特定行政書士考査試験には,「要件事実と事実認定論」という科目が含まれています。
これは,認定司法書士に関する簡裁訴訟代理等能力認定考査試験では非常に重要な科目となっているようですが,特定行政書士の考査試験では,正直,どこまで踏み込んでやったら良いのか?という疑問はあると思います。
厄介なことに,ここは行政法科目と違って,プレ研修を利用して復習,という分けにはいきませんでして,法定研修のDVD1回の受講だけで試験に臨まなければなりません・・・
おそらく5問程度の出題となりそうですけどね・・・
この分野については,法定研修テキストを見直すだけではちょっと足りない,というような気もしましたので,書店で「要件事実・事実認定論」の体系的なテキストを探してみたところ,結構な数が出回っていました。
かなり難解なものもありますけど,もっとも基本的で読みやすいと思ったものが,
「要件事実・事実認定入門」補訂版 有斐閣 伊藤滋夫 著
元裁判官で,法科大学院の教授もされていた先生が書かれた初心者向けのテキストです。
帯によりますと,対象者は,法科大学院を目指す学生や司法修習生,司法書士,というようになってはいますが,特定行政書士考査試験対策用としては,ちょうど良い感じだと思います(伊藤先生の書かれたものでは,他にも「要件事実の基礎」という,今年新版が出たばかりの,より高度なテキストもありますが,そこまでいきますと特定行政書士の考査試験対策を超えてしまいますかね)。
あくまでもカギを握るのは行政法分野ですけど,この要件事実・事実認定論の分野も大きな取りこぼしは防ぎたいところではありますね。