような難解な文章を読み解くのが面白い。「さようなら私の本よ」と言われても何のことか分かりませんが、ここまで読み進んで、文の前後を斟酌して、やっと分かります。前にも言いましたが、この読み解く作業がパズルを解くようで楽しいのです。随所にこんなパズルが出てきます。
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