<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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毎週のように大阪から東京に出張していると、そのうち「転勤して」と云われるのじゃないかと戦々恐々としている。
幸いなことに東京転勤したら毎週のように大阪に出張しなければならなくなるので、今のところ大阪での生活は安泰だ。
といことは、以前にも書いたような......。

そんなこんなで、出張が多いので自宅への土産は滅多に買わないことにしている。
というのも、毎回買っていると小遣いがいくらあっても足りないからだ。
しかも買って持ち帰ったものが不味かったりすると家族の不評を買い、馬鹿にされ、何のために買ったのかわからなくなるからでもある。

それでもまれに東京の土産を買い求めるのだが、うまい物、不味い物、いろいろあって甲乙付けにくい。

実家の老父母に人気なのが浅草の雷おこし。
この超オーソドックスな東京土産を初めて買って帰ったときは、
「なんやねん、これ」
というような態度を取られたが、大阪にある同様のお菓子と比較すると比べ物にならないくらい美味であったため、以後、実家には「雷おこし」を買って帰ることにしている。
他にも実家には「東京ばな奈」や「黒ごま卵」を買って帰ったことがあるのだが、昭和一桁生まれの二人にはまったくもって不評で、大枚はたいて購入したことを後悔さえしたのであった。

一方我が家にもテレビで紹介されたパイもどきのお菓子や、「何とかの樹」という具合に色々買って帰っているのだが、喜ばれることはありながら絶賛されることは少なく、何を買うのか悩む時がある。
尤も、悩むくらいなら買わないほうがましなので、最近はあまり買うことがさらに少なくなった。

そんな中でも好評なのが東十条駅前で購入した「黒松」という三笠饅頭で、これは私も美味いと思っている。
が、なにぶん東十条といういささか離れた場所にあり、しかもご近所に得意先も何も無いために、わざわざ買いに行く手間がかかってしまいめどうだ。
そこでやはり羽田空港や東京駅で買い求めることになるのだが、昨年実に美味しいロールケーキを発見。

そのケーキは大阪でも百貨店に店を出している東京の洋菓子店のコロンバンのロールケーキで名前を「原宿ロール」という。

昨年の今頃、羽田空港で偶然に買い求めたのだが、家に持ち帰り食べたところ、これがメチャ美味い。
昨今のロールケーキブームの中でも代表的ロールケーキである大阪の堂島ロールの存在を十分に脅かす美味な存在なのであった。

甘すぎない絶妙なクリームがタップリと入ったそのロールケーキは東京や京都にはありがちな皇室御用達なんだそうだが、それが理由かどうか分からないが、とても上品な味わいなのであった。
この原宿ロールが、我が家での東京土産ナンバーワンなのであった。

それが、先日の東京出張でこの「原宿ロール」の王座を蹴落とした新東京土産チャンピオンが登場した。

その土産の名前は「原宿はちみつロール」。

おんなじやないかい、と言うなかれ。
同じコロンバンのケーキなのであったが、これが実に美味い上に、「物語」までついているので参ってしまった。
というのも、この「原宿ロール」に「はちみつ」の加わった「原宿はちみつロール」は値段が「原宿ロール」の1.5倍するのだが、それだけ価値のある味わいなのであった。
しかも、付いてる物語が洒落ていた。
なんでもこのロールケーキについている「はちみつ」の名称は、原宿にあるこの店の本店屋上で飼っているミツバチの集めてきた「純国産(純東京産)」のはちみつを使っているところから来ているのだという。

しかもしかも、地理的要因がただの「はちみつ」ではないものにしていたのだ。

原宿というと皇居のすぐちかく。
この蜂蜜は、ミツバチたちが神宮外苑や皇居の中で集めてきた蜜から作られた「はちみつ」なのであった。
私たちが容易に立ち入りできない皇居もミツバチたちにとっては侵入になんでもないところ。
天皇陛下がぶらぶらと散歩されているすぐ横もSPに体当たりされずに飛びすぎることができるのも、ミツバチの特権だ。
つまりこの皇居の草花から作られたハチミツを市井の一般人が頂戴できるとは、感無量。

これだけは東京でないと実現できない洋菓子企画の勝利ということができるだろう。

昭和天皇が植物学者でいらっしゃたことを思い出しながら、娘に「これは天皇陛下が住んではる皇居で採れたハチミツ使ってるんやて」というと、「ふーん」と訳がわかったのかどうか知らないが、それなりに感動していたのであった。

BEST OF 東京土産。

それはコロンバンの「原宿はちみつロール」なのであった。(なお、原宿本店と羽田空港だけの数量限定の限定販売なんだそうです。)

迂闊にも写真を写す前に食べてしまったので、写真はコロンバンさんのHPを御覧ください。

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