<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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久しぶりに午後から東京に行く事が決まった私は、すかさず伊丹発羽田空港行を予約した。
お目当ては、B787に乗ること。

どういうわけか、大阪~東京のフライトは関西空港からはB787が飛んでおらず、いつも関空を利用している私としては大変不満な毎日が続いていた。
青い翼のANAの場合、関空からはB777かB737または、コードシェアのスターフライヤーのA320しか飛んでおらず、B787を体験したい私としてはいささか欲求不満状態になっていたのだ。
そこへ午後からの東京での会議が発生し、私はさっそくB787の「窓側席」を予約したのであった。
「新幹線で行け!」
と云われやしないかと、ドキドキしたが、文句を言われる前にチケットを購入した。
もちろん機首に向かって左側のA席を予約することも忘れなかった。
なぜなら反対側だと富士山が見えないからなのであった。

今年は大阪の空港にとっては歴史的な年となった。
大阪空港と関西空港が経営統合されたのだ。
これによりサービスが格段にアップする、ということもないが、首都圏より民間空港の多い関西圏としては財政問題などとからみ、言いたいけど言えなかった事案として橋下徹の経営政策で完結し、順調な滑り出しを見せているようだ。
ところが、私はこの大阪空港が少しばかり苦手なのだ。
それはターミナルビルが古いことが原因ではない。
私の住んでいる大阪南部からはかなり遠いことも原因ではない。
ではなぜ苦手なのかというと、街の真ん中にあって「もし万が一の場合」確実に悲惨な結果がまっているように思えて仕方がない空港だからだ。
できることなら関空完成と同時に廃港にするか、周囲10kmを無人の更地にもどしていただきたいくらい、ドキドキする空港なのである。

「香港の啓徳空港に比べると、なんでもないよ」
と言う人も過去にはいたのだが、どうしてもとりわけ南から着陸する時は、大阪市内の高層ビル群にぶつかりはしないかと、余計な心配をすることが少なくない、

尤も、今回は出発するだけなので大阪市内の高層ビル群を心配する必要はない。

で、空港へ着いた私は意気揚々とB787に搭乗すべく10番ゲートに向かった。
出発時間より1時間少しばかり早く着いてしまったので、乗るはずの機体はまだ到着していない。
こういう時は仕事タイム。
ノマドワーカーの私はさっそく鞄からMacbookを取り出し仕事に励みだした。
待つこと20分ほど、前方の窓の外を見渡すと、ボディに「787」と書かれた羽田行きのB787がゆっくりと私の方に向かってくる。
なかなかいい眺めだ。

B787を初めて見た時から、
「この飛行機は鳥みたいや」
と思っていたのだが、いざ自分が乗るとなると、益々その鳥みたいな印象のフォルムが気にかかる。
機体のほとんどがジュラルミンではなくカーボンファイバーで作られた民間機はこれがほとんど初めてであり、それを作る技術を持っているのも日本のメーカーだけという、ボーイングの名前を冠った準国産機であるために期待はどんどん膨らむのだ。

これで、
「乗ってみたら、やっぱり他の普通の飛行機と変わらなかった」
では意味が無い。
何かしらの期待を抱きつつ私は出発の時間を待っていたのであった。

つづく

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