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4月12日(土)その2 「ハレの日」は終わった。

 ほっとした。これが正直な印象。とりあえず、金本も新井も2000本、1000本目を打った。これで「ハレ」の日は終わった。これからは「ケ」の日を心置きなく過ごせる。「ケ」の日の金本、新井なら充分頼りになる、阪神優勝や。
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4月12日(土) ソース焼きソバ


 小生、関西人につき、粉もんが好き。お好み焼き、たこやきは大好きで、自分でも作るし、外でもよく食べる。縁日やイベントで屋台が出ていると、ま、たいてい買って食う。
 そういうワケだから、若いころはお好み焼き屋で、よく昼めしを食った。今も貧乏だが、若いころはもっと貧乏だった。上等の気取った店には行かない/行けない。小生らが行ったのは、安く庶民的な店。こういう店は、旨ければめちゃくちゃ旨いが、不味ければとんでもなく不味い。店の見極めが大切である。
とはいうものの、若いころはしょっちゅうハラをすかしていたから、何を食っても旨かった。だから、あのころ行った店が、旨い店だったか不味い店だったか、よく憶えていない。
 大通りから、ふた筋入った路地。松山容子のボンカレーや大村昆のオロナミンCのホウロウの看板が壁面に張ってある。店の前には醤油で煮しめたようなノレンがかかっている。中に入る。奥にいるおばちゃんが「いらっしゃい」といって出てくる。豹ガラの服のおばちゃん。
 肩にピップエレキバンを張った、おばちゃんで、「なにしまひょ」といって、アザヒビールとロゴの入ったコップに、冷水器から水をくんで前に置く。少しサロンパスの匂いがする。
「やきそば」小生は面倒くさそうに注文する。おばちゃんも面倒くさそうに注文を受ける。
 壁には吉本新喜劇の中堅どころの役者のサイン色紙と、あか抜けない笑顔のねえちゃんのアサヒビールのポスター。あ、あと2枚ほど色紙がはってある。1枚は阪神タイガースの敗戦処理専門のピッチャーのもの。もう一枚はよく名前を知らない演歌歌手のもの。いずれの色紙も日付と「××さん江」と書いてある。どの色紙もタバコの煙でいぶされて薄茶色。
 やきそばが出てくるまで漫画を読む。かたわらに積んである少年マガジンを手に取る。ツルモトルームデザイン、大伴昌司企画の表紙と特集ページ。ページが破れて、怪獣解剖大百科のエレキングのつのがなくなっている。ページがめくれない。矢吹丈と力石徹の試合が始まったが、読めない。無理にめくる。ビリッ。やきそばの麺のかけらで紙がくっついていた。白木葉子の首が切れた。
 星明子のお尻にキャベツがくっついている。無用の介のハカマがソースでべっとり。
 やきそばが出来た。「ヤスジのメッタメタガキ道講座」を見ながら食べる。
麺麺麺麺、キャベツキャベツキャベツ、肉、麺麺、キャベツキャベツ。水。麺麺麺、キャベツキャベツキャベツ、肉。ガキ道講座。麺麺。マガジン読み終える。平凡パンチ。キャベツキャベツ麺麺麺、肉。麻田奈美のヌード。なんでこんな子が脱いだんやろ。麺。ホンダ1300クーペ9の試乗記事。この車ほしいなあ。かっこええなあ。わん曲したメーターパネルの運転席がジェット機のコクピットみたいでええな。水。麺麺麺麺麺麺。やたら麺の量が多い。
 と、まあ、こんな店でこんなやきそばをよく食っていた。

 追記。その後、うん十年後に小生はホンダ1600インテグラZSのオーナーとなった。インテグラのルーフからリアにかけてのラインと、この時のクーペ9のルーフのラインがそっくり。少しだけ若いころの念願が叶った。
 

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