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トラキチ酒場せんべろ屋 第38回


「おう、雫石さん、きょうはどないしたんや」
「SFの仲間と六甲アイランドの神戸ゆかりの美術館の手塚治虫展に行ってたわ」
「ふーん、それから」
「六甲アイランドの百番で飲んでたわ」
「手塚展、どやった」
「う~む。学芸員の力量の差がよう判ったわ」
「なにとや」
「こないだ見た、『追悼 水木しげる ゲゲゲの人生展』と比べてや』
「どないやねん」
「水木しげる展は工夫をこらしてあって、水木さんのすごさ、魅力が立体的に表現されていた」
「手塚展は」
「年代順に手塚さんの原画を並べただけや。あれやったらわざわざ手塚展にいかいでも、あないなもんやったら宝塚の手塚治虫記念館にいったらいつでも見れる」
「ふーん」
「それに、新しい発見がなかった。ワシの知っとる手塚治虫ばっかりやった」
「新しい発見がないとあかんな」
「そや。いつぞや姫路で見た『桂米朝展』は新しい発見があったで」
「桂米朝といえば先週のNHKの上方落語の会見たか」
「見た。桂米團治師匠やろ。米團治師匠、風格が出てきたな。それに桂米朝師匠が、この時米團治師匠がやった『質屋芝居』をやったことがないとは意外やったな」
「そしたら米團治師匠、だれのを参考にしたんや」
「6代目笑福亭松鶴師匠のやて。松鶴師匠が京都でこの『質屋芝居』をやったとき、下座の掛け声は桂米朝師匠がやったんやて」
「ふ~ん。その話のほうがおもろいな」
「ところで阪神勝ったんか」
「勝ったで。伊藤隼太の逆転スリーランや」
「伊藤隼太、代打の神様襲名やな」 
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イサキの黒ゴマ焼き

 
 神戸市営地下鉄海岸線中央市場前のイオン。こんなことをいいましたが、切り身でない丸ごとの魚1匹売ってました。中央市場直結というだけに、なかなかよい魚がありました。イサキのいいのがありましたから、2匹求めました。さばきましょうかと店の人はいってましたが、自分でさばくからいいといって、そのまま買って帰りました。水産学科出身の私は、フグとアンコウ、ハモ、アナゴ、ウナギといった長い魚以外の、たいていの魚は自分でさばきます。
 イサキは磯の魚で、少し磯臭さがありますが、今が旬のおいしい魚です。イサキをまな板の上に乗せて、愛用の菊秀の出刃(私の包丁はメインの牛刀は有次ですが出刃は菊秀です)を握って考えます。さて、どう料理しようか。
 まず、ヒレをハサミで切り落とします。イサキやタイのヒレと骨はたいへんに硬く鋭いです。手を突くとケガをします。だから私はこれらの魚をさばくときは、最初にヒレを切り落とします。飾りにヒレを残しておきたい時は、そのままにして調理します。
 ウロコを取ります。ボリバリボリバリ。ウロコが飛び散るので流しの中でしましょう。さて、包丁を入れます。熟練の料理人は魚に包丁をいれる数が少ないです。道場六三郎が「料理の鉄人」でタイに包丁を入れているのを見たことがあります。スッスッスッとよどみなく最低限の包丁でタイを切り身にしてました。私は素人なので、ゴリゴリと何度も包丁を入れます。
 さて、イサキの切り身ができました。焼き物にしましょう。まず、切り身を酒と醬油で下味を付けます。卵白を溶いたものにくぐらせ、黒ゴマをまぶします。たっぷりとまぶしましょう。これをフライパンで焼きます。イサキの黒ゴマ焼きです。イサキは煮魚にしてもおいしいですが、焼き魚にしてもうまいのです。旬の魚はいかように料理してもおいしいです。
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