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マッドマックス2


監督 ジョージ・ミラー
出演 メル・ギブスン、ブルース・スペンス、ケル・ニルソン

 アクション映画のシナリオは2種類ある。まず設定ありき。まずアクションありき。こういう設定だから必然的にこういうアクションになる。こういうアクションを描きたいからこういう設定にする。この映画は典型的な後者ではないか。荒野を舞台に思いっきりカーアクションをくりひろげたい。この目的は充分に達せられた。小生、この手の理屈抜きのアクション映画が大好きだから、この映画は大満足である。実は、封切り時、映画館で観ている。その時は物理的な圧迫感を感じるほどの、緊迫感と爽快感を味わった。映画が終った瞬間、どっと疲れて、席を立った時、少し足がふらついたほどだった。この映画のアクションシーンはそれほど凄かった。今回DVDで自宅のモニターで観たわけだが、さすがに映画館で最初に観た時ほどの衝撃はなかったが、やはりこの映画のアクションは一級品だ。
 大戦争が勃発した。石油が極端に不足。文明は崩壊。石油は貴重品。こういう設定の世界。マックスは愛車インターセプターに乗って荒野をさまよう。ジャイロコプターのパイロット、ジャイロ・キャプテンと知り合い、集落があり、そこでは石油を採取して精製もしていることを教わる。
 集落は石油を狙う凶悪な暴走族に襲撃される。集落の人々はこの地を離れ3200キロ離れた「楽園」に移住したがっている。そのため貯蓄している石油をタンクローリーで運搬する必要がある。マックスは集落のリーダー、パッパガーロにタンクローリーの運転を頼まれる。一度は断って集落を出たマックスは族に教われインターセプターを失い集落に戻り、タンクローリーの運転を引き受ける。
 マックスの運転する巨大なタンクローリーに、ヒューマンガスを頭目とする暴走族が襲いかかる。
 このヒューマンガスを始めとする族どものファッションは、後のエンターティメントに多大な影響を与えた。漫画「北斗の拳」プロレスのギミック(ロードウォリアーズなんか)、パンクロックの化粧や衣装。今となっては滑稽と観るムキもいるが、小生はヒールの一つの典型を作ったと評価する。
 ともかく、理屈はいらん、ただただ純粋にアクションを楽しみたい人には2重丸でお勧め。カーアクションは単調で嫌いだ、という人は観ない方がいいかも。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (はてな)
2010-03-29 23:02:49
マッドマックス・シリーズの中では、独特の世界観を持っているという点で最も際立っている作品だと思います。
近未来という設定が「北斗の拳」の世界を醸し出していますが、シリーズの続編としてのつながりはほとんど感じられないので、単体作品として楽しむべき作品でしょう。
ストーリー的には前作のほうが良く出来ているのでしょうが、本作のほうがお気に入りだという人のほうが多いのではないかと思います。
これに続く3作目はあまりにも残念な出来でしたね。(やめときゃ良かったのに…)
 
 
 
はてなさん (雫石鉄也)
2010-03-30 09:10:55
私もマッドマックス・シリーズでこの第2作が一番好きです。おっしゃるとおり、これはこれで単独の作品ですね。
ただ、

>近未来という設定が「北斗の拳」の世界を醸し出していますが

とおっしゃっていますが、この映画は1981年、「北斗の拳」は1983年。マッドマックスの方が先です。
ですから正確には
「『北斗の拳』がマッドマックスの世界を醸し出している」といった方が正鵠を射ていると私は思うのですが。
私は、むしろ永井豪の「バイオレンス・ジャック」が気になります。「バイオレンス・ジャック」は1973年。この映画よりも先ですね。「北斗」「マッド」は核戦争後、「バイオ」は地震、と「世界」が荒野になった原因は違いますが、作品のコンセプトはこの3作品は同じではないでしょうか。
 
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