<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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FM放送を聞きながら車を運転したら、懐かしい小泉今日子の歌声が聞こえてきた。
知らない歌だったので、はじめのうちは誰が歌っているのか分からなかったが、柔らかなトーンでちょっと甘え気味な歌い方は、
「おお、小泉今日子やんか」
とわかる特徴ある声なのであった。

そこでふと気づいた。
最近の女性アイドルはどのグループも同じような歌声だな、と。

単品売り出しのアイドルがほとんどいなくなり、グループばかりなので声が似てくるのも当然かも知れない。
さらに、私がオッサン化しているために、若いアイドルの声はもとより、顔も名前も覚えられなくなっていることも原因しているのだろう。
しかも、我が家で頼りの中一の娘はアイドルに無関心。周囲では極めて珍しいタイプで、アイドルよりもルパン三世やシャーロック・ホームズがお気に入りなので、同じ世代の友達との話についていけるかどうか、心配になってくるくらいなのだ。

で、同じ声に聞こえる女性アイドル。
その共通の歌声は「キーキー声」。
その昔、アイドルになるための登竜門だった「スター誕生!」だったら審査員の松田トシ先生なんかが、
「その歌い方はいけません」
と注意しそうな歌い方のアイドルばかりなのだ。

このキーキー声で平気で歌うようになったのはカラオケが大きく影響していると思われる。
子供の頃からカラオケで鍛えた声は、民謡や童謡で鍛えた声とは異なり、声ではなく、音を出す練習をさせているのかもわからない。

そもそもこの頃のキーキー声はどこから始まったのだろう。
私は「スピード」というグループあたりが初めではなかいと思っている。
というのも、先日メンバーの田中好子が亡くなったキャンディーズもキーキー声ではないし、ピンクレディーもそう。
WinkもCOCOもキーキー声ではなかった。

「キーキー声」と「下手くそ」はもちろん意味が異なる。
歌の下手くそなアイドルは昔からそれなりに存在していて、それなりに市民権を得ていたと思う。
大場久美子。
浅田美代子。
の二人はその代表だが、どちらも現在でも活躍しており、ともにキーキー声ではあかった。

先述したように、昔は主流だった単品アイドルに至っては各々が特長ある歌声で小泉今日子に限らず、声を聞いただけで誰が歌っているのか知らない歌でもよくわかる。

山口百恵に桜田淳子、松田聖子に中森明菜。
太い声、柔らかい声、甘えた声、しゃくりあげる声など、様々なのであった。
それぞれに個性があり、それぞれに価値があったように思われる。

ここのところ韓国のアイドルが隆盛を誇ってきていて日本のそれを凌駕し始めているが、案外、こういうところが日本製アイドル衰退の原因なのかもわからない。
普通の人は、お金を出してまで素人の歌は聞きたくないものだ。

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