平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

日本アカデミー賞で「東京タワー」が5冠

2008-02-17 21:04:33 | 映画

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080215-00000019-maiall-ent
(<日本アカデミー賞>「ありえない」?「東京タワー」が5冠 オダギリジョーも驚き)

出演者が「ありえない」というのだから、よほどひどい映画なのでしょう。他の映画祭ではかすりもしない映画がなぜ受賞できたかについてはさておき、一観客としての正直な感想を言わせてもらうと、この映画はホントにひどい映画でした。以下は、mixi(2007/5/25)に書いたものです。

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『東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン』を観た。今まで色んな映画を観てきたが、これほど出来の悪い映画は記憶にない。

映画全体のイメージは、どす黒く濁った水彩画かな。どの人物も魅力が無くて、しかも汚い。

冒頭に、「5秒後、とてもアバンギャルドなことになります」という思わせぶりなナレーションが流れ、何があるのかと期待していると、泥酔したオトンが戸を蹴破って家に入るという、最低最悪の演出。ここで観る気が失せ、席を立って帰ろうかと思った。
私は、酒の勢いで物を壊す人間が大嫌いだ。こういう馬鹿野郎は酒を飲む資格がない。飲まれる酒が可哀想だ。

この馬鹿野郎を演じていたのは、小林薫だが、あんなに大根だとは思わなかった。自由気ままな人間を演じようとすればするほど、魅力のない下品な人間が強調されるだけ。「私はこれほど自由な人間を知らない」などという、屋上屋を架すナレーションがとどめをさした。オトンの役割はこれで終わり。もう出てくるなと願った。が、最後までダラダラと出た。うんざりだった。

つぎはオカンであるが、これも人物像がぼんやりとして、つかみ所が無くて、なんだかよくわからない。子供を可愛がるわけでもなく、邪魔にするわけでもない。親子関係が全然描かれていない。
オカンも、オトンほどではないが相当いい加減な女で、花札で博打をするわ、口紅を真っ赤に塗って浮気に行くわ、やりたい放題。
主人公も、高校から勉強をしなくなり、大学では麻雀と女に明け暮れ、留年を重ねる。

つまり、どいつもこいつもふざけた人間ばかりなのだ。最後に、おカンが胃ガンで死ぬのだが、それがどうしたと言いたい。普通のできごとだ。私の姉は44歳のとき乳ガンで死んだ。死ぬときはガン死が一番多いのだ。
オカンの死に臨んで初めて家族が一つになったことを言いたいのだろうか。しかし、それはどの家庭にもある。映画化するほどのことではない。映画の後半は、観客を泣かそうとする安っぽい演出の大集合だ。どれもこれも使い古されて手垢がついているので涙なんか出やしない。

結局この監督は何を言いたかったのだろう?

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