走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

佐賀県 武雄市長

2010年05月16日 21時13分42秒 | おもしろい
 今朝、フジテレビ「新報道2001(http://www.fujitv.co.jp/b_hp/shin2001/index.html)」で佐賀県武雄市の樋渡啓祐(ひわたしけいすけ)市長が取り上げられていた。

 同氏は、総務省官僚の立場から同市の職員になり、市長になった人である。
人は彼を「暴走市長」と呼ぶ。
そのゆえんは、思い立ったら(閃いたら)すぐに行動を起こすからである。
その行動は、まさに電光石火のごとく矢継ぎ早に繰り出される。

 失礼であるが過去の経験からすると、こういうタイプは総務省より経済産業省の方が多いと思っていたので、まさに驚きである。
例えば立ち寄ったある農家の奥さんが「レモン果汁に牛乳を混ぜるとおいしいよ」と出してくれたジュースを飲むと、商品化に即動き出すといった具合。
上手なのは、関係課長を集めてテーマだけを指示し、「後は自分たちで考えてね」と放り出す。
担当者にとってはたまったものじゃないが、これが成功すれば必ずモチベーションがあがると思う。

 でも順風満帆に進んだわけでなく、先日の選挙結果を見ても決して善戦とはいえない。
一期目で市民病院の民営化を打ち出し、リコールを受ける。
「リコールって自動車だけかと思ったら、自分がリコールされちゃった」とあっけらかん。
きっと敵対する人たちにとっては「ふざけるな!!」かもしれない。
しかし、同市長は「市立病院である限りは、そのトップは市長です。でも、私は病院経営は素人で、素人がやると失敗するんです」ときっぱり。
今、財政状況が厳しい地方自治体の共通項は、交通・学校・病院といった事業を直接やっているところが多いと思います。
私も定員管理を担当しているときに、本市がこれらの分野を有していないことにどれだけ感謝したことか。
よくよく考えれば同市長が言われるとおり、企業経営の経験がないものが企業のトップ
であるのはおかしいのかもしれない。

 「心はローカル、目標はグローバル」を地でいくような市長である。
映画「がばいばあちゃん」を誘致し、エンターティーメント分野にも力量を発揮。
そのがばいばあちゃんから、おばあちゃんたちのコーラス・ユニットが生まれ、コンサートはもちろん上海万博にも参加するとのこと。

 その中のおばあちゃんの一人が、「私は死ぬまでに樋渡市長に会えたことが幸せじゃあ」と言っていた。
おそらく、この市長さんが評価されるにはもう少し時間がかかるかもしれない。
でも、きっとたくさんの市民に理解されることでしょう...