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とつぜんコラム №190 そんなに機械を信用していいのかな

小生は、会社の高圧ガス関係の責任者である。もちろん高圧ガス関係の資格は持っている。
 LPGの貯蔵庫、液化酸素と液化炭酸ガスのCEタンクの、日々の点検とメンテナンス、データの記録、タンクローリーでの配送以来などガス関係の仕事も小生の仕事だ。
 高圧ガスの仕事で一番気をつけなければいけないのは、もちろんガスもれである。ガスもれからガス爆発となると、周辺住民を巻き込んで大惨事だ。
 小生が見ている三つのガスのうちで一番気をつけなくてはいけないのはLPGだ。もちろん、LPGの貯蔵庫には据え置き式のガスもれ探知器を設置している。毎日、石鹸水をバブル、フランジ部分に吹き付けて泡を見ている。
 もう、だいぶん前のことだ。LPGの朝の点検をしていた。なんだか臭う。と、いうか臭うような気がする。LPGガスの臭いのようだ。据え置き式のガスもれ探知器はだまっている。手持ちのハンディ探知器をかざしてみたが反応なし。ひととおり石鹸水を吹いて見た。フランジの下のほうの取り付けナットに影にかくれた部分から、ごく小さな泡が出ている。探知器で感知できないほどの、ごく微量のガスもれを起こしていたのだ。業者を呼んで、フランジとパッキンの交換工事をしてもらった。機械は気がついてないガスもれを小生の鼻は感知していたのだ。
 東大阪あたりの中小企業のおっちゃんで、ほとんど計測器を使わず旋盤やボール盤を使って精密な金属加工するおっちゃんがいる。なんぶんの1ミリ単位の加工である。出来上がってノギスなりマイクロメーターを当ててみると、どんぴしゃ図面の通り。
 鉄板のひずみ取りという作業がある。鉄を溶接で加工すると、鉄は熱でひずんでいる。造船のような大きな仕事の場合、ひずみをそのまましておくと、最終的におおきなゆがみになって、いびつな形の船になる。だから船にくみ上げる前に、パーツの鉄板のひずみを取らなければならない。おじさんが左手に水のノズル右手に加熱器を持って、加熱して、水で冷す、この作業を繰り返して鉄板のひずみを取る。おじさんたちは、この作業をしている時は、いちいち計測器なんか使わない。カンである。
 手塚治虫はフリーハンドで、コンパスで描いたのと同じような円を書いてそうだ。
 ことほど左様に、人間の感覚というモノは捨てたもんではない。小生はいまは運転をしてないが、四十年の運転歴で、事故は一度もない。健康なドライバーが、基本に忠実、まじめにまっとうに運転しておればめったに事故は起きない。
 最近は自動運転の研究が盛んだ。遠くない将来、人間が運転しなくても車が自動的に目的地まで連れて行ってくれる、完全自動運転の車ができるだろう。
 また、いまどき、人は、ものごとを覚えることさえ機械任せ。それも端末に覚えさせればいい方で、クラウドたらゆう、わけのわからん所に大切なことをおぼえさせている。
 はたして、こんなに機械を信用していいものだろうか。もし、小生が完全自動運転の車に乗ったとしてら、おそろしくて乗っていられないだろう。クラウドに不具合があれば、ん十年かかって書いてきた大長編小説の原稿がパーになるぞ。
 アメリカのイージス艦が貨物船と衝突したことがあった。イージス艦といえば、最新鋭のレーダーや各種探知装置を備えている船だろう。そんな船がなぜ衝突事故を起こす。そのイージス艦は、人間が立って肉眼で見張っていたのだろうか。なぜレーダーに映らなかったのか。もし昔ながらの人間が双眼鏡で見張っていれば防げた事故かもしれない。
 機械を全面的に信用するのは考え物である。
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トラキチ酒場せんべろ屋 第39回

「お、大将、ビールや」
「おや、大将、そのべっぴんはだれや」
「え、大原千鶴さん
「その大原さんが、なんで、せんべろ屋なんかにおるねん」
「大将の知り合いやて。ほんまかいな。え、きょうのアテはみんな大原さんがつくってくれるって
「こりゃ、ええ晩にきたわ」
「ところで岩貞、今シーズンはもうあかんで」
「そやな。去年は良かったんやけどな」
「先発が足らんな」
「そや。藤浪にはよ戻ってきてもらわな」
「小野を戻さなあかんわ」
「ワシもそない思う。小野、打線の援護さえあったら勝てるねんから」
「岩崎を先発にもどすのはどや」
「う~ん。どうかな」
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