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ラストスタンド


監督 キム・ジウン
出演 アーノルド・シュワルツネッガー、エドゥアルド・ノリエガ

 ひさしぶりのシュワちゃん映画である。それも「コマンドー」以来の、理屈抜き痛快アクション活劇。とはいいつつも、シュワちゃん、知事閣下やったりして、ずいぶんブランクがあったし、なんといっても還暦をだいぶん越した御老体。だいじょうぶかいなと思って観た。心配無用であった。確かに年とって「コマンドー」や「プレデター」みたいな、むちゃくちゃ荒唐無稽なアクションは見れなかったが、年とったら年とったなりの立ち回りをして楽しませてくれた。
 このようなアクション映画は、いかにアクションを見せる設定を作るかが大切。映画が始ってから終わるまで、ただひたすら、撃ち合い、どつきあい、斬り合いを延々と見せるだけでは、いかなアクション好きでも飽きてしまう。その点、この映画は大変にうまい設定であった。
 麻薬組織のボス、コルテスが脱走した。1000馬力時速400キロという化け物みたいな車で逃走。しかも、こやつ元レーサーで抜群のドライビングテクニックの持ち主。助手席には人質の女性捜査官。国境を越えてメキシコへ逃げるつもり。国境の町ソマートンへ向かっている。
 ソマートンの保安官レイは年配の元ロス市警の麻薬捜査官。今は平和な町でのんびり保安官をやっている。部下は若い男ジェニー、中年のフィギー、若い女性サラ。みんなあんまり荒ごとには向いてなさそう。
 このソマートンにコルテスの手下どもがやってくる。ジェニーは殺される。コルテスは町を通らせろと要求。保安官レイは拒否。戦う決意をする。かくしてレイは、生き残った女性と中年の副保安官、加勢を申し出た囚人フランク、古い武器の収集家ルイスの5人で戦う。町長たち町の人はお祭りで外へ出てる。カフェに集う年寄りだけが町にいる。レイたち5人はコルテスの大勢の部下たちを迎え撃つことができるのか。
 宿場町に陣取った少数の手勢で、大勢の敵を迎え撃つ。これはもう、アクション映画の王道である。西部劇では「リオ・ブラボー」「荒野の7人」時代劇では「十三人の刺客」「のぼうの城」もそうだな。それに、なんといっても黒澤の「七人の侍」もこのパターンだろう。この映画もその王道のアクションをたのしませてくれる。よかったのは保安官レイとシュワちゃんは、ほぼ同じような年齢ということ。レイが「トシだ」と嘆きながら銃撃戦を繰り広げる。
 カーチェイス、銃撃戦、そして最後は素手のどつきあい。アクション映画のいろんな要素が楽しめる。そして、やっぱりこの映画、西部劇だったんだ。西部劇ファンの小生としては大満足であった。ラスト、コルテスをお縄にしたレイが、大破した車で縄でひっぱってコルテスを連行するところなんか、西部劇でおたずね者を馬でひっぱってくるシーンだな。

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