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シーズン2

民法で1問(21)

2010年05月02日 00時24分00秒 | 民法過去問

5月に入りました。

1月から始めてきた,この民法の過去問シリーズも今回で21回目。

だいぶストックが増えてきました。

もともとこの企画は,本試験で新傾向の問題が出された時に,いたずらに動揺せずに,うまくさばききる応用力を身につけるのが目的。

そのために,様々な資格試験の民法の過去問をランダムで取り上げてきています。

ここで取り上げる問題に対応できれば,どんな試験においても,民法が原因で不合格になる事は絶対にないと断言できますので,問題を地道に解く作業を大事にして,本試験に向かっていきましょう。

   今回はマン管から「不法行為」に関するかなりハードな問題です。

マン管での不法行為に関する問題は,現実に発生するトラブルを想定したものが多いのが特徴的なんですが,この問題もまさに,そのごたぶんにもれずという感じの,リアリティーのある問題となっています。

               「問題」

甲マンションでは、管理組合(区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。以下同じ。)の集会で、共同で新たなインターネット通信設備を設置することが決議され、設備設置会社Aが当該設備の設置工事を行った。これに伴い、区分所有者B~D又は区分所有者の子EとAとの間に生じた紛争に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 1 Bが従前のインターネット通信設備に対応する機器を買い換えた直後に当該設置工事が行われ、その費用が無駄になってしまった場合、AB間で当該機器の買取りについての契約がなかったとしても、Bは、Aに対し、その買取りを請求することができる。

 2 当該設置工事に伴う部屋の配線工事の際にAの過失によりCのパソコンの印刷機が全損したため、CがAに対し損害賠償を請求する場合、当該印刷機の全損時の価値分についての損害賠償の請求だけでなく、当該賠償額に対する遅延損害金も請求することができる。

 3 当該設置工事の際にAの過失によりDがベランダに設置していたエアコンの室外機に傷をつけられた場合、Dは、当該傷を発見してから1年以内であれば、Aに対し、当該傷の修補請求をすることができる。

 4 当該設置工事に伴う部屋の配線工事の際にAが過失により幼児Eに怪我を負わせたため、Eが損害賠償を請求する場合、Eの親に監督上の過失があったときでも、その過失を理由に過失相殺により賠償額を減額することはできない。

    (平成21年度 マンション管理士試験 問12)


4 コメント

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管理業務主任者の通信講座をやっていて、法律分野... (たか)
2010-05-03 00:31:30
管理業務主任者の通信講座をやっていて、法律分野やある程度理解できるのですが、設備、建築関係が理解が難しいのですが、文系出身なのでポイントを教えてください。通信講座では建築関連よりも法律系で点数を稼ぐといわれたのですが設備関連もとりたいと思うのでアドバイスお願いします
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>たかさん (とくさん)
2010-05-06 23:07:31
>たかさん

管理業務主任者試験は,法令系科目を結集させて7割の合格ラインに持っていくというのが,一番理想的な合格法だと思いますが,建築・設備もやっておきたいと思われる場合は,管業試験の過去問はもちろんですが,マンション管理士試験の過去問を極めてしまうというのもありだと思います。

正直,建築系は,何が出るか分からないという不安が多い分野ですが,終わってみると,過去問をつぶしておけば何とかなるという範囲のものがかなりあります(そうでないものは受験者の大多数の方が出来ませんので合否にはまったく影響しません)。

マン管と管業の過去問集を使って,両試験でかぶっているような問題をそっくりそのまま覚えこんでしまった方が良いかもしれません。

この分野は法令系と違い,出来るだけビジュアル的にとらえていったほうが得点はしやすいと思います。

ただ,試験の合格という一点のみでいうならば,あまり建築・設備は深入りしないほうが良いと思います。

この分野は受験者のみなさんが全般的に苦手とされているところですので,ここは余力があったら最後にやるというような気持ちでゆっくりと構えられた上で,法令で勝負されることをオススメします。

どうしてもこの分野を,という場合は,「住宅新報」や「不動産法律セミナー」などの新聞や情報誌などで定期的にあたらしい情報を吸収していくのがよいかと思います。

特に「不動産法律セミナー」は,ここ数年管業試験の特集が,かなり詳しいものになってきています(月刊誌ですが,法律だけではなく設備等に関しても,結構ポイントをおさえた特集のようなものが多くなってきています)ので,一読されてみるというのも・・

12月まであと7ヶ月ありますが,たかさんのモチベーションが続いていきますように,出来るだけ,マン管や管業試験の話題も取り上げていきたいと思います。

がんばって合格までもっていきましょう。
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先生色々アドバイスありがとうございました。 (たか)
2010-05-08 00:07:13
先生色々アドバイスありがとうございました。
いわれた通り設備関係は月刊誌と過去問で勉強していきます。法律関係で何割くらい得点すれば合格ラインに届きますか?設備関係は何割くらい得点が必要ですか?
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Unknown (とくさん)
2010-05-08 16:15:57
>たかさん

50問中35問を取って合格発表を待つというのが,管理業務主任者試験の受験スタイルだと思っています。

問題はその35問の取り方なんですが,法令系を限りなく全問正解させれば,残りの設備はほとんどできなくても35問ラインに近づけると思います。

しかしながら,法令全問正解というのは,相当厳しい条件ですので,ここでだいたい8割ぐらいを目標にして,取りこぼした分を建築・設備から拾うというスタイルに徹した勉強をすべきですね。

あくまで勝負は法令です。

設備系は法令で取りこぼしてしまった分だけ拾う。

本試験までこの感覚を貫き通せれば,必ず合格できる試験だと思います。
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