細野大臣の発言には心底たまげてしまった。
フクイチの放射性物質に汚染されたがれきや土壌の最終処分場を、福島県以外に設けたいというのだ。「福島の痛みを日本全体で分かち合うことが国としての配慮だ」そうだ。
これ、環境大臣が言うことだろうか。放射能汚染に関しては「分かち合う」などという次元の話じゃないだろう。本当に呆れる。
細野大臣の発言にたまげていたら、もっとたまげることになってしまった。クリの左頬がパンパンに腫れてきたのだ。朝の散歩から帰ってからクリの顔を見た時、左頬が少し腫れているなと思ったのだけど、夕方、朝よりもっと腫れていて、たまげてしまった。
8月半ばに左上前臼歯の歯肉からかなり出血し、びっくりして通院した。歯周病が悪化してしまい、前臼歯の歯茎から出血したのだけど、臼歯は根が深いことと、クリはてんかん持ちで薬のお世話になっているうえ、もう高齢なので、全身麻酔のリスクを考えるに抜くわけにもいかず、しばらく消炎・鎮痛薬でしのいだのだ。
どんどん腫れてきている。細菌に感染してしまったのかなあ。ブナが下痢をした際に処方された「クロロマイセチン250」という抗生剤を持っているのだけど、フェノバールも投与しているクリにむやみに与えるのは怖いので、今は何もしてあげられない。
それこそ、痛みを分かち合ってあげることもできない。
明日は朝から千葉県野田市に取材で出かけなくてはいけないのに、困った。夕方からの診察に間に合うようには帰宅できるから、それまで「これ以上腫れないで」って祈るしかない。
アイシングしてあげようか……。どうしよう、明日起きたら、左頬がもっとパンパンになっていたら。可哀想なクリ。口腔ケアを怠ってきた私が悪い。
朝5時頃にクリに起こされ、2頭にエサをやったあと、どうしても疲れが取れなくて、ついまたうとうとしてしまうことがある。7時になるともう日射しがきつい日などは、日蔭のない河川敷は避けて、車を走らせ、少し離れた場所にある木々が生い茂る公園に出かけることになる。
大泉中央公園にて
そうして大泉中央公園に行ったときのこと。たま~にセントバーナードとフラットコーテットを連れた男性に会う。以前にも一度立ち止まっておしゃべりをしたことがあるのだが、相手は気さくな人で、お互いに飼い犬の歳などを告げ合ったりしていた。
先日、その飼い主さんがベンチで腹筋をする横に、セントバーナードのベル君とフラットコーテットのアリスちゃんがつながれていたので、つい立ち止まって、犬たちに挨拶をしていいか聞いたのだ。
「いいですよ」というから、8歳だか9歳だかのセントバーナードのベル君に、ブナとクリを近づけたのである。ブナもクリも普通に近づき、ベル君も特段威嚇するでもなかったのだが、少しして飼い主さんが「あっ、そいつは要注意かも」と言ったと同時に、ベル君、いきなりガルルッと噛みつきそうな勢いで立ち上がったので、思わずブナとクリを私のほうに引き寄せたのだった。
「若い頃はよかったんだけど、最近そいつ、けっこうヤバイんですよ」って、だったら早く言ってくださいよ。歳がいってもセントバーナードはセントバーナードなんだもの、ガブリとやられたら、かなり怖いじゃありませんか。なんでも「黒ラブが嫌い」らしいのだけど、それこそ早く言ってくださいよ~、でした。
やはり特定の犬種を嫌いな子(犬)っているんだなあ。ブナの姉さん犬のほたるは、ボーダーコリーと相性が悪く、テレビに映っているボーダーコリーにさえ吠えるなんていうのだ。
仲間が増えて喜んでもらえるだろうと思って、あとから飼ったフラットコーテットのアリスちゃんとも仲が良くないらしい。アリスちゃんはまだ若くおきゃんな感じ。「黒ラブは嫌いみたいよ」と言いながら後ずさりする私に、「なに、なに?」と事態を飲み込めない2頭を連れて、すごすごと退散したのでありました。
インターネットでニュースを見ていたら「流通している食品を抜き打ち検査した結果、埼玉県産と千葉県産の4種類の製茶から、国の暫定規制値(1kg当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。それぞれの製茶からは、800~2720ベクレルを検出」だそうである。続けて「この抜き打ち検査で、規制値を超える放射性セシウムが見つかったのは初めて」と書いてあった。
笑ってしまった。どこで笑ったかというと「抜き打ち検査で、規制値を超える放射性セシウムが見つかったのは初めて」という箇所で。本当にきちんきちんと抜き打ち検査なるものを行っているのだろうか。
たまたま出ちゃっただけなのではないだろうか。ほかの物は放射性物質に汚染されていても、検査もされず出回っているのではないだろうか。
だいたいがフクイチからはまだボワボワと放射性物質が放出されているのだから、汚染が拡散されて当たり前である。関東地方のどこそこもかなり汚染が進んだであろうと思う。肉も魚も野菜も土壌も水も等しく汚染されたのである。
程度の差こそあれ、放射能に汚染されたという意味では、福島も茨城も埼玉も千葉も、つまり関東地方は(多分、他県も)同じだ。
にも関わらず、アホなことをぬかす人々が関東地方にいるようなのですね。
数日前の東京新聞に、関東地方に避難している福島県民の母親が子どもを幼稚園に転入させようとしたら、園から「福島から来たことは内緒にしてくれ」と釘を刺され、「公園で子どもを遊ばせないでくれ」とほかの母親から言われたという相談が、人権擁護局に寄せられたという記事が掲載されていた。
いわれなき差別である。本当に腹が立つ。何を理由にそのようなことをほざくのか、理由を述べよと言いたい。関東地方に住んでいるあなたがたも、放射能に汚染されたという意味では同じなのだよ。
そういう訴えを聞くたびに、何がつながろう、ニッポンだと思う。つながるどころか、断ち切ろうとする無慈悲な言動に情けなさ倍増である。
新聞各社もテレビ局も、そういう差別はあっちゃならんことを、もっと声を大にして伝えるべきだし、フクイチがまだちぃっとも安定していないこと(収束を見ないという点では安定しているけど)や現状を、毎日毎日しっかりと伝え続けるべきである。毎朝晩「フクイチの時間」という枠を作って、どれだけ当初の工程表をクリアしているのか検証するべきだ。
ドジョウたちの話ばかりしてないで、被災地の現状やフクイチの事実を全国的に流し続けて欲しい。なぜ福島の人々がいわれなき差別を受けなくてはならないのかを、全国民に問う番組をしっかり作るくらいの気概を見せて欲しいものだ。