『告白』
日曜日、料理の撮影のため家を出て駅に着いた時、今、読んでいる本をカバンに入れてくるのを忘れたことに気がづきました。東京を横断する形で、小一時間地下鉄に乗っているのに……。
今流行りの「駅地下ショッピングモール」のような装いに、再開発されたばかりの駅構内に、フロアスペースの広い本屋ができたので、何か読むものを買おうと思って立ち寄りました。
映画化されて話題になり、平積みになっていた『告白』を購入。
読み始めたら、ぐんぐん引きこまれた。昨日は久しぶりに仕事漬けの日々から解放されて、何もしないでいい日にしようと決めました。家事は溜まっていたけれど。
担任だったクラスの生徒に愛娘を殺された女性教師の復讐劇なのですが、語り手を「級友」「犯人」「犯人の家族」と変えていく手法で、日頃おそらく誰しも感じているであろう、子どもに媚びた世相なども浮き彫りにされており、考えさせられながら一気に読んでしまいました。
思いもかけない衝撃的なラスト。女性教師の恐ろしいまでの執念と緻密な復讐の仕方を描いた力作でした。松たか子さんが女性教師役を演じたという映画をちょっと見てみたくなりました。