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とつぜんコラム№105 そろそろ首相のつまみ食いはやめよう

 菅内閣が発足した。民主党政権2番目の内閣だ。期待を持って見守りたい。菅直人さんは、あの市川房江さんの薫陶を受けているはずだし、市民運動出身者で世襲議員でもない。55年以降で、村山富市氏いらい二人目の自民党に所属したことがない首相だ。村山首相は、自民党が政権欲しさにむりやり首相にまつりあげたわけで、選挙で与党第1党となった政党の首相としては、初の自民党の空気を吸ったことのない首相だ。
 前首相の鳩山さんはいっていることは間違っていなかった。普天間基地問題にしても、最初は本気で「県外国外」を考えていたのだろう。ところがいざ実行に移そうとなると、非常に困難なことが判った。特にアメリカが頑迷であった。この問題で非難は鳩山さんに集中したが、本来はアメリカを非難すべきだ。日米合意の実行を強要するばかりで、他の案を検討するそぶりも見せなかった。
 日本は民主主義の国である。政策は国民の意志によって決められる。その国民が政権交代を選択して民主党に政策を委ねたのである。当然、外交防衛も自民党時代とは違う。だから、旧政権と合意したことでも見直しを要求してくれば、検討するべきだ。日本国民が、普天間基地の移設先は沖縄県外日本国外との意志表示をしたのである。だからこそ自民党ではなく民主党を選んだのだ。アメリカは政権交代が可能な民主国家を相手にしているのである。それが嫌なら長期独裁国家を相手にすべきだ。それならば、国の意志はずっと変らない。
 鳩山さんが首相を辞したもう一つの要員「政治と金」にしても、保護者の小沢一郎はともかく、鳩山さん自身は母からお金をもらったのである。企業からもらったのではない。ただ手続きが不適切ではあったが。それがマスコミがよってたかって鳩山はあかん。発言にぶれがある。さんざん支持率を下げている。まるで試用期間をすぎてないのにクビにしたようなものだ。確かに頼りないところもあった。しかし、みんなでサポートすればどうにかなったかもしれない。普天間基地の問題にしても、国民がこぞって「県外国外」との断固たる意志を示し、場合によっては日米安保廃棄もありうるぞとの覚悟を持って、鳩山さんを応援すればアメリカも考えたかも知れない。
 ともかく、民主党政権は続く。ここはひとつ、「国民が政府を育てる」との意識を持つことが肝要である。民主党政権は生まれたばかり。よちよち歩きの幼児と同じ。何十年も与党をやっていた自民党と比べるのは適当ではない。ここは腰を据えて菅首相を見守っていきたい。もういいかげん首相のつまみ食いはやめよう。ここ数年、次々と首相を食い散らかしてきた。菅首相はつまみ食いされないように、しっかりと国民に信を得るために、キリの良い、できるだけ近いうちに解散総選挙を実施してもらいたい。
 最後に自民党にもエールを贈る。自民党はしっかりした野党に育ってもらいたい。自民党は大企業、経営者の味方をしてもらわなければ困る。これは皮肉やイヤミでいっているのではない。国が円滑に回るためには大企業、経営者も元気でなければならない。彼らの味方ができるのは自民党だけである。自民党も自民党として存在してもらわなくてはいけない。

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