山形の森 保守醒論

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純粋で未成熟な狂気の世界、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」

2008-06-03 18:34:32 | Weblog
若松孝二 監督の「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を観た。 一言で言って、非常に見応えのある作品だった。
無垢な若者達が共産主義思想の純化スパイラルに陥り、狂気の世界へと歩んで行く様が検めて感じ取れた。
若松は制作にあたり、「モノを表現するっていうことは、国家とか権力側から表現しちゃいけない。タブーなんだよ。」と述べ、原田真人監督の「突撃せよ!「あさま山荘」事件」作品などを批判して、本制作の切っ掛けとしているようだが、その考えには与しない。
国家権力云々の視点論ではなく、若松個人の人間関係から取材で得た実証素材を駆使した秀作ドキュメントと、あくまでも外側に対して“内側(連合赤軍)からの描写”のドキュメンタリー映画として“実に良い映画だった”と内外視点論で言いたい。
共産主義化(国家→世界)を達成する一里塚としての、資本主義国家打倒のための「世界革命戦争宣言」の論理をかざすなかで、“平等主義”のレールの行く末には非人間性が見えてくる。
永田洋子が遠山美枝子に「女を捨てていない」とする「女性性否定」の視線の奥には、永田の遠山への美形嫉妬もあるが、革命戦士には男女間の性差は要らないとする「(平等・共産)マルクス主義思想」が根底にある。
総括と称するリンチにも“平等の名の非人間性(?無私な個人の追求)”までも希求する、狂信世界に踏み込んだ「共産主義思想」の究極を見せられた思いがする。
純朴な青年達が、なぜこのような狂気の道に踏み込んでしまったのか。
それは、(平等こそ平和の基本とする)共産主義世界を(幻想)理想天国に描き誘導した進歩的文化人と、煽動したマスコミの蒙昧共産主義信奉者の責任は極めて大きいと断言する。
本映画のオリジナルガイドブック「若松孝二 実録・連合赤軍」が朝日新聞社刊とは実に笑止な皮肉(ブラックジョーク)である。
倒れた革命戦士と一連の革命騒擾事件に晒された国民の前で、最も自己批判・総括をしなければならないのは革命詐欺紙・朝日新聞社であろうに。
若松の次回作は「山口二矢を撮る」だそうな。またまた期待したい。

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