「人は城、人は石垣、人は掘」、もうこれ以上餓死する人を出さない国づくりを
今年も残り少なくなった。昨日行った岡山市中央卸売市場「ふくふく通り」は大変な混雑。車を停めるにも、大変な苦労だった。どのお店も、年末買い物で賑わっていた。
そんな中で、過日の切なく辛いニュースを思い起こしている。少しだけ時間が経っているが、12月19日に「31歳・元社長令嬢はなぜ餓死したか…冷蔵庫にはマヨネーズの空容器だけ」という見出しの記事が配信(産経新聞)された。
「餓死したとみられる女性の遺体が見つかった団地。電気やガス、水道さえも止められた部屋。現金も食べ物もなく、冷蔵庫には中身がなくなったマヨネーズの容器しか残されていなかった。(中略)
11月中旬だというのに、女性は半袖・半ズボン姿。遺体はやせ細り骨と皮だけの状態で、腐乱していた。室内には食べ物が一切なく、お金も見当たらなかった。貧困による餓死の可能性が濃厚だった。
実際、女性の部屋にはこんなレシートが3枚残されていたという。
《8月21日 うどん200グラム72円、上白糖1キロ166円》
《8月21日 昆布つゆ500ミリ99円》
《8月29日 パン2個80円、ジャム2個96円》
これ以降の約2カ月間、女性は食べ物を一切、買えていなかった可能性がある」。
彼女はどんな思いで8月29日以降の約2カ月間を過ごしたのだろうか、そう思うと私の頬に涙が流れた。何故こうしたことが頻繁に繰り返し起こるのだろうか。この国はどこか病んでいると思えてならない。
アベノミクスによって、円安が進み株価が上がったと新聞は書き立てている。お野菜のカブならいざ知らず、株などと無縁な私であり、景気が回復しているという実感もない。今の社会、格差がより大きく広がっていて、ホンの一握りの豊かな人がいる一方で、困窮生活を余儀なくされている人を大量に生み出しいるように思えてならない。
働く者を使い捨てにしてはいけない。武田信玄ではないが「人は城、人は石垣、人は掘」だと思う。全ての働く意志と能力のある人に、生涯安心して働ける場と心豊かに暮らしていける賃金を保障するような、そんな世の中であることを願う。その正反対の方が今安倍内閣が進めている「戦争する国への道」だと思う。